娘と孫ふたりが滞在中のネコパパ庵…というわけで、近頃音楽をじっくり聴く暇もありません。
上の孫のテンコは「田園」や「運命」や「くるみ割り人形」(LP)が大好きなので、こういうのは一緒に楽しく聴けるんですが…
ときどきサッと棚からLPを出してきて
「ネコパパ、これ聴こうよ」と誘うのですが、
それが、リヒテルのラフマニノフ前奏曲集だったりして。
そんなある日、いきつけの中古レコード店から「バーゲンセール」のお知らせはがきが届きます。渡りに船っ。
「アヤママ、ちょっと出かけてきます」
と小声で言って、性懲りもなくこそこそと出かけていくネコパパでした。
おー、あるある。
ドイツ・アルヒーフ盤のバッハ、室内楽全集。
9枚組みで、ゲーベル、ハーゼルツェットらの演奏で、ヴァイオリン・ソナタ、ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ、フルート・ソナタ、トリオ・ソナタ、そして「音楽の捧げもの」
ピリオド奏法がやや苦手なネコパパですが、ゲーベル一党の先鋭的な演奏なら…状態はほぼ新品。
ハルモニア・ムンディ・フランス盤。
ヤノフスキ指揮フランス放送フィル、サン・サーンスの「オルガン交響曲」と交響詩『ヘラクレスの青年時代』
2曲目は、かなりレアでは?
新品同様と思ったら、かなりノイジーだったのが惜しい。こういう盤はときどきあります。
ニムバス原盤、ペルルミュテールのラヴェル・ピアノ音楽全集。ビクター国内盤3枚組。
盤の状態はあまりよくないけど、再生音はまあまあ聴ける。
感覚的で美麗なのが特徴のラヴェルの音楽が、どっしりと芯のある音楽として胸に落ちる。素晴らしい。
独CBS盤、オイストラフ独奏によるチャイコフスキー、ヴァイオリン協奏曲。
バックはオーマンディ指揮フイラデルフィア。1959年録音。
あまりにも有名な録音だが、オリジナル盤と同様に、両面にたっぷりとカッティングされている。そのためか、ソロはもちろん、オーケストラの細かな動きが大変聞き取りやすく、魅力的だ。第3楽章がカット版なのもネコパパには聴きやすい。
独テレフンケン盤。カイルベルト指揮バンベルク響によるスメタナ集。
ただし「売られた花嫁」からの三曲は、ジャケット表には記載がないが、フランツ・アンドレ指揮ベルギー国立管弦楽団。
何といっても、演奏時間14分をかけた「モルダウ」のずっしりとした歩みと巧みな強弱が見事だ。
チェコ・スプラフォン盤、イヴァン・モラヴェッツのピアノによるモーツァルトのピアノ協奏曲第14番、23番。
バックはヨゼフ・ヴラフ指揮チェコ室内管弦楽団。
リズミカルに躍動するオーケストラ、粒立ちの明快なピアノ、ともに聞き応え十分。
トリオ盤。宮沢明子のモーツァルト・アンコール。
盤の状態が悪く、かなりノイジーだが、タッチは明晰。菅野沖彦録音のよさは伝わってくる。
テンポの変化と大きな強弱を伴ったスケールの大きな演奏。彼女のピアノで聴くと「きらきら星変奏曲」が凄い大曲に聞こえる。
国内盤フイリップス(日本ビクター時代)ピエール・モントゥー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団。ベートーヴェンの「英雄」
一曲だけなのに豪華な布張りケースに入っていて、何かと思ったら「演奏の誕生」と題されたリハーサル盤が入っていた。それも、昔懐かしい17センチLP。
ライナーノーツにはリハーサルの全訳や購入者に向けての自筆メッセージ(写真)も入っていて、当時の販売スタッフの力の入れようが感じ取られる。
以上18枚(リハーサル盤を入れれば19枚)。
五千円冊一枚でおつりが来る値段でした。
コメント
聴かして頂いたレコード 演奏も良かったけれど録音もよかったです。カイルベルトの「モルダウ」川の流れの情景をゆっくりと的確に指揮しているし録音も各パートをクリヤーに拾っていました。
宮沢明子さんのピアノと菅野沖彦さんの録音のコンビは、トリオ、オーディオ・ラボのレコードを聴いていますが、ピアノが鳴っている響きを良く捕らえてていいですね。
今回技師が、曲を良く理解して録音・カッティングするといい演奏が聴けると改めて思いました。
チャラン
2017/06/01 URL 編集返信ハズレもありますが思わぬ掘り出し物もあるからなかなか行くのがやめられません。「モルダウ」と「きらきら星」はチャランさん宅でも聞かせていただきましたが、聴き応え十分な演奏・録音だと思いました。
よく見たらあと二枚買っていて20枚(21枚)でした。(その値段で)
1枚は日コロムビア盤のワルター序曲集、もう一枚は英DECCA盤、シューリヒトのメンデルスゾーン序曲集で、後者は見かけはきれいな盤で「やった!」と思ったのですが、聴いてみたら「?」…これだからLPは厄介なのです。
yositaka
2017/06/02 URL 編集返信