ギャラリー香津原・蓄音機コンサート「タンゴの夕べ」

名古屋の中心部栄の大黒屋で行っていた勝原オーナー主催の蓄音機コンサートが、今度は大学町八事にオープンしたギャラリー「浮世絵と蓄音機 香津原」で開催される運びになりました。
4月29日は、その記念すべき第1回。
ネコパパも拝聴させていただきました。




この日はGW初日。汗ばむくらいの晴天の午後になりました。

スペースの関係で、40人で満席です。ひとつの空席もない盛況ぶりでした。
調整を重ね、いまや絶好調の英国製蓄音機、EMGマーク9の奏でる美音に、うっとりと耳を傾ける2時間になりました。

まず5時からは、蓄音機アラカルト。
初めに勝原オーナーの5曲です。

1 ドンニャ・マリキータ  淡谷のり子
2 Hacélo Por La Vieja  ロシータ・キロガ
3 古い回転木馬  オルケスタ・ティピカ・ビクトル
4 港が見える丘  平野愛


勝原オーナーのもっとも愛するよりすぐりの盤を集めた選曲で、新ギャラリー開店に賭けるマスターの意気込みが感じられますね。

続いては良き相棒の井上マスターの5曲。

1 レッツ・フォール・イン・ラブ
2 言い出しかねて
3  Singin' the Blues ライオネル・ハンプトン
4  ブルースカイ マキシン・サリバン
5 スイート・ジョージア・ブラウン ナット・キング・コール・トリオ


ホーンもヴォーカルも本人を間近で聴くような生気あふれる音。
マキシン・サリバンという歌手は、初めて聞きましたが、自然体で語りかけてくるような風情が素敵です。

休憩をはさんで、時刻は6時。
いよいよメインプログラムの開始です。日本タンゴ・アカデミー名誉会長、島崎長次郎氏のご案内で『タンゴ・コンサート』



9曲目と10曲目の間に、ハンガリーのジプシーの旋律を盛り込んだ一曲も追加されました。
ネコパパは、アルゼンチン・タンゴに関しては門外漢ですが、この日は島崎氏の名調子による解説のせいもあって、どの曲も存分に楽しませていただきました。
お話にもあったように、移民者によって生み出された哀愁と情熱の調べと、独特の舞踏感覚が聴く者の心を揺さぶるのですが、その魅力の中には、メロディーだけでなく、アンサンブルを聴く面白さもあることに気づかされました。
3分間という短い演奏時間の中で、演奏者も歌手も存分に「名人芸の絡み」「掛け合い」を聞かせます。
それらは、気をつけて聞いていないと、あっという間に通り過ぎてしまうのですが、一瞬一瞬に命が掛かっている…とでもいえばいいでしょうか。意外にジャズ的、クラシック的な聞き耳で楽しめる音楽と思いました。

ネコパパは、このあとの打ち上げ食事会にも参加したのですが、コンサート出席者の半数以上が参加するという盛況ぶりでした。
「エヂソン」サロンコンサートが始まった1年前と比べると、参加者の本気度や入れ込みが違ってきた感じです。
もちろんそれは、勝原オーナーの人柄や人脈の広さ、そして熱意が最大の要因でしょうけれど、いつの間にか人を引き寄せてしまう「蓄音機」自体の存在感も大きいのではないでしょうか。
昨年の今頃は、「聴かせいてただければそれで十分」と思っていたネコパパも、いまではかなりその魅力に感染しているようです。

次回の開催は5月26日です。さあ、今度はどんな音楽が飛び出すか…
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コメント

コメント(8)
No title
財務省事務方トップが女性記者に問題発言した件。音声テープが公開されるや事務方トップが「自分の声というのは自分の体を通じて聞くので、録音された声はよくわからない」とコメント。

なるほど。事務処理に優れた人はこう答えるのか。そこで、自分の声を客観的に聞くことが出来たのはいつ頃からか、そこらへんの疑問を蓄音器から飛びだす人の声と絡めて、拙ブログに書いてみました。記憶違いや勘違いがありましたら御教示お願いします。

ひきこ杜

2018/04/30 URL 編集返信

No title
> ひきこ杜さん
記事拝読。「自分の声というのは自分の体を通じて聞くので、録音された声はよくわからない」というコメントは、いつ、誰が、どんな状況で発せられたかを別にすれば事実だろうと思います。でも状況を鑑みた上でなお「なるほどそのとおり」と納得する人はきっといないでしょう。
声も音も、誰もが自分だけに聞こえるものを聞いていて、その意味ではみんな孤独なのです。人と人との間には埋めることができない溝があります。
一方で、人の判断力や想像力とは、その溝を埋めるために存在しているとも思います。
財務次官の発言からは、そんな人の判断力や想像力への無視と軽蔑が読み取れます。その意味でも人権侵害と思います。彼にはおそらく、想像力を駆使して過去の音に耳を傾ける価値はわからないでしょう。

yositaka

2018/04/30 URL 編集返信

No title
yositakaさん

こんにちは\(^o^)/

二葉あき子の歌う ”夜のプラットホーム”

”さよなら さよなら”と繰り返されるこの唄、、
この部分が尋常ならぬ歌唱と常々思っておりました。

先日TV番組で 二葉あき子が広島に居た頃 電車ですれちがい手を振り合った人が数分後原爆で吹き飛ばされ、爆発の瞬間二葉あき子の乗った電車は数十メートルのトンネルの中にいて助かったのだと。
あの唄の ”さようなら さようなら”はその生死を分けたあの人たちに捧げる為に歌うのだと決めたそうです。

やっとあの凄味、悲壮を伴った ”さようなら さよなら”の意味が分かりました。

これはSP盤で是非聴きたいものです。

何時もナイス、ポチッ、コメありがとうございます。


ではでは

Yさん

2018/04/30 URL 編集返信

No title
> Yさん
こんばんは。歌謡曲の好きな人は歌詞にこだわるんですね。勝原オーナーもそうで、彼の最も好きな曲の一つ「港が見える丘」も、冒頭の歌詞
「あなたと二人で来た丘は 港が見える丘 色あせた桜唯一つ 淋しく咲いていた」がどうにも心に引っかかって離れないのだそうです。

”夜のプラットホーム”の逸話も凄まじいもの。歌は時として、重すぎるくらいの情念を背負って生まれてくるのかもしれません。”さよなら さよなら”のフレーズが蓄音機ではどう聞こえるか、私も気になりますね。

https://www.youtube.com/watch?v=vj5QVkBP4-4
これはちょっと音質が…

yositaka

2018/04/30 URL 編集返信

No title
「港が見える丘」、懐かしいです。
学生時代、横花の中華街でお昼を食べて、元町でウィンドウ・ショッピングをしてお茶を飲み、そのあと港の見える丘公園まで坂を上がってお散歩して横浜港を眺めるというのが、デートの定番コースでありました。
しかし、女性同級生はたった二人、その近くの女子大生にはまったく相手にされず…
妄想は果てしなく広がってたんですがねぇ。

gustav_xxx_2003

2018/05/01 URL 編集返信

No title
> gustavさん
私はもう少し世代が若かったためか、この「港が見える丘」の幼少時の記憶はありません。タイトルを見るとなんだか希望を感じさせるのですが、勝原オーナーによると、冒頭から既に恋は敗れている、という悲しい情景を歌っているそうです。
横浜の港の見える丘公園、いかにものデートコース。
公園の名称はまさに件の歌に由来し、開園時は同曲に合わせてテープカットが行われたとのこと。うーん、曲の内容をちゃんとわかっていたのでしょうか。

yositaka

2018/05/01 URL 編集返信

No title
「ロシータ・キロガ」他の蓄音機や私の装置でLPを聴くと独特な唱法が氣になりますが、EMGで聴くと優しく哀愁のある歌声になる(特にギター伴奏時)不思議ですね!「ロシータ・キロガ」は、ギターの名手だが弾き語りの録音が少ないそうなので次回の『タンゴ・コンサート』では、弾き語りのレコードを聴かしていただけたらと思います。

さて次回は、私が豊田の某サロンで初めて聴いてEMGに惚れたクラッシック楽しみです。

チャラン

2018/05/02 URL 編集返信

No title
> チャランさん
キロガの録音は今聞けるものは大変少なく、YOUTUBEにもあまり上がっていません。今回演奏された盤もありません。ギター伴奏のものなんか、本当に味がありますね。ジャズで言えばビリー・ホリディ、クラシックならマリア・カラス、シャンソンならエディト・ピアフのような存在なのでしょう。
そのキロガを20枚も架蔵しておられるのか、勝原オーナーは!

yositaka

2018/05/02 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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