本の森には昭和の風が




3月某日
娘と神田神保町の町並みを歩く。
何度見ても圧倒される、本の森である。

めあては児童書と
アナログレコード。
古書センターにある「みわ書房」には、
学生時代から何度かお世話になっており、
いぬいとみこの初版「ながいながいペンギンのはなし」や
同じ著者の「空からの歌声」
散々探して見つからなかった伊沢由美子の「かれ草色の風をありがとう」などを購入したことが懐かしい。
ここへは神保町に来るたび立ち寄るのだが、
店のたたずまいは他の店と同様少しもかわらない。
雨模様の日で、しかも日曜日。日曜休みの多い古書店街は閑散としているのではと案じていたが、
古書センターは営業していたし、
ちょっとした祭りのイベントもあって歩道には各書店からワゴンも出て、
それをながめるだけでも十分な時がすごせた。

本の町にはいつでも昭和の風が吹いているようだ。

みわ書房のカウンターに彦根のキャラクター「ひこにゃん」の小さなグッズのコーナーもあって
ひこにゃんファンの娘を喜ばせていた。

今回の収穫は
ゲープハルト「どこからかきた少女」絵・堀内誠一 岩波書店
今江祥智「招き猫通信」(今江祥智の本 第32巻)絵・長新太 理論社
渡辺茂男「ゆかりのたんじょうび」絵・大田大八 理論社

持ち帰った一冊をぱらぱらとめくってみる。
「招き猫通信」冒頭の一篇はこのように始まる。

いきなり頭をたたかれ、
ーなによ!
と、ふりむくと
ーおっかしいな。鐘のくせに鳴らんぞ。
と、あいてはとぼける。そんなことがよくあった。
鐘子という名前のせいだわ…と、鐘子は思った。
でも、しかたがない。わたしがあんなときに生まれてきてしまったせいだもん。


長新太描く見事な招き猫の絵につづいて、この見事な滑り出し。

編集 小宮山量平、装丁 平野甲賀、上製204ページで
当時の定価2900円。
1991年の初版本。
児童文学がひとつの光芒を放った時代の所産である。
みわ書房の売値は840円であった。

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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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