絵本は人が生まれて初めて出会う芸術


これは、「はらぺこあおむし」の作者、エリック・カールの言葉。
もしも自分がちいさくて、
力がなくて、
みっともなくて
ひとりだったら、
この絵本をみて生きることに希望を持ってほしい。
エリック・カールは『はらぺこあおむし』にそんなメッセージをこめたそうだ。

デザインは美しくなければならない。
そしていつも優しさを伝えるものでなければならない。
美術学校を出て、広告やポスターで腕を磨き、
絵本をはじめて世に出したのは、彼が先輩にして盟友、絵本作家のレオ・レオーニと出会ってから十数年後のことである。

この展覧会は彼の読者である子どもたちでいっぱい。
原画を見るだけでなく、楽しめる工夫がいっぱいされていて、とてもにぎやかだ。
エリック・カールのアトリエには
ティッシュと呼ばれるうすい紙に、アクリル絵の具を使ってでタッチやグラデーション豊かに着彩された「手製の色紙」が、引き出しに丹念に分類されてストックされている。
彼の作品は、原画に基づいてそれらを切り抜き、重ね、色を加えて作り上げられたものだ。
精緻でありながら、「遊び心」が豊かなのは、こうした工程が子どもたちの大好きな「貼り絵」を思わせるからだろう。

遊び心いっぱいの、子どもの友達になれるような絵である。
それでいて、彼の描く動物は生き物としての仕組みを熟知した、考えつくされたフォルムで出来上がっている。だからこそ、安定感があり、動きにリアルさがある。
妥協のかけらもない、プロの絵なのだ。

展示された原画は決して多いものではないが、一つ一つが見ごたえのあるもので、十分すぎるほど堪能することができた。
しかし、鑑賞後に山と積まれて即売されている絵本を見ると、印刷されたインクの色は、原画とはずいぶんおおきなギャップがあると感じる。
原書と日本版の違いも相当なものだ。やはり原書は原画に近い発色を実現させていると思う。

絵本は本になってこそ「完成」なのだ。大変な仕事とは思うが、出版社はがんばってほしい…

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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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