シューリヒトのベートーヴェン交響曲全集がSACDに

定年退職も近いというのに、またも散在の予感が…

ドイツの指揮者、カール・シューリヒトがパリ音楽院管弦楽団と1950年代末に録音した、ベートーヴェンの交響曲全集。




これが、タワーレコードの肝煎りで、SACDで発売されるという(発売元はワーナー)。
ネコパパは、1970年代に東芝EMIの発売した国内盤廉価LP「セラフィム・コレクターズ・ソサエティ」を皮切りに、LP再発、国内盤CD、輸入盤CD…と追いかけてきた。
演奏面では、いまも聴くたびに新鮮な感銘を受ける。

鋭いリズムにほとばしる熱情が宿る『英雄』と、
陽光のもと、百花咲き乱れるような多彩さに満ちた『田園』は、
聴く前から気持ちが高揚してくる。
『第8』フィナーレの神業的な「リズム崩し」も、何度聞いても興奮する。
ネコパパにとってこの全集は、ワルターの「田園」等と並ぶ「生涯の宝物」の一つなのだ。
 
難点もある。
1958年前後の収録なのにモノラル録音で、デッドで腰高な音に聞こえることである。故障のあるネコ耳には、いささか優しくない音。
普段ダブり買いを忌み嫌っているのに、買い直してきたのも、そのためだ。
しかし、これは、という音のする盤にははなかなか出会えないでいる。

仏初期盤に手を出す度胸はもちろんないし…
ステレオ録音移行期という時期が悪かったらしく、この全集はイギリスとフランスでのみ販売された。英盤はバラ売りの廉価盤だったらしい。稀少の上に近年の人気も加わり、仏初期盤は大変高価なのだ。

『第九』だけはステレオ録音も同時に行われ、そちらのヴァージョンは自然で聴きやすい音に仕上がっている(別テイクという説もある)。
それだけに他の曲にステレオが無いのは惜しかった。

今回のSACDは本国フランスにあったマスターから新規マスタリングされたとのこと。50年近く前のものだけに、マスターの経年劣化もきっとあるだろう。それは心配だが、復刻の名職人、杉本一家氏の仕事には、やはり期待したい。
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コメント

コメント(11)
No title
私も同じで、LP再発、国内盤CD、輸入盤CD…と追いかけてきました。
「第九」のステレオ盤も勿論、持っています。しかし、ここまで集めると音が良いといってもSACDまでの購入は我慢します。演奏は文句なしに良い。

HIROちゃん

2016/03/09 URL 編集返信

No title
HIROちゃんさん、やっぱり追いかける人は追いかける全集ですよね。同時期の、クリュイタンスはベルリン録音とはいえ、製作したのはこのシューリヒト盤と同じパテなのですから、どうしてこちらだけモノラルになってしまったのかと不審に思いますが、そのあたりが「過渡期の混乱」だったのでしょう。そういえばワルター/コロムビア響のステレオ録音も1958年がスタートでした。

yositaka

2016/03/09 URL 編集返信

No title
同じ録音を複数持つことは、私も基本的にはやらないことにしています。
しかしながら、廉価盤BOXが頻発されると、やむを得ず何組か重なってしまうことがあり、聞き比べると随分聞こえ方が違っていることがあって、リマスターの怖さを感じることもあります。
SACDの有難味を感じられるよう、CDプレーヤーを買い直そうかなぁ…

gustav_xxx_2003

2016/03/09 URL 編集返信

No title
グスタフさん、音楽を聴く大切な時間が盤の音質チェックになってしまうのは、あまり感心できないことですが、ごく一部の愛聴盤だけはどうしても避けられません。好きになると人は愚かな行為に走るものなのです。
SACDの音は人によって、あるいは装置によって受け止めは違うと思います。私のように、どこかで比較試聴されたほうが良いと思います。

yositaka

2016/03/09 URL 編集返信

No title
ネコパパ氏の散財を応援いたします。購入されました暁にはすっ飛んで拝聴しに参ります。

toy**ero

2016/03/09 URL 編集返信

No title
Sige君、発売は3月末です。ぜひ一緒に聴きましょう。
うちのDENON DCD1500SEはローコストな家電オーディオですが、メディアの違いをなかなかよく描き分けていますよね?

yositaka

2016/03/10 URL 編集返信

No title
今日、フランス盤のNo,7を衝動買いしました。
フランス盤は、一音一音明瞭で軽快シューリヒトの指揮が・・・凄い!
ただ音が割れ気味な所があり気になる。SACD版では、どう補整してくるか楽しみですね。

chi*****

2016/03/11 URL 編集返信

No title
さすが仏盤こだわりのチャランさん、ぜひ聞かせてください。
SACDと聴き比べてみるのも面白そうですね。
あ、こういう遊びは愚行ですので、良い子は真似をしないようにしましょう。

yositaka

2016/03/12 URL 編集返信

No title
こんにちは。
私もこれ購入しようかどうか迷っています。
確か7番と8番の録音に欠落部分があって、
今までどこの国でも修正されずに販売されていたとか。
タワレコのものはそのあたりはどうなっているのか
気になります。
最近流行りの某板お越し?盤CDなるもので
修正されたものが売られているようです。
地道に仏初期盤を探していくか・・・
悩みます。

☆_阿呆の鳥飼_★

2017/11/18 URL 編集返信

No title
>阿呆の鳥飼さん
「7番と8番の録音に欠落部分があって、今までどこの国でも修正されずに販売されていた」という情報は、私は初耳です。
ただ、似た内容で、思い当たることが一つあります。
それは、音楽評論家の平林直哉氏が、2009年6月15日付のサイト記事で、この演奏のフランスEMIの初出盤LPを入手した際に、上記の2曲に欠落があったことを報告していたことです。
https://yomimono.seikyusha.co.jp/category/hirabayashinaoya/page/4

平林氏は、イギリス初期盤にも同様な欠落があったことにも触れています。

しかし同じ記事には「国内盤CD(TOCE-6214―8)を含め、比較的最近発売されたものはまったく正常」であることもあわせて記されていて、
私もこれまで聴いてきた盤で、特に気になった箇所はありませんでした。

知人の架蔵している仏初期盤の「第7」を聴かせていただいたこともありますが、そのときはあまり意識せずに聴いていたせいか、そんな欠落には気づきませんでした。

yositaka

2017/11/18 URL 編集返信

No title
> yositakaさん
おはようございます。
詳細な説明頂きありがとうございます。
私も何かの記事で読み、
欠落部分の事が気になり、
6番の仏初期盤のみ購入した後、
他の盤の購入を躊躇っていました。
大変素晴らしい演奏録音であるので、
最近販売されているものが問題なければ、
当記事紹介のCDの購入を検討したいと思います。

☆_阿呆の鳥飼_★

2017/11/19 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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