ディ・ムジカンテンによるモーツァルトの祝宴

モーツァルトのセレナード第9番『ポストホルン』は、ネコパパの大好きな曲なのですが、ライヴ演奏にお目にかかる機会はめったにありません。
7楽章、50分を超える大曲ながら、音楽全体を貫く構想がとりたててあるわけでもない機会音楽なので、そうなるのも当然かもしれません。
昨日529日、sige君とともに、これを生演奏で聴く、貴重なコンサートに行ってきました。
 
ディ・ムジカンテン室内管弦楽団 第57回定期演奏会

日 時 :2016529() 14:00開演
場 所 :電気文化会館 ザ・コンサートホール
プログラム:
モーツァルト 行進曲K335-1(320a1)
モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364
モーツァルト セレナーデ第9番「ポストホルン」K320
<アンコール曲>
モーツァルト 行進曲K335-2(320a2)

Vn 独奏 石橋 幸子
Vla独奏 石橋 直子
指揮      小島 岳志
 


行進曲K335は、一説にはセレナードの前後に入場曲、退場曲として演奏されたと言われ、これを加えることで、当時の貴族の祝宴が再現される趣です。
行進曲といっても、小品ではなく、協奏的な中間部も含む規模の大きな作品で、これまた聴き応えのある名曲なのです。
 
協奏交響曲K364は二人のソリストの熱演によって、一幕のオペラを思わせる愉悦感に溢れるものになりました。
強めの音でぐんぐん押してくるヴァイオリン、それをふっくらと受け止めつつ、時には跳ね除ける勢いも見せるヴィオラ。
二人のソリストの勢いでテンポが上がり、オーケストラが遅れそうになるスリリング場面もありました。
鳴り止まぬ拍手に答えて、無伴奏で演奏されたのは、パガニーニあたりの近代作品と思しき二重奏。バッハ風の主題が、技巧を極めた変奏によってめまぐるしく展開されます。
 
そしていよいよ「ポストホルン」
壮大な開始の第1楽章から、楽章を追うにつれて管楽器のソロやアンサンブルのウエイトが増してきて、第3楽章以下は「管楽器のための合奏協奏曲」の色合いが強くなります。
ディ・ムジカンテンの面々は、オーボエ、フルートを主軸にファゴット、ホルン…皆尻上りに調子を上げていき、最初は感じられた音程の不安感も後半にいたってすっかり解消。聞き込むほどに情報量豊かな演奏になりました。

小島 岳志氏のタクトは楽章ごとのテンポの対比を抑え、活気ある進行を一貫させるもので、短調の第5楽章アンダンテはもっとじっくり、繊細に歌ってほしい…とかフィナーレはテンポを上げて一気呵成に…などと「雑念」を感じたりはしましたが、
きっとこれは、主役たる管楽パートに、無理なく活躍してほしい意図だったのでしょう。
そして、聴きものの第6楽章メヌエットでは、第1トリオでの涼やかなリコーダーの音色がまず耳をひきつけ、第2トリオのポストホルン登場では、袖に待機していた奏者が出番直前に「主役登場」とばかりに舞台右側の前面に歩み出て、おどけたフレーズを朗々と吹き鳴らしたのでした。
 
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コメント

コメント(2)
No title
モーツァルトだらけ!
ちょっと私には厳しいプログラムです…

gustav_xxx_2003

2016/05/30 URL 編集返信

No title
グスタフさん、まとめて聞けたおかげで、頭には「ポストホルン」が鳴り響く状態となり、音盤も続けて何枚も聞いてしまいました。昨夜はレヴァイン指揮VPOの「ポストホルン」に、同じくレヴァインがアンサンブル・ウィーン・ベルリンと競演したピアノと木管のための五重奏曲をききましたが、音楽の美しさもさることながら1980年代半ばのレヴァインの充実ぶりにも目を見開かされました。それで今は愛聴するベーム、ボスコフスキー、セル、ヴェーグの「ポストホルン」を次々に聞いてみたい気分になっています。
そういえば不思議なことに、カラヤンはこの曲に手を出していなかったのでは。グラン・パルティータ」や「セレナード12番」もそうで、ひょっとすると木管楽器主体の曲が苦手だったのかもしれません。

yositaka

2016/05/31 URL 編集返信

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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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