ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏

ネコパパも注目していた作家でしたが、ノーベル文学賞を受賞されるとは…
本人も「いたずらかと思った」とコメントしています。
すばらしい「プロの作家」でも、ノーベル賞を受賞する「文学者」の印象はありませんでした。でもそれは、前回のボブ・ディランも同じですね。
審査する方々の「文学の捉え方」も、少しずつ変わっているのかもしれません。


ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏 英国の小説家
NHK  10月5日 20時03分

ことしのノーベル文学賞に、日系イギリス人で世界的なベストセラー作家のカズオ・イシグロ氏が選ばれました。
スウェーデンのストックホルムにある選考委員会は日本時間の5日午後8時すぎ、ことしのノーベル文学賞の受賞者にカズオ・イシグロ氏を選んだと発表しました。
イシグロ氏は62歳。1954年に長崎で生まれ、5歳のとき、日本人の両親とともにイギリスに渡り、その後、イギリス国籍を取得しました。



1989年に出版された「日の名残り」は、第2次世界大戦後のイギリスの田園地帯にある邸宅を舞台にした作品で、そこで働く執事の回想を通して失われつつある伝統を描き、イギリスで最も権威のある文学賞、ブッカー賞を受賞しています。
また、2005年に出版された「わたしを離さないで」は、臓器移植の提供者となるために育てられた若者たちが、運命を受け入れながらも生き続けたいと願うさまを繊細に描いたフィクションで、2010年に映画化され、翌年には日本でも公開されました。

ノーベル文学賞の選考委員会は「カズオ・イシグロ氏の力強い感情の小説は、私たちが世界とつながっているという幻想に隠されている闇を明らかにした」と評価しています。

■イシグロ氏 受賞の知らせ「いたずらかと思った」

ノーベル文学賞の受賞が決まったカズオ・イシグロ氏は、イギリスのBBCの取材に対して受賞の知らせを受けた時の感想について「いたずらかと思った」と述べました。イシグロ氏は「これまでノーベル文学賞を受賞した偉大な先人たちの中に自分の名前が加わることはとても光栄だ」とコメントしています。
数々の優れた長編小説数々の優れた長編小説
カズオ・イシグロ氏は数々の優れた長編小説を英語で発表してきました。

1982年のデビュー作「遠い山なみの光」は、戦後まもない長崎が舞台で、混乱のなか、たくましく生きる女性の姿を描きました。
1986年に発表した2作目の「浮世の画家」は、戦前の日本人画家が主人公で、終戦をきっかけに社会の価値観が大きく変わる中、とまどいながら生きる姿を繊細に表現しました。

1989年に出版された「日の名残り」は第2次世界大戦後のイギリスの田園地帯にある邸宅を舞台にした作品で、そこで働く執事の回想を通して失われつつある伝統を描き、イギリスで最も権威のある文学賞ブッカー賞を受賞しています。
2000年の「わたしたちが孤児だったころ」では、ロンドンで育った孤児が探偵となり、日中戦争で揺れる中国に渡って両親の行方を捜す姿が描かれています。

2005年に出版された「わたしを離さないで」は、臓器移植の提供者となるために育てられた若者たちが、運命を受け入れながらも生き続けたいと願うさまを繊細に描いたフィクションで、2010年に映画化され、翌年には日本でも公開されました。
最近では、おととし「忘れられた巨人」を発表し、老夫婦が何度も困難に直面しながらイギリスで旅を続ける姿を描きました。

■日本に初めて戻ったのは30代

カズオ・イシグロさんは昭和29年に長崎市で生まれ、日本人の両親とともに幼いころにイギリスに移住して帰化しました。6年前、イシグロさんの小説「わたしを離さないで」を原作にした映画の日本での公開に合わせて来日し、その際開かれた記者会見で、「街を歩いても食事をしても、幼いころにいた日本の記憶がよみがえってくるようでほかの国に行くのとは全く違った感じです」と語りました。

そのうえで、イシグロさんは、「人生は考えているよりも短いが、その中で最も重要なことは何かを読者にじっくり考えてもらいたいと思っている」と、創作に向けた思いを話していました。


長崎生まれの日系イギリス人ということで、マスコミも俄かな注目ぶりです。
今朝のNHKニュースをみたら、
翻訳権を有している早川書房に突然大量の発注が入って、社員があたふたしている様子や、街の書店に在庫がわずかしかなく、苦笑いしながら平積みコーナーを作っている書店員の様子が映し出されていました。
優れた作品を書いているのに、広く読まれているとはいい難い人でした。そういう作家に光が当たるのは痛快です。
ネコパパ庵にも何作か「積読本」があるので、この機会に読んでみようと思います。

それにつけても、この人は、竜が登場するファンタジーやSFなど、ジャンルの垣根を越えた作風をもつ人です。
今後は児童文学者の受賞も夢ではないかもしれません。

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コメント

コメント(6)
No title
おめでとうございます!

イシグロ氏の事は、大分前から知っていましたがが、作品は、読んだ事が有りません。

今、急いでいるので、この記事も、今晩か明日になると思うけど、後でゆっくり読ませて頂きたいと思います。

尚、ログイン出来ない不具合等が更にヒドくなっている事を、つい今、追記まで書いてアップしたので、そちらも、是非、見てください。

特に、ユーチューブの障害は、解決法を知らないと PC が使えなくなるような障害なので、そこにリンクを張ってある所も、ユーチューブを見に行く前に、読んでおいてください。

リンクを張った一つ前の警告記事に、ユーチューブの不具合について書いてあります。

yan_yan

2017/10/06 URL 編集返信

No title
> yan_yanさん
暇がありましたらゆっくりお読みください。
ヤフーブログの不具合は、特に感じていません。拙宅では最近通信環境を更新したのですが、まずまず快調です。
ただし、他の場所ではお書きのように、投稿時に画面が勝手にスライドして、加筆しにくい状況がありました。
私は、記事は投稿前にワードで書き上げてから、最終段階でアップするやり方ですので、ブログ側の問題はそれほど感じていないかもしれません。ともあれ、無料で使わせていただけるだけで感謝なきゃ、と思っています。

yositaka

2017/10/06 URL 編集返信

No title
昨晩、スマホでメール・チェックをしている最中、NHKのニュース・サイトからノーベル文学賞発表のライブ放送という表示が出ましたので、興味半分で見ていたら、女性の方が登場して、きれいな英語で「カズオ・イシグロ」と言っているのがわかりました。
私の第一声は「ほぉ!」というもので、ボブ・ディランほどの意外感はありませんでした。
それほど多くを熱心に読んでいるわけではありませんけれども、いかにもイギリスの作家という感じの落ち着きを覚える方です。
日本でも外国生まれの方が日本語で小説を書く時代ですから、お書きになったジャンルだけでなく、生まれ・国籍とかもどんどん超えていきそうな予感がします。
以前ご紹介いただいた「白熱教室」がいまだ見ることができておりませんが、受賞を機に再放送がありそうで、楽しみにしています。

gustav_xxx_2003

2017/10/06 URL 編集返信

No title
> gustavさん
この人はいい意味でプロの作家で、読者に面白くテーマを伝えるストーリーテーラーであり、尚且つ自分の言葉で自作を丁寧に説明することも厭わない人です。彼の受賞は、これまでのノーベル賞の「ハイエンド」または「ハイブロウ」なイメージとは違う、新しい風を感じます。いろいろなところで「越境」が始まっている。時代は変わりつつあるのでしょう。
「白熱教室」の再放送は期待したいですね。イシグロの作品にとどまらない、文学そのものについての認識を問い直す講義です。

yositaka

2017/10/06 URL 編集返信

No title
おはようございます。
本を全く読まない私にとって、カズオ・イシグロ氏の名前は、今回、はじめて知りました。
yositaka さんは、さすが・・・ちゃんと読まれておられるのですね~~~

HIROちゃん

2017/10/07 URL 編集返信

No title
> HIROちゃんさん
読んでいるといってもわずかで、積ん読もあります。
代表作「日の名残り」は未読です。それよりも先に「忘れられた巨人」を読んでみたいと思っています。まもなくハヤカワ文庫で再刊の予定。早川書房は発売前に増刷を決定したということです。

yositaka

2017/10/07 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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