もんじゅ、廃炉へ

高速増殖炉原型炉「もんじゅ」が廃炉になる見通しとなった。



「いったいどんなものなんだろう」
かねてから関心を持っていたネコパパは、1994年の初臨界直後に企画された見学ツアーに参加した。内部のコントロールルームや増殖炉の壁面、うなりをあげて回転するタービンの様子までを、この目で見ている。
建屋を見て回った印象は、万一の事故のためにおこなわれている厳重な遮蔽管理が、安心感よりも不安感を煽ったことだ。

型どおりの、良いことだらけの説明の後、ネコパパは、いくつか質問をした。
こんな内容だったと思う。

原子炉の廃炉の技術は確立されているのでしょうか。
原発の寿命は40年と聞いているが、まもなくその時期を迎えるものが多いのに、廃炉の話を聞きませんが…
もんじゅの配管の設計は実証実験のものと違っているそうですが、安全性は大丈夫なのですか。

その答え。

廃炉は東海村の原子炉解体で技術が確立しました。
40年ということになっていますが、実際は保守点検次第でまだまだ使えます。
配管の設計は全く問題ありません。

それから間もなく、配管損傷によるナトリウム漏れ事故が報道された。
やっぱりか。聞きかじりの知識で質問したのに、的中とは…

以降、情報隠しや点検漏れ、試験運転再開直後の大型部品落下事故などが続く中、設備維持のための一日数千万円の経費だけが湯水のように消えていく。
それで廃炉の見通しが立つまでに20年。

高い授業料と考えるしかない。廃炉、歓迎。



もんじゅ廃炉へ 1兆円投入・20年間停止…責任総括を

朝日新聞デジタル 20169220516





■視点
もんじゅ、廃炉へ 閣僚会議で「抜本的な見直し」合意

ほぼ20年間止まっている高速増殖原型炉もんじゅに、やっと「廃炉」の方向性が示された。遅すぎた決定だが、「何があっても変わらない」と言われてきた日本の原子力政策が初めて変わる。一つの前進だ。

問題はこの後だ。

もんじゅが廃炉の方向に動けば、核燃料サイクルをめざす路線も大きく変わることになる。
しかし、政府は高速炉開発会議を新設して「核燃料サイクルを推進する」と明らかにした。あたかも、従来路線を継承すれば、何も問題が発生しないかのような方針だ。
これはとても認められない。もんじゅの開発当初からは約1兆円が投じられたのに、約20年間も停止した。時間とお金を浪費し、原発開発の路線をゆがめた責任はだれに、どんなシステムにあるのか。まず、これらの総括が必要だろう。

そしてはっきりさせなければならないのは、核燃サイクルには、安全性など技術的な問題があるだけでなく、経済性がないということだ。
再処理で取り出したプルトニウムを使うサイクルは、ウラン燃料を使う普通の原発より高くつき、割に合わない。今や多くの国でプルトニウムは「有用な資源」というより、「やっかいなもの」になり、「捨てる研究」さえ行われている。
高速増殖炉ができても、サイクルは歓迎されない割高のシステムといえる。
政府に求められているのは、過去半世紀の原子力の歴史を振り返ることで「核燃サイクルの時代は来なかった」と認め、そのうえで政策をつくることだ。

福島第一原発事故を経た日本社会では、原発はほとんど動いていない。社会の意思は「原発をできるだけ少なく」だろう。民意に沿う方向に原子力政策を変える。今回の決定をそのきっかけにしたい。(竹内敬二)
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コメント

コメント(4)
No title
こんにちは♪♪

諦める は 明らかにする が語源だそうです。今回 何が明らかになったのだろうか?

兎に角 人が近ずく事さえ出来ない核燃料何ぞ使う事自体が誤りだと思います。

私の持論は

短期的に都合の良い物は長期的には都合が悪い

もう一つは

分散していれば安全だが集中すると危険になる。


何時もナイスありがとうございます。

ではでは

Yさん

2016/09/23 URL 編集返信

No title
ようこそYさん。
手作り職人、いや魔法使いのようなYさんの言ですから説得力が違います。現代は持続可能な社会づくりとか言いながら加速度的に「回転の速い」製品作りに突き進んでいる気がします。
先日もネコパパ庵のエアコンが故障し馴染みの電気屋さんに来てもらったのですが、「最近の機種は10年こっきりで壊れるようにできていて、部品保存も10年と決まっている。昔の機種は40年も動いているんだか…」ということで10年で交換を決めました。まさしく「短期的に都合の良い物は長期的には都合が悪い」そのものです。たちの悪い廃棄物を出し続ける原発などは分散集中どちらも危険ですから困りものです。

yositaka

2016/09/23 URL 編集返信

No title
かつては「夢の原子炉」と喧伝されていたんですがねぇ…

「形あるものはいずれ朽ち果てる」というのが長い間日本人の感覚でありましたが、どうやら原子炉というものは、その長年の感覚に反するようです。

gustav_xxx_2003

2016/09/23 URL 編集返信

No title
グスタフさん、放射性廃棄物は朽ち果てません。半永久的に残る負の遺産です。孫たちの顔を見るたびに、この子たちの未来にいい地球を残していかなければ、と切に思うのですが、推進派の皆さんはそんなことを考えたこともないのでしょうかねえ。

yositaka

2016/09/24 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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