できる やれば ねばれ やるきで


さかさことばでうんどうかい
■西村敏夫
■2009/4
■こどものとも五月号 福音館書店

回文、というものをご存知だろうか。
上から読んでも、下から読んでも同じ言葉でできた「さかさことば」のことだ。
しんぶんし とか
たけやぶやけた
とか、子どものころはよく言って遊んだなあ。
この絵本は、一冊全部、全ての行が回文でできている。
…と言うのは簡単だが、これを生み出すのは、並大抵ではない。やってみるとわかる。作者西村さんは、この一冊に三年かけた。
注文した福音館の編集者も、受けた西村さんも、まさに子どもの心、遊び心の持ち主に違いない。
ここに引用するのが、もったいないような気がする(絵本そのもので読んでほしい)が、少しだけ、紹介する。


ぱんくいきょうそう

ぞうくん くうぞ
よく くうよ
ぞうくん ぱん くうぞ


とびばこ

にわとりと ことりと わに
ぴっぴっぴ
だん なんだん なんだ
よんだんよ
さんだんさ
かんたんか
たったった
だん だんと とんだんだ


ひるやすみ

ねこ ねこまんま こねこね
めしがないよ つよいながしめ
ねると ふとるね
すまねえ ねます
さるや きつねは はねつきやるさ


表情豊かな絵とともに、読んでいると、笑いがこみ上げてくる。
何度も何度も読んでしまう。
何度読んでも、やはり笑ってしまう。
不思議だ。言葉遊びをしているなかから、だからこそ湧き出てくる言葉の感興がある。
もしも、ただ運動会の絵本をつくろうとしたなら、まずつかわれなかつただろう言葉「ねこまんま」「かんたんか」「ながしめ」「すまねえ」…が奇跡のように現れる。そのおもしろさ、不思議さ。
ひとのなかに言葉があり、言葉の中に人が生きる。
そこにあるのは、言葉を使って生きる人の世の豊かさだ。
すごい、絵本だ。

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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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