アンダーソン&コーツ作品集
ロンドン・ポップス・オーケストラ、イーストマン=ロチェスター・ポップス・オーケストラ
指揮: フレデリック・フェネル
録音 1956 1963~1964
米マーキュリーCD Mercury Living Presence Boxed Set2より
コーツ
(1)ロンドン組曲
(2)四方組曲(抜粋)~北方~東方
アンダーソン
(3)ミュージカル『ゴールディロックス』~海賊の踊り
(4)キャロルの組曲(抜粋)
(5)クリスマス・フェスティヴァル
(6)サンドペーパー・バレエ
(7)忘れられた夢
(8)トランペット吹きの子守歌
(9)ペニー・ウィッスル・ソング
(10)ラッパ吹きの休日
(11)アイルランド組曲
■からりと晴れた空のような音楽
英国のライト・クラシックの草分け、エリック・コーツの2曲と、同じジャンルでアメリカを代表するルロイ・アンダーソンの、比較的珍しい小曲を集めたアルバム。
『ロンドン組曲』は同地の名所を描写した気の利いた曲集で、第1曲の「コヴェント・ガーデン」は賑やかな市場の様子が、第2曲の「ウェストミンスター」では独奏チェロによって気品ある旋律が奏でられる…といった具合。
一方ルロイ・アンダーソンは、紙やすりを楽器に仕立てた『サンドペーパー・バレエ』や『トランペット吹きの子守唄』、『トランペット吹きの休日』などの、60年代のラジオ放送でしょっちゅう流されていた懐かしい名曲や、「夏の名残のバラ」のなどの民謡を随所に引用した『アイルランド組曲』、クリスマスの名曲をメドレー風にアレンジした「クリスマス・フェスティヴァル」など、多彩な魅力に溢れている。
フェネルの指揮は過度な演出を避け、速いテンポでサクサク進めていくもの。
素っ気無さの一歩手前で踏みとどまるセンスがいい。
マーキュリー・レーベルは、ワンポイントマイクの絶妙なセッティングで名録音を生み出したと言われるが、直接音主体の、からりと晴れた空のような鮮度の高いサウンドが楽しめる。
8曲目の『クリスマス・フェスティバル』までが、1964年ロンドンのワトフォード・タウン・ホールでの録音で、あとは1956年ニューヨークでの録音。
オーケストラも場所も録音時期も違うのに、全く違和感なく音がつながるのも凄いことだ。
当時のレコード会社が「録音の良さをアピール」するためには、これだけの技術が必要だったのだ。
コメント
SL-Mania
2017/09/18 URL 編集返信私のブログ立ち上げたばかりの頃に投稿した、「アンダーソンの音楽」についての記事です。読んでいるかもしれませんが・・・
↓
https://blogs.yahoo.co.jp/hirochan29dec2951/67278218.html
HIROちゃん
2017/09/18 URL 編集返信おはようございます。「クリスマス・フェスティヴァル」、ちょっと季節はずれなんですが、いいアレンジですね。演奏されたとはすばらしい。
この種の曲はフィードラーも有名で、私も一枚架蔵していますが、このフェネルとか、もっと最近のグローヴズに比べると気楽で、ちょっと緩んだ幹事の演奏だと思います。そこへいくと、このフェネルはたいへん真摯に音楽に向き合っていて、気楽に聞き流せない吸引力をもっていると思います。
yositaka
2017/09/19 URL 編集返信おはようございます。ご紹介の記事によりますと、最近もレナート・スラットキンが大規模なシリーズを録音しているとのことです。アンダーソンの音楽はいまも現役ということですね。
堂記事にはピンカス・スタインバーグの指揮した一枚も取り上げられていました。懐かしいCDです。このひと、どうしたのかと思っていたら、最近久々にNHK交響楽団を振るために来日したんですね。容姿がすっかり変貌して風格を増していたのでびっくりしました。
yositaka
2017/09/19 URL 編集返信