世紀の9大名指揮者によるベートーヴェン交響曲全集

先日、大須に出かけたついでに中古レコード店を覗き…「覗くだけ」と念じていったのに
安さにつられて、ついつい、こんなものを購入してしまった。


世紀の9大名指揮者によるベートーヴェン交響曲全集(6LP)
1975年発売 東芝EMI




EAC-47009-ハンス・クナッパー・ブッシュ、アルトゥーロ・トスカニーニ
ベートーヴェン、交響曲第7番 
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ベルリン国立劇場管弦楽団1929.12.219
ベートーヴェン、交響曲第1番 
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 B.B.C.交響楽団 1937

EAC-47010-カール・シューリヒト、セルゲイ・クーセヴィツキー
ベートーヴェン、交響曲第2番 
カール・シューリヒト指揮 パリ音楽院管弦楽団1958.9
ベートーヴェン、交響曲第5番「運命」
セルゲイ・クーセヴィツキー指揮 ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 1934.9

EAC-47011-オットー・クレンペラー
ベートーヴェン、交響曲第3番「英雄」
オットー・クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1955.10&12

EAC-47012-ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、フランツ・シャルク
ベートーヴェン、交響曲第4番 
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 ウィール・フィルハーモニー管弦楽団19501.25&30
ベートーヴェン、交響曲第8番 
フランツ・シャルク指揮 ウィール・フィルハーモニー管弦楽団1928.4

EAC-47013-ブルーノ・ワルター 
ベートーヴェン、交響曲第6番「田園」
ブルーノ・ワルター指揮 ウィール・フィルハーモニー管弦楽団1936.10.17&18

EAC-47014-フェリックス・ワインガルトナー 
ベートーヴェン、交響曲第9番「合唱」
フェリックス・ワインガルトナー 指揮 ウィール・フィルハーモニー管弦楽団1935.2


目玉は当時初LP化だった録音で、クナッパーツブッシュ、クーセヴィツキー、フルトヴェングラー、シャルクの4枚。
クレンペラーも広く聴かれている1959年盤ではなく、1955年のモノラル盤が選ばれている。これも国内盤としては初発売だったようだ。

そのクナッパーツブッシュの第7は、テンポの操作が多く、不器用にもたつきながら進む個性的な演奏だが、響きが乾燥気味でオーケストラのアンサンブルも乱れがち。
フルトヴェングラーの第4は、2年後のLPとほとんど変わらない、大柄な演奏。日付をみると、名盤として有名な第7と同日だ。なぜ7番は録り直さなかったのだろうか。
シャルクの第8は、「田園」とともにウィーン・フィル最初期の録音としても有名。演奏は意外にさっぱりと古典的で、ウィーン・フィルの音色美もかなりよくとらえている。
クーセヴィツキーの「運命」はこれからだ。ちょっと珍しい音源かも。

他の演奏も、シューリヒトとワルターを除くと、比較的馴染みが薄いもの。名高いワインガルトナーの第9も、実は本気で聞き通したことはなかった。この機にじっくり聞いてみることにしたい。

盤は新品同様だが、SPの復刻音は「昔のGR盤」という印象。
ノイズ発生を気にしてリミッターを掛け過ぎ、芯のない、ふやけた感じに仕上がっているものが多いのが残念だ。国内復刻盤も1980年ごろになるとかなり改善されてくるのだが…
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コメント

コメント(6)
No title
こんばんは。この中では第5番/クーセヴィツキー、第7番/クナッパーツブッシュ、第8番/シャルクの3曲は持っていません。クナッパーツブッシュの第7番は持っているのですが1948年のミュンヘン・フィルの演奏で音源が違います。やはりテンポが個性的です。ほかの音源は持っています。

SP録音でもハットするような素晴らしい録音もありますが、復刻盤ではノイズを完全に消してしまうとつまらない音になりますね。

HIROちゃん

2017/05/25 URL 編集返信

No title
ありましたね。この企画のBOX。でもパスしました。ワルターの「田園」やワインガルトナーの第9は他の盤で持っています。トスカニーニはBBCが相手がポイントですね。

SL-Mania

2017/05/25 URL 編集返信

No title
> HIROちゃんさん
近頃SPそのものを聴く機会が多いのですが、最近の復刻は蓄音機の再生音をかなり意識して行われているように思います。
それと比べると、1970年代は蓄音機再生は過去のものとされ、実際に聴く人も少なかったのではないかと想像されます。
復刻の現場でも電気再生ばかりだったので、ノイズ抑制に血道を上げていたのでしょう。当時のエンジニアたちは、21世紀になってもしつこく蓄音機再生が生き残っているなんて想像もしなかったでしょうね。

yositaka

2017/05/26 URL 編集返信

No title
> SL-Maniaさん
トスカニーニとBBCによる第1は、オーケストラの響きがやわらかいのに驚きました。
指揮者の基本的な解釈は同じですが、そのなかにもNBCにはないテンポの動きが聴かれる、興味深い録音です。NBCとの演奏がいつもパリパリ、ゴツゴツしているわけではないとしても、当時のアメリカとヨーロッパのオーケストラの音の違いは現在よりも歴然としていたのではないか、と感じます。

yositaka

2017/05/26 URL 編集返信

No title
シャルクが気になります。
本当は31年の再録音の方が良かったですが…
ブルックナーの弟子でカラヤンの師匠ですから、一度は覗いてみたい感じがします。

quontz

2017/05/26 URL 編集返信

No title
> quontzさん
シャルクは死の年1931年に第8と第5の第1楽章を録音しましたが、未発売に終わったとのこと。
これって、現在はどこからか出ているのでしょうか。ぜひ聴いてみたいものですが、SP時代の未発売盤の発見は難しそうですね。そういえば同じ頃に録音されたとされるワルターの「第5」も、一度は発売が予告されましたが、結局、出ないままです。

yositaka

2017/05/26 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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