追悼 ドリス・デイさん

 「ケ・セラ・セラ」 米女優 ドリス・デイさん死去



NHK NEWS WEB 2019年5月13日 23時04分

ヒッチコック監督の映画で歌った主題歌「ケ・セラ・セラ」が世界中でヒットし人気を不動のものとした、アメリカの歌手で俳優のドリス・デイさんが13日、亡くなりました。97歳でした。

これはデイさんが運営していた動物愛護のための財団が13日、公式のウェブサイトで明らかにしました。

デイさんは1922年にアメリカ中西部のオハイオ州で生まれ、15歳から歌手として活動を始めて、1945年には「センチメンタル・ジャーニー」がヒットして人気を博しました。

女優としても活躍し、1956年に公開されたアルフレッド・ヒッチコック監督の映画「知りすぎていた男」で主人公の妻役を演じ、この映画の中で歌った主題歌「ケ・セラ・セラ」がヒットしてアカデミー賞歌曲賞を受賞しました。

2004年にアメリカで文化活動などに貢献した人に贈られる一般市民としては最高位の勲章「自由勲章」を受章したほか、2008年にはアメリカ音楽界で最も権威があるとされるグラミー賞で、生涯功労賞を受賞しています。

デイさんは肺炎を患って13日朝、アメリカ西部カリフォルニア州の自宅で、親しい友人たちに見守られながら亡くなったということです。

今朝の朝日新聞「天声人語」でも、取り上げられた。



ドリス・デイがヒロインをつとめ、
クライマックスで「ケ・セラ・セラ」をうたう映画『知りすぎていた男』をテレビで見たのは、1986年10月26日の『日曜洋画劇場』だったはず。映画公開よりも、ずっと後である。
でも、この歌は、子どものころから知っていた。



ラジオで聴いたり、
テレビで放送されていたテレビドラマ「ママは太陽」のテーマ曲になっていた記憶もある。ただ、肝心のドラマの内容は、さっぱり覚えていない。
検索してみると、これはアメリカで1968年から1973年まで放送された番組で、日本では1970年にNHKが放送していたようだ。
小学校の低学年ころまで熱心に見ていたアメリカ製ホームドラマだったが、そのころにはネコパパの関心も薄れていたのだろう。
ドリス・デイはこの番組を最後に、芸能生活から完全引退したそうだ。
まだ50歳である。この人が年齢の割に「古き良き時代」のイメージをまとっているのは、速い引退のせいもあるのだろう。

1986年に『知りすぎていた男』を見たときは、歌唱演技とも素敵だと思った。
1950年代のアメリカのイメージに合った、溌溂として明るく、男性とも対等に話し、闊達に行動する女性像を見事に演じている。ヒッチコック好みの、影を秘めた典型的ブロンド美女とは、ちょっとイメージが違う気もするけれど。

その映画を見たころにはsige君たちのの感化で、ジャズも少しは聴くようになり、ジャズ・ボーカリストとしてのドリス・デイの実力も知るようになった。

語りがそのまま歌になっていくような、普段着の語り口によって、その歌の「よさ」が素直に懐にはぃつていくような心地よさ。
生き生きと弾むリズムのよさ。
それでいて、全く楽天的なのではなく、どこか人生の含羞をかみしめているかのようにも感じられる、ややくぐもった声の質…

今では、時折取り出して聴くお気に入りのアルバムも何枚かある。とくにバラードを好んで聞く。







ネコパパの一番のお気に入りは、『デュエット』。
アンドレ・プレヴィン、レッド・ミッチェル、フランク・キャップのトリオと共演したアルバムだ。
レコード仲間の間では、左右に分かれすぎの極端なステレオ録音の例として取り上げられることが多いのだが、選曲も演奏も、とてもいいと思う。

"Close Your Eyes" (Bernice Petkere) – 3:14
"Fools Rush In (Where Angels Fear to Tread)" (Rube Bloom, Johnny Mercer) – 3:55
"Yes" (André Previn, Dory Langdon Previn) – 3:28
"Nobody's Heart" (Richard Rodgers, Lorenz Hart) – 3:57
"Remind Me" (Jerome Kern, Dorothy Fields) – 4:03
"Who Are We to Say (Obey Your Heart)" (Sigmund Romberg, Gus Kahn) – 3:04
"Daydreaming" (André Previn, Dory Langdon Previn) – 3:11
"Give Me Time" (Alec Wilder) – 3:31
"Control Yourself" (André Previn, Dory Langdon Previn) – 3:00
"Wait Till You See Him" (Richard Rodgers, Lorenz Hart) – 3:08
"My One and Only Love" (Guy Wood, Robert Mellin) – 3:43
"Falling in Love Again" (Sammy Lerner, Frederick Hollander) – 2:55



最近では「ジャニー・ギター」など往年のヒット曲が、蓄音機サロンでもしばしば取り上げられ、彼女の歌に触れる機会も増えていた。
ジャズに詳しい井上マスターから「90歳をすぎておられますが、ご健在です」と知らされ、それも素敵なことだな、と感じ入るばかりだったのだが、そこへ、この度の訃報…心よりご冥福をお祈りしたい。




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コメント

コメント(20)
No title
「ナイス!」です。(^^)

ドリス・デイさんのレコードは、
持ってるかどうかわかりませんが、、、。

tan*oi*y*n

2019/05/18 URL 編集返信

No title
私はドリス・デイの名前は知っているが、歌手なのか女優なのか、どういう作品に関わっているのか、まるで知りませんでした。私の世代は皆そうだと思います。
では何故名前を知っているのか?ビートルズが自作曲で彼女の名前を歌っているからです。https://www.youtube.com/watch?v=fUUOX6kAIxIこの曲は珍しく4人のメンバー全員の共作です。ビートルズは実在する人物の名前を歌詞に入れることは殆どありませんでした。ビートルズの4人はドリス・デイの大ファンだったようです。ちなみに並べて歌われているBBキングも大好きだったようです。(続)

不二家 憩希

2019/05/18 URL 編集返信

No title
ドリス・デイの訃報を受けてオール・マッカートニーが自身の公式サイトにコメントを載せています。「ドリス・デイが亡くなったと聞き、とても悲しい。彼女は様々な意味で本物のスターだった。僕は光栄にも何度か彼女と一緒に時を過ごす機会に恵まれた。カリフォルニアにある彼女の家を訪れるのは、まるでアニマル・サンクチャリーへ行くようだった。そこでは、たくさんの犬たちが素晴らしい流儀で世話されていた。彼女は黄金の心を持つとても愉快な女性で、僕らは多くの笑いを共にした。『カラミティ・ジェーン』『女房は生きていた』、その他たくさんの彼女の映画はどれも素晴らしく、彼女の演技と歌はいつだって本質を突いていた。彼女がいなくなってしまったなんて寂しい。でも、彼女の輝く笑顔と周りもつられてしまう笑い、そして、彼女が僕らに与えてくれた多くの素晴らしい曲と映画のことはずっと忘れない。ドリスに神のご加護を」(続)

不二家 憩希

2019/05/18 URL 編集返信

No title
また2016年に行われたインタヴューで話題が年齢に及んだ時、ポールはデイを引き合いに出し「ちょっとばかり知り合いのドリス・デイが、かつて僕に言ったんだ。“年齢なんて幻想よ”ってね。最近彼女の誕生日を祝いながら、そのことを思い出した。年齢はただの数字だとも言う。年を重ねるごとに数字は大きくなっていく。年齢が邪魔にならないのであれば、僕は年がいくつだろうが気にしない。年齢は無視できる。僕はそうしている」

不二家 憩希

2019/05/18 URL 編集返信

No title
Doris Day & Andre Previn - Duet 良いですね。こういう非怨念系のジャズボーカルは好きです。カラッとして健全な感じが好感が持てます。バックの演奏陣も言うことなしです。

不二家 憩希

2019/05/18 URL 編集返信

No title
> tan*oi*y*nさん
あがとうございます。ぜひお聞きになってください。

yositaka

2019/05/18 URL 編集返信

No title
午前0時に「ご冥福をお祈りいたします」と書いたら今朝には、ネコパパさん追悼の記事をUPされていてびっくりです。
ドリス・デイさんとペギー葉山さんのケ・セラ・セラのLPを聴いて偲びましょうか、でも夜聴くには明るい歌声なので明日の朝にします。

チャラン

2019/05/18 URL 編集返信

No title
> 不二家 憩希さん
Dig Itという曲ですね。短いバージョンですが、本当はもっと長いジャムセッションの一部分とのこと。いやあ知りませんでした。ビートルズの4人はドリス・デイの大ファンで、ポール・マッカートニーがこんな弔辞も…これはファンならずともぐっときますね。黄金の心と笑顔を持つだけでなく、動物愛護の活動家でもあったドリス・デイと彼らとは、思想的にも共感しあっていたのかもしれません。
天声人語に書かれている「人間のことを知れば知るほどますます動物が好きになる」という言葉は、味方によっては鋭い人間批判とも読み取れます。

yositaka

2019/05/18 URL 編集返信

No title
> 不二家 憩希さん
「Duet」気に入っていただけて嬉しいです。ドリス・デイはアニタ・オデイやクリス・コナーのようにはっきりと「ジャズ・シンガー」と呼べる人ではありませんが、自然体で心を打つ音楽が生み出せる人だと思います。なんだか、勇気を与えてくれるような歌です。

yositaka

2019/05/18 URL 編集返信

No title
> チャランさん
私は今日の午後「Day By Night」を聴いて偲びました。1957年録音の、ドリス・ディ最初のステレオ盤です。
夜をテーマにした曲が集められていて、情感が豊かです。
ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を引用した曲「ランプ・イズ・ロウ」も収録。作曲者側と著作権でもめたみたいですが、やっぱりこれは美しい。

yositaka

2019/05/18 URL 編集返信

No title
「Day By Night」の「ランプ・イズ・ロウ」B面のさいごですね。
MONOしかありませんが傾聴します。ありがとうございます。

チャラン

2019/05/19 URL 編集返信

No title
素晴らしい歌唱ですね。言葉がキリッと立っている。
まだご存命だったとは。古き良きアメリカを体現した方でした。
知りすぎた男は、モロッコが舞台でしたね。

koj*235**ummo*d

2019/05/19 URL 編集返信

No title
> チャランさん
私のはCDですよ。MONO盤LPは貴重な一枚です。
「ランプ・イズ・ロウ」がカットされた盤もあるようです。

yositaka

2019/05/19 URL 編集返信

No title
> koj*235**ummo*dさん
一つ一つの言葉がくっきりと明晰なのもこの人の良さですね。それに当時のオンマイクの録音の素晴らしさもあります。
『知りすぎていた男』はモロッコで始まり、さまざまに舞台を変えていきます。
ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートと、ドリス・デイの「ケ・セラ・セラ」が歌われる中で緊迫した場面が展開する、「音楽」が重要な要素になった映画でもありました。
ヒッチコックの中でも指折りの逸品です。

yositaka

2019/05/19 URL 編集返信

No title
上がっている「デュエット」を聞きながら書かせていただいています。口を横に引いた明るい音を基調に音を出す方。オ音を基調に出さないので軽いと言われるかもしれないけど、明るく、元気にさせてくれる。雪村いづみ、江利チエミの中にもこんな音があったなあ。今、リマインド ミーにさしかかりいい心地で聞いている。このレコード、バラード極上。日本で人口に膾炙したドリスはポピュラー歌手さんの印象強いけど、表現力のとてもある大歌手と私は認識しています。ネコパパ氏がこの音源を紹介され、面目躍如。

toy**ero

2019/05/19 URL 編集返信

No title
> toy**eroさん
気に入っていただけて嬉しいです。雪村いづみ、江利チエミに通ずるものは確かにありますね。特に江利チエミのジャズ的な要素は、ドリス・デイの薫陶を受けているようにも思います。
私がこのアルバムを入手した最大の理由は、レッド・ミッチェルが参加しているからです。
このベーシストは広範な作品に参加し、共演者も様々ですが、個人的には、彼の参加したものは、聴かずに買ってもはずれなし、という認識を持っています。
おかげでいいジャズ盤との出会いを随分させていただきました。

yositaka

2019/05/19 URL 編集返信

No title
> yositakaさん
>聴かずに買ってもはずれなし 私も同感です。そのアルバム購入を迷う場合レッド・ミッチェルが参加していれば買ってしまいます。仮にリーダーが悪くてもミッチェルの作品とみなして聞けばいいと思っているからです。そして何故かハズレの盤が無いんですよね。彼は最高のベーシストだと思っています。

不二家 憩希

2019/05/19 URL 編集返信

No title
> 不二家 憩希さん
全く同感です。ベーシストだからリーダーアルバムは少ないのですが、彼がいるだけで音楽の空気が変わる、そんな気がします。
ジャズファンの間では、ピアニストのトミー・フラナガンが「名盤の裏方」として有名です。レギュラーメンバーでもないのに、たまに「ふらり」と参加しては、そのセッションを優れたものにしてしまう。そんな「静かな起爆剤」のような人は、どこの世界にもいるんでしょうね。

yositaka

2019/05/19 URL 編集返信

No title
こんばんは♪
私が、大好きな「ムーン・グロー」の入ったアルバムが紹介されていて、とても嬉しいですね。

Coffee Winds

2019/05/19 URL 編集返信

No title
> Coffee Windsさん
ありがとうございます。「デイ・バイ・ナイト」は夜にかかわる曲を集めたセンスがいいですし、オーケストラのアレンジも美しくて好きです。
また、いつも笑顔でジャケット写真に納まっているドリスが、めずらしく憂いのある表情なのも、味わいがあります。

yositaka

2019/05/20 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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