追悼 ルディ・ヴァン・ゲルダー~ジャズの音のイメージを作った男

ジャズ・レコードの歴史的な録音エンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダーが91歳で亡くなられたとのこと。
Jazzclubさんの記事で知りました。




 
ヴァン・ゲルダーといえば、ブルーノート(Blue Note)レーベルの創始者アルフレッド・ライオンに見い出され世に出たことから、ブルーノート盤のイメージが強いのですが、
プレスティッジ(Prestige)、サヴォイ(Savoy)、ヴァーヴ(Verve)、CTI(Creed Taylor Issue)といったレーベルにも数多くの録音を残しています。
 
大学生で初めてジャズのレコードを購入したころ
ジョン・コルトレーンの『ブルートレイン』(Blue Note
同じくコルトレーンの『バラード(impuls)
モンクの『セロニアス・モンク・トリオ』(Prestige
チャールズ・ミンガスの『ジャズ・ポートレート(ワンダーランド)(United Artists)
いずれのレコードにも、裏面にはRudy Van Gelder の名前があったことに驚かされました。
 
1950年代まで、ジャズのマイナーレーベルにはメジャーのような自社スタジオはなく、レコーディングは不安定で、問題を抱えていました。
当時、ニュージャージーのハッケンサックでの自宅で眼鏡の検眼技師を営みながら趣味の録音に取り組んでいたヴァン・ゲルダーは、ライオンとの出会いにより、プロの録音エンジニアとなる決断をします。
その個性的なサウンドは反響を巻き起こし、
マイナー各社は彼に次々に仕事を依頼。
彼は膨大な録音を、低料金で一手に引き受け、その精力的な活動は晩年まで止むことはありませんでした。

彼こそが、ジャズの音のイメージを作った、といっても過言ではないでしょう。
 
自宅リビングを改造したスタジオで、自作の機材を駆使した「ヴァン・ゲルダー・サウンド」は、プロデューサーの要望により多少の違いはあるのですが、
オンマイクによる骨太で、汗の飛び散るような鮮度、
音圧の高さ、
独特の黒っぽい空気感などは共通しています。
特に管楽器の迫力は圧倒的なものがありました。

ルディが生涯最も愛した録音は、ハンク・モブレイの『ソウル・ステーション』だったそうです。
でもこれはJazzclubさんが紹介していますので、ネコパパは彼の録音と出会った最初の一枚をききながら、名エンジニアのご冥福をお祈りしたいと思います。
 
ジョン・コルトレーン『バラード』。


 
ルディ・ヴァン・ゲルダーさん死去、91歳 ジャズの名盤多数録音
20160826 11:46 発信地:ニューヨーク/米国
 
826 AFP】ジャズの名盤のレコーディングを手掛け、正確かつ暖かなサウンドで多くのアーティストを魅了したルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)氏が25日、死去した。91歳だった。
ヴァン・ゲルダー氏は、時代を超えたジャズの名盤としばしば称されるジョン・コルトレーン(John Coltrane)の1964年の作品「至上の愛(A Love Supreme)」で録音を担当した他、マイルズ・デイビス(Miles Davis)やハービー・ハンコック(HerbieHancock)、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)、ホレス・シルバー(HoraceSilver)らの作品も手掛けた。
訃報は、同氏がレコーディング・エンジニアを数十年務めた「ブルーノートレコーズ(BlueNote Records)」と、米ニューヨーク(New York)州北部でレコード店を経営するおいのグレッグ・バン・ゲルダー(Gregg Van Gelder)氏により明らかにされた。
検眼技師だったヴァン・ゲルダー氏は、1940年代にレコーディング・エンジニアになることを決意。米ニュージャージー(New Jersey)州にあった両親の家のリビングルームをレコーディングスタジオとして利用した。
当時、ニューヨークから数多くのミュージシャンが低料金で利用できるサービス目当てにここを訪れたが、エンジニアとしてまだ駆け出しだったヴァン・ゲルダー氏は、検眼技師を続けて設備の購入費に充てた。
機微を捉え、臨場感に溢れる同氏のサウンドはブルーノートに注目され、1953年に初めて同社でのレコーディングを手掛けた。(c)AFP



 
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コメント

コメント(4)
No title
早々と記事アップ戴き有難うございます。
RVGといえども死なぬ事はないのですが、一抹の寂しさは禁じえません。

私は矢張りサキコロです。それとモーニンです。
この2枚が私のJAZZ愛好の原点です。

VOXのクラシックにも係わって居たらしいのですが、資料不足の為に殆ど把握して居りません。
yositakaさん、この辺り御存知ですか?

quontz

2016/08/28 URL 編集返信

No title
「低料金」とは知りませんでした。
これは、なかなか出ないことですよね。
高額にしないまでも「まぁこれくらいが普通料金か」というレベルにまで上げたくなるものです。
低料金を通したということは、志を感じさせますね。
ですが低料金にするとメリットもあるんです。
「低料金のかわりに、やりたくない仕事は受け付けません」と言えるからです。

不二家 憩希

2016/08/28 URL 編集返信

No title
Quontsさん、プレスティッジ、ブルーノートの二大レーベルは記憶に残る作品ばかりです。
米VOXの仕事については、実際にレコーディングをした録音は未確認ですが、マスタリング、ルドルフ・ヴァン・ゲルダーと記され、RVGの刻印のあるものは3枚架蔵しています。
しかしどれもウィーンでの録音です。
そうなるとVOXのアメリカ録音を確かめる必要がありますが、果たして発見できるかどうか。というのも、VOXは廉価盤レーベルで、主力商品は経費の安いヨーロッパ録音だったからです。

yositaka

2016/08/28 URL 編集返信

No title
不二家さん、AFPのいう「低料金」がどれくらいかはわかりませんが、ジャズ・マイナーレーベルの少ないプレス数でも採算がとれる額だったのでしょう。
同じマイナーでも、リヴァーサイドの録音は一切やっていませんし、インパルスもほぼコルトレーンの録音だけをやっているところを見ると、かなり仕事を選んでいたとも考えられますね。

yositaka

2016/08/28 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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