有名すぎる文学作品を、ドリルとヤスリで水木風に…

ドリヤス工場さんの待望(?)の新作が出ました。
発売前からネット予約していたのに、店頭に並んでもなかなか到着せず、やっと送られてきたのは第3刷でした。
人気作品ですね。同人誌ではない単著としては二作目なのに、これは凄いですよ。
今回はストーリー自体はオリジナルではなく、古今の名作を少ない頁数に凝縮し、例の水木しげる風の絵柄で表現したもの。これまでの著者の仕事(マンガ、アニメ、ゲームを水木風に描くバロディ)からすると、こちらが本道と言えるでしょう。
 
有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいのマンガで読む。



作者: ドリヤス工場
出版社/メーカー: リイド社
発売日: 2015/09/11

太宰治、芥川龍之介、夏目漱石、森鴎外、カフカ、トルストイ…… あの名作を今更「読んでない」とは言えないあなたも大丈夫。今からでも余裕で間に合う、史上もっとも肩の凝らない文学入門!(mazon商品紹介)

 
取り上げられている作品は次のものです。
 
第1回 太宰治『人間失格』
第2回 中島敦『山月記』
第3回 梶井基次郎『檸檬』
第4回 森鴎外『舞姫』



第5回 坂口安吾『桜の森の満開の下』
第6回 フランツ・カフカ『変身』
第7回 宮沢賢治『注文の多い料理店』
第8回 永井荷風『ぼく東綺譚』

第9回  泉鏡花『高野聖』

10回 夏目漱石『三四郎』
11回 アンデルセン『雪の女王』
12   芥川龍之介『羅生門』
13回 田山花袋『蒲団』
14回 幸田露伴『五重塔』
15回 新美南吉『ごん狐』



16回 樋口一葉『たけくらべ』
17回 魯迅『阿Q正伝』
18回 伊藤左千夫『野菊の墓』



19回 トルストイ『イワンのばか』
20回 エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』
21回 菊池寛『恩讐の彼方に』
22回 二葉亭四迷『浮雲』
23回 グリム童話『ラプンツェル』



24回 夢野久作『ドグラ・マグラ』前編
25回 夢野久作『ドグラ・マグラ』後編
単行本描き下ろし 堀辰雄『風立ちぬ』


ストーリー自体には何の変更もないのですが、絵柄そのものが読者と作品との間に絶妙の距離感をつくりだし、すべてが「おかしみ」の世界に昇華されていきます。
これはすぐたれ文学批評にもなっていますね。
「雪の女王」では、前作『あやかし古書庫少女の魅宝』に登場した三人が主役を務め、キャラクターも重なっているのが愉快でした。

なお、本作は現在もネットマガジンで連載継続中。続刊にも期待ですね。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメント(2)
No title
作者も、こういう本があることも知りませんでした。
ご紹介を読ませていただくと、昔読んだことを思い出しながら、作者なりのツッコミを楽しむ本なのでしょうか。
この本で、原作を読んだ気になられると、なんだか違うような気もします。
小学生の頃、ガリバー旅行記の原作を読み、子供向けにリライトされたものは読んではいけないと心に誓いました(笑)

gustav_xxx_2003

2015/11/16 URL 編集返信

No title
グスタフさん、そのリライト問題もなかなか根が深いものがありまして、私も教養主義の時代を生きてきたため、全訳主義が原則ではあります。が、柔軟な姿勢も必要かと考えています。
この作品は、内容面では絵柄から予想される作者のツッコミが見られず、絵そのものがパロディという行き方です。凝縮の際に「何を残すか」には工夫があるものの、ほぼ2/3を既に読んでいる私の目には、とても地味な本でした。その渋さに好感が持てたのです。
これを読んで原作に挑戦しようとする人もいるだろうし、思わぬ発見をする人もあるでしょう。

yositaka

2015/11/16 URL 編集返信

コメント投稿
非公開コメント

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

ご訪問ありがとうございます

月別アーカイブ

検索フォーム

QRコード

QR