レコード掃除機の威力

LPレコードは素敵な夢の円盤ですが、なかなか手間のかかるものでもあります。
その一つが汚れ。
盤面の汚れだけで済むのならいのですが、どうしてもそれが音の汚れになる。
ノイズが出たり、音がかすれたりする。
一見、綺麗に見えても、プレーヤーにかけてみるとがっかり…ということも少なくありません。

近年は、そうしたファンの悩みに応える製品が色々と出てきました。
特に欲しいのが、レコードクリーナーですね。私はもっぱら中性洗剤で洗ったり、水ぶきしたりする程度でもう何十年もやってきましたが、最近この分野でのスグレモノはバキューム式レコードクリーニング装置、言うなれば「レコードの掃除機」です。

仕組みから言えば、最も理想に近いクリーナーですが、趣味の品物だけにドイツなどからの輸入品で、価格もミドルクラス以上のアンプやスピーカーが買えるくらいに高価でした。
それを、ごく最近、レコ友のチャランさんが導入しました。
アナログレコードブームにあやかってか、初めての国産品です。件の輸入品よりは安価といえますが、それでも、なかなか買えるものではありません。さすがはチャランさん。

で、好奇心だけは旺盛なネコパパ、どんなものかと覗きに参上しました。
あわよくば自分の古物で「実験」してもらおうかと。

これです。

 アイテックス株式会社 クリーンメイトIQ1100A



レコードをターンテーブルに乗せ、洗浄液をまんべんなく塗布したあと、
溝の奥まで掃除できる高密度の刷毛をつかって丁寧に掃除。
そのあと、バキュームノズルで洗浄液を吸引します。



音は家庭用の掃除機と同じですよ。
たちまち液が吸引され、艶やかに磨き上がった盤面が現れます。
汚れ取り用、仕上げ用、2種類の洗浄液を使用して、同じ工程を二度繰り返し、30分くらい乾燥させたら完了です。

さあ、聴いてみましょう!

実験に使ったのは、独グラモフォンの初期盤、フェレンツ・フリッチャイ指揮のモーツァルト『魔笛』抜粋LPEM19302です。



これはかなり以前に、東京神保町で入手したもので、
音自体は明瞭なものの、汚れやスレが多いせいかパチパチ音が気になるものでした。
クリーニングの結果は、一皮むけたようにすっきりと音が抜け、パチパチ音もぐっと減少。
若きフィッシャー・ディースカウのパパゲーノも、およそ役柄に合わない少女のようなリタ・シュトライヒの夜の女王も、一段と魅力的になりました。
大成功です。これだけ効果があるとなると、危険な物欲も湧いてくるのですが、もちろん財布事情は厳しい。
まずは、今後の普及状況を見守ることにしましょうか。




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コメント

コメント(8)
No title
こんにちは。
こんなものがあるんですね~~~~
価格を少し調べてみたらなんと92,000円!
年金生活者には無理ですね・・・

アッ・・・それから前の投稿のムラヴィンスキーの「田園」ですが、私が持っているのは1982年盤のものでした。ほかにもあと1枚はあったような気がしたのですが、今日は見つかりませんでした。

HIROちゃん

2017/08/31 URL 編集返信

No title
LP時代は、聞く前に埃を拭き取るという「儀式」を経て、ようやく音楽に聞き入ることができました。
60年代の頃からすでにLPの自動クリーナーのようなものはありましたが、とうてい素人が手を出せるような価格ではなかったように思います。
特にドイツ盤は静電気がひどくて、埃はもちろん、実家の私の部屋で運動会を繰り広げる猫たちの毛まで吸い付けるので参ったことを覚えています。

80年代末、ひとから随分遅れてCDプレーヤーを導入したとき、儀式だけでなくLPをひっくり返す手間もないというのに喜んでいましたが、アナログ末期の優秀録音LPで感じた演奏者の息遣いまでは、CDでは再生できませんねぇ…

gustav_xxx_2003

2017/08/31 URL 編集返信

No title
> HIROちゃんさん
10万円を切った、ということでちょっとした話題になり、生産が追いつかないという話もあるるくらいですから、「その筋」の製品です。
それでも私の知人の音盤愛好家達の機器所有率は、結構高いですよ。
ムラヴィンスキーの「田園」、ぼちぼちと更新していきます。

yositaka

2017/08/31 URL 編集返信

No title
> gustavさん
アナログレコードが一概にCDより音がいいとは言えませんが、いろいろと儀式をやるうちに音楽を聴く空気が醸成されてくるのは確かですね。ただ、CD時代になって初めて聴けたものも多いと思います。細部の音のバランスの変化や音色の作り込みなどです。地味と思われていた演奏家たちが「テンポ」や「表情」ではなく、そういう部分で勝負していたことを知ったのは、デジタルの成果でした。
もっとも、アナログ時代だって、超ド級の装置を持っていた人には聞けていたのでしょうが…

yositaka

2017/08/31 URL 編集返信

No title
ネコパパさんの盤は、USB顕微鏡(60・230倍)で検査したら普通の汚れだったので一回のクリーニングで済みましたが、昔のクリーニング・スプレーを使用した盤は溝に埃が固着し、繰返し清掃しないといけません。ARGENTAの「Espana」が今日の4回目の清掃でようやく聴けるようになりました。
深い針傷は、詰まっていた埃が除去され「ひどくなる」時があります。
その時は、顕微鏡の画像を視ながら先端を斜めにカットした爪楊枝で溝を修整します。
根気がいりますが、力強い弦の擦れる音・息づかい・微小な響がクリヤに聴こえると演奏家の真摯な姿勢が伝わりたまりません。
SP用のバランス・ウォッーシャー液が残り少なくなり・・・大蔵省のノイズが大きくなりそう。

チャラン

2017/08/31 URL 編集返信

No title
> チャランさん
レコード掃除機の効果は抜群でした。
これで楽しみがまたひとつ増えましたね。それにしても、顕微鏡の画像を視ながら先端を斜めにカットした爪楊枝で溝を修整…こりゃ職人芸です。「Espana」のオリジナル盤の希少価値を考えると、気持ちは十分わかりますけれどね。「杜」で出る音が楽しみになりました。

R社のバランス・ウォッーシャー液。
これがまた、高価な品物なので、減りが早いのは心臓に悪いです。なんとか節約したいもの。これに代わる、安価で効き目のある洗浄液がそろそろ出てもいいと思うのですが。

yositaka

2017/08/31 URL 編集返信

No title
昔、柳橋のヤマハでこのバキューム式のレコードクリーナーのデモンストレーションがあり、手持ちのホルスト・ヤンコフスキーの「森を歩こう」をクリーニングして貰いました。高くて手がでませんでしたが、この方式、確かに効果はありますね。今はもっぱら「ゼロスタット」で静電気除去で我慢しています。

geezenstac

2017/09/03 URL 編集返信

No title
> geezenstacさん
その昔、柳橋のヤマハではいろいろ夢のあるイベントをやっていましたね。名古屋の音楽文化の中心地だった気がします。
効果は確かに認めます。価格もかなりこなれてきましたが、あとは需要です。アナログレコードブームがどうなるか。
ゼロスタット、これ知ってます。

yositaka

2017/09/03 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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