雨の聴き会②クラシック編

さて、クラシック編である。

まずsige君が持参した盤。
ラヴェルの夕べ』。



これはアンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団、日本公演のライヴ録音。196457日に東京文化会館で収録されたもので、80年代初めにキングレコードが出したLPだ。世界初出である。
これの中から「スペイン狂詩曲」「亡き王女のためのパヴァーヌ」を聴く。
モノラルながら生々しい音で、クリュイタンスの吟味を尽くしたエスプリの音色が再現される。
「おー、ホルンがヴィヴラートかけてる。初めて聞いたよ」とsumi君。
同じ音源が現在もAltusからCDとして出ているが、このLPにはステレオプレゼンス付加が明記されている。現役盤の音とはちょっと違っているかもしれない…



クリュイタンスはフィルハーモニア管弦楽団とのベルリオーズ『幻想交響曲』も国内盤LPで少し聴く。1958年キングズウェイホールでの録音。



オーケストラがきりっと引き締まった透明なアンサンブルで、パリの楽団とは一味違う音色を楽しめる。
 
さて、emo君の好物はマーラー、ブラームス、ベートーヴェン。
彼のリクエストに応えてどんどん聴いた。
マーラーは「6」、ハインツ・レーグナー指揮ベルリン放送交響楽団。徳間の国内盤CD。
ブラームスは「1」、レナード・バーンスタイン指揮VPO。1981年録音の有名なDG全集の国内盤LP。
ベートーヴェンは「5」、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル。1947年の歴史的復帰演奏会3日目のライヴ録音。独DGのLP。先日購入したセット物の一枚だ。
 
テンポは遅いが音は軽やか、という不思議な味わいのレーグナーも久々に聞いてなかなかよかった。
フルトヴェングラーの数多い「第5」の中でも特に有名なこの盤は、さすがの巨匠でもめったになかった筈の「最初から最後まで燃焼する演奏」が記録されている。70年後の聴き手をも興奮させる音楽!

でも、ネコパパ自身はバーンスタインのブラームスが最も印象深いものだった。



交響曲第1番はちょっと苦手な曲ということもあり、これも実はそんなに真剣に聞いていなかった。
4人で聞く段になって初めて気付く、バーンスタインの全身、全霊。
特にフィナーレは、曲想に合わせてテンポも表情もめまぐるしく変化し、さすがのVPOも棒に遅れる瞬間があるほど。ライヴ録音を巧みに編集するDGだが、さすがにこの楽章は本番の一発録音のように聴こえる。
あらためて、凄い指揮者だったと思う。 



次はネコパパの選曲でドヴォルザーク『新世界から』。
先日東京で仕入れてきた1963年録音、オットー・クレンベラー指揮フィルハーモニア管弦楽団の英HMV盤。



といっても、値段はちっとも高くない。70年頃に発売されたセット物に含まれたもの。
幸いにも英盤らしい高音の伸びた鮮度を感じる音が聴ける。
木管をフルに生かし、ティンパニを抑え、少しも煽らない「新世界」がこんなに素晴らしく魅力的に響くのだから、音楽は不思議だ。


 
最後はモーツァルト好きのsumi君のリクエストでモーツァルトのピアノ協奏曲第22
なぜかこの曲を敬遠するピアニストが多い中、好んで演奏するのがダニエル・バレンボイムである。



1970年11月のシカゴで、妻ジャクリーヌ・デュ=プレと共演したドヴォルザークのチェロ協奏曲で、必死の指揮を務めているバレンボイムだが、その5か月前のミュンヘンでのコンサートでは、珍しくソリストに専念。内面性豊かなピアノ演奏を繰り広げている。付けるはラファエル・クーペリック指揮バイエルン放送交響楽団。
モーツァルトとしてはちょっと長いと感じる部分もある曲だけれど、
やっぱりこれは、いい。
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コメント

コメント(6)
No title
私も実はブラームス1番は苦手で,最近第二楽章冒頭のオーボエソロの素晴らしさに気づいて聴いているうちに好きになりました。バーンスタイン盤も第2楽章,絶品です。

jazzclub

2016/09/21 URL 編集返信

No title
JAZZCLUBさん、ブラームスの交響曲全集は数が多く、バーンスタインといえど今では埋没しているかもしれません。でもこれは同時期のシューマンと並ぶ彼の傑作では…と思いました。オーボエは、確かに飛びぬけた音色を聞かせていますね。
編集ライヴのため拍手がきれいにカットされているのが残念です。
リンクした映像作品はレコードと同時収録のはずですが、多分別編集で、音も違って聞こえます。
映像製作したウニテルとレコード録音をしたDGは、はたしてマイクを共有していたのか、コンソールは2セットあったのか…収録状況には謎が多く、詳細をぜひ知りたいと思っています。

yositaka

2016/09/21 URL 編集返信

No title
「1970年11月のシカゴで、妻ジャクリーヌ・デュ=プレと共演したドヴォルザークのチェロ協奏曲で、必死の指揮を務めているバレンボイム」とジャクリーヌ・デュ=プレも当日は鑑賞しました。強、そして弱の表現を天才的インスピレーションでやってのけるジャクリーヌ・デュ=プレにみなため息ついてましたね。お昼時見てたビデオのキャノンボールアダレイのワン・フレーズに、パガニーニの主題が出てきて、そのバイオリン独奏を探して聞く場面もありました。SUMI君、痛くフルベンに感動し、帰りの電車で話していました。

toy**ero

2016/09/21 URL 編集返信

No title
sige君、デュ=プレのソロはチャーリー・パーカーのように突き抜けた自在さがありました。若きバレンボイムも触発されたのでしょう。この頃からパリ管監督に就任するまでの数年が、彼の音楽の絶頂期にもなっていたと思います。
sumi君はフルトヴェングラーに感心していましたか。あのレコードは「指揮者の仕事」について大きな示唆を与えてくれますね。同時に聴き手として「音楽の読み方」を教えてくれるレコードでもあります。

yositaka

2016/09/21 URL 編集返信

No title
クリュイタンス/パリ音楽院の東京ライヴはぼくもお気に入りの1枚です。Altusで初めて聴きましたが、中古店巡りをしているとキングレコード(LPとCD)にもよく出会い、どんなものなんだろうと気になっていました。キングは擬似ステレオということでしょうか。Altusからはその後、一部の曲目の正真正銘ステレオテープが見つかったとのことで、あらためて発売され、二度買いさせられましたが、コレはかなり微妙で。。。

Loree

2016/09/21 URL 編集返信

No title
ロレーさん、このLPをうちの再生装置で聞いたところ、芯のある重い音だったので驚きました。これに比べるとAltus盤は素材そのままの音という感じがします。
私もステレオテイクの入ったCDを架蔵していますが、このステレオ収録はゲインの下げすぎか何かでか細い音になっていて、やはりモノラルを聴くべき盤になっています。NHK、悪戦苦闘の記録ですね。

yositaka

2016/09/22 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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