教授の大みそか2018



この番組は、毎年生放送で大晦日に放送されていたそうです。
でも、聞くのは初めて。
なにしろラジオからはすっかり遠ざかっており、再び聴き始めたのはつい最近のことなんですから。
いやあ、これはいい番組です。これまで聞き逃していたのは惜しかった。
再放送は無理でしょうねえ…

ラジオと再会したきっかけは、今も熱心なラジオリスナーのプロ友シュレーゲル雨蛙さんからエアチェックをいくつか聞かせていただいたこと。
番組表を見ると、聞いてみたい番組が結構ある。とりわけ片山杜秀の「クラシックの迷宮」はファンになりましたし、NHK第2放送の「カルチャーラジオ文学の世界」では、若松英輔という気鋭の文芸評論家の存在を知ることができました。
そして、この番組…「教授の大みそか」は、拙ブログへのコメントでご教示いただきました。
番組ホームページもがあり、過去の曲目が掲載されているんですが、これが素晴らしく多彩で、貴重な音源ばかりなのに驚きました。


でも今回の曲目は、紹介されていませんでした。
聞いてみると、その場で即興的に盤を決めている空気もあって「あと何曲かけられますかね」なんて言ってる。ニュースや交通情報が間に長く挟まれる。
いかにも生放送っぽい。
まあ、ネコパパが聞いたのはエアチェックですけれどね。

昨日、ふと思いついてもう一度ホームページを見たところ…
おお、曲目がアップされていました。



1曲目から5曲目までは、「オリンピック」にちなんだ選曲で、皇紀2600年を記念して東京で開催されるはずだった「幻の東京オリンピック」にちなむ曲目。
そして6曲目からあとは「恒例のSP紅白歌合戦」とのことで、ふたりの教授が交互に男女の演奏家によるSP盤をかけていく趣向です。

歴史的記録として面白かったのは前半、音楽として楽しめたのは後半でした。
「幻の東京オリンピック」に関係する音楽は、歌曲にしても器楽にしても、曲想が明るく晴れ晴れとしているのが特徴です。
時代はすでに日中戦争のさなか、翌年には太平洋戦争も始まるというのに、この能天気さ、陽気さはどうなんでしょう。
政府が奨励したこともあるのでしょうが、どうも聞いていて「強制された陽気さ」には聞こえません。コメンテーターの一人が言われていたように「こういうのが売れたから」というのが正しい気がします。
そういう、危機感のないままに流されていく雰囲気は、かなりこわい。「ぼーっと生きてんじゃねえよ!」といいたくなります。今もか。

後半でよかったのは、全く未知のソプラノ歌手サラ・スクデーリによる軽やかで気品漂うプッチーニと、



若き藤原義江の歌う「メリー・ウィドウ・ワルツ」でした。
サラ・スクデーリはほとんど録音のない歌手で、コメンテーターが「私は○枚持っている」と自慢気にいうのがおかしかった。
珍しいのは若きバーンスタインがビリー・ホリディのために作曲した「ビッグ・スタッフ」を歌った一枚。当時無名の新人だったこの曲をビリーは気に入り、録音が実現したのだそうです。

今回の放送で使用された蓄音機はこの二台。



HMVのフロア型と卓上型です。
最初のうちは「これは大きいほうで…」と使用機器をアナウンスしていましたが、だんだん言わなくなってしまった。

音は?
スタジオの蓄音機音をマイクで拾っているので限界はありますが、「SP盤をかけている」という雰囲気は伝わりますね。ただ、気になる点も。
針を落としたあとの独特のノイズが、音楽の始まる前になぜかぐっと減衰する。
そのあとの音楽は、まあ曲はわかるものの、ちょっと鈍い音になります。蓄音機を使い分けているものの、二つの機器の音の違いはどうもよくわからない。
外見だけ見ても、相当な違いがあるはずなんですが。

まちがってたらごめん。
スタッフさん、ひょっとして調整卓で音、いじってません?
ノイズが入らないように、イコライジングしているとか。
もしそうなら、次からはやめてほしい。蓄音機の音じゃなくなってしまいます。
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コメント

コメント(4)
No title
使用機材のアナウンスをしても???という反応が多いでしょうし、大多数のリスナーには興味が無いことなので言わなくなったと思われます。
SPの音に関しては、取り上げてくれるだけで十分なので細かい注文は勘弁してやってください。

NHK-FMではイレギュラーにSP盤のジャズをかける10分ほどの番組もあります。
これは緊急放送等で時間の隙間が出来た時に流れるものですが、聴き応えがあります。

不二家 憩希

2019/01/20 URL 編集返信

No title
> 不二家 憩希さん
そのジャズ番組は年末にも放送されていました。ベニー・グッドマンのSPが取り上げられていましたね。
これはどういう番組なんだろうと思っていましたが、そういうことでしたか。これから番組表を気をつけて見てみようと思います。

使用機器の使い分けは、せっかく歴史的な機器をスタジオに持ち込んで、ホームページに写真まで掲載しているのですから、あと出しでも掲載して欲しかったですね。
問題は音です。これは細かい注文ではなく、細かいことをやめる提案です。出た音そのままを、あまりいじらずに伝えて欲しいのです。針音やノイズも歴史的記録の一部ですからね。それが嫌な人は、そもそもこういう番組を聴かないんじゃないでしょうか。

yositaka

2019/01/20 URL 編集返信

No title
音に拘るネコパパさん、成程ネコパパさんらしいと思いました。阿佐ヶ谷のヴィオロンでのSPコンサートに何回か行きましたがSPの音はサーサーいっても生々しい音がします。音圧を感じます。ステレオではなかなか感じられない魅力でした(ぼくの耳ではまだまだ開拓不足なところです)。

シュレーゲル雨蛙

2019/01/20 URL 編集返信

No title
> シュレーゲル雨蛙さん
ヴィオロンは確かクレデンザですね。使い込まれているのできっと素晴らしい美音が出せるのではないでしょうか。ぜひ一度聞いてみたいものです。
音にこだわるのは放送局スタッフの方がはるかに上でしょう。こんな私の戯言が目に留まっても、笑われそうです。でもなかには「こんなに細かく聞くリスナーもいるのか」と感じてくれる人もいるかもしれません。

yositaka

2019/01/21 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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