• 『レコード芸術』アーカイヴズ⑪昭和37年(1962)10月号
    昭和37年(1962)10月号表紙のLPは、ブラームス ホルン三重奏曲 変ホ長調 / ベートーヴェン ホルン・ソナタ ヘ長調ヴィクター・バビン (P) / ヘンリク・シェリング (Vn) / ヨーゼフ・イーガー (F-Hrn)     米RCA VICTOR  LM 2420   Recording: New York City, RCA Victor Studio B, March 12-14, 1959.海外盤で、1962年の時点でモノラル盤(ステレオ音源あり)という渋いセレクト。2016年に初めてCD化されている。... 続きを読む
  • フィルハーモニカー・ウィーン・名古屋の『カルメン』『幻想』を聴く。
    このオーケストラの演奏会を聴くのも久しぶり。会場の東海市芸術劇場は、ネコパパ宅から車で30分、比較的近いところですが、どうしたわけか、道順がなかなか覚えられません。行きはナビで同じ道なのですが、結構複雑で、同じ道を戻ってくることができないんです。ナビで「自宅へ」にすると、意気とは全然違う道順でしかも、毎回違う。なんか変だ。今回は当日券で鑑賞でしたが、お客様はかなりの入りで、会場前から長蛇の列ができて... 続きを読む
  • 『レコード芸術』アーカイヴズ➉昭和37年(1962)6月号
    昭和37年(1962)6月号表紙のLPはファリャのバレエ音楽『三角帽子』全曲、歌劇「はかなき人生」より間奏曲と舞曲。エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団。録音は1961年2月である。ネコパパなんていまだにこの曲のレコードと言えばこれが真っ先に浮かぶが、アンセルメを代表する作品という評価は今も揺るがない。このジャケットは英Deccaのオリジナルデザインではなく、おそらく国内で作られたもの。オリジナルはこれ... 続きを読む
  • EMGで聴く「誰でも知ってるクラシック」第2弾。
    久しぶりにK氏のサロンからオファーが入り「誰でも知ってるクラシック」第2弾をやらせていただきました。約1時間のプログラムです。1 パダジェフスカ 乙女の祈り 加藤るり子(ピアノ) ポーランドの作曲家、テクラ・バダジェフスカ (1834–1861) の17歳の時の作品。1851年ワルシャワで出版され、続いて1858年9月にフランスの音楽雑誌「La Revue et Gazette Musicale」の付録としてパリで発表されました。魅力的でロマンチックな... 続きを読む
  • 児童読物の軌跡―第2章『王の家』に描かれた満洲―を読む
    相原美恵子さんの『児童読物の軌跡』を、続けて読む。第2章『王の家』に描かれた満洲―旧植民地を描いた児童読物の可能性と限界、は1940年に刊行された平方久直童話集『王(ワン)の家』を題材に、旧満洲を描く児童読物にあらわれた子ども像を掘り下げた論文。平方久直は1928年に中国大陸に渡り、旅順で教員をつとめながら創作活動を行い、満州事変の起こった1937年ごろに内地に戻っている。1942年刊の長編童話『北京へ行く』は、日... 続きを読む
  • 『レコード芸術』アーカイヴズ⑨昭和37年(1962)5月号-その2
    昭和37年(1962)5月号-その2まずは広告を1ページ。シュリロ貿易という独特の語感は聞き覚えがある。検索によるとシュリロ貿易は1917年創業の貿易会社で、カナダの企業であるシュリロトレーディングカンパニーの日本支店とのこと。世界の一級品を輸入、優れた日本製品を多くの外国に輸出。時計、カメラ、貴金属などを扱い、パーカー万年筆で大きなシェアを得る。オーディオ製品の輸入販売も積極的に手掛け、この広告ではガラード、E... 続きを読む
  • 『レコード芸術』アーカイヴズ⑧昭和37年(1962)5月号-その1
    昭和37年(1962)5月号本号は切り抜きページ数が多く、興味深い内容も多いので2回に分けてご紹介する。まずは表紙のLP。ドイツ・グラモフォンの所謂「赤ステ」デザインだ。この会社独特のイエロー・カートッシュがあしらわれた気品と風格は他のレーベルとは一線を課す。リタ・シュトライヒ((1920 年 12 月 18 日 - 1987 年 3 月 20 日)はドイツ人の父親とロシア人の母親の間に生まれ、戦後ドイツを代表するリリック・コロラトゥーラ... 続きを読む
  • 茂田井武の『セロひきのゴーシュ』
    2023年3月21日に、大阪府立中央図書館で、シュレーゲル雨蛙さんとともに児童文学セミナーに参加したことは、既に報告しています。https://nekopapaan.fc2.net/blog-entry-2429.htmlその中で話の出た『セロひきのゴーシュ』、福音館版を入手してじっくり読んでみました。本書の挿絵は1956年、福音館の月刊絵本『こどものとも第2号(5月号)』のために描かれたものです。48歳で没した童画家、茂田井武の最後の作品になりました。セミナ... 続きを読む
  • 『レコード芸術』アーカイヴズ⑦昭和37年(1962)3月号
    昭和37年(1962)3月号表紙のLPは、米RCA原盤、ゲリー・グラフマン(P)、パール・セノフスキー(Vn)による、ドビュッシーとフォーレのヴァイオリン・ソナタ。グラフマンはジョージ・セルとの共演で名前は知っていたが、セノフスキーとは耳慣れない名だ。ネット検索によると、1926年、フィラデルフィア生まれ。3歳からヴァイオリンを学び、12歳からジュリアード音楽院で、ガラミアンに師事。兵役を経てニューヨークにデビュー。... 続きを読む
  • シン・仮面ライダー、失速?
    庵野秀明監督/製作の「シン」シリーズ第4弾。前評判はよく、でも封切られると、意外にも今一つな意見が多く、NHKが放送したメイキングドキュメント番組の内容も足をすくう結果になっているらしい。庵野監督の采配が曖昧で、そのくせダメ出しがきついというのが悪評の原因だ。それで今頃になって見に行こう、と思い立ったのだが、いきなり足を掬われた。いつも行く近隣のシネコンをネット予約したのだが、開始時間13:15分を3:15と見... 続きを読む
  • 『レコード芸術』アーカイヴズ⑥昭和36年(1961)10月号
    昭和36年(1961)10月号表紙のLPはイ・ムジチ合奏団、アルビノーニ作品集。ジャゾット編「弦楽とオルガンのためのアダージョ」を筆頭に、オーボエ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲(2曲)、ソナタが収録されている。ヴァイオリン・ソロはコンサートマスターのフェリックス・アーヨではないかと思ったが、さにあらず。ロベルト・ミケルッチだ。彼がコンマスに就任するのは1967年だが、既にソリストとしての腕前を発揮していた。モノラル盤、... 続きを読む
  • 海外児童文学の現在-人種・民族・階級・階層・ジェンダーから考える―
    海外児童文学の現在-人種・民族・階級・階層・ジェンダーから考える―講師は白百合女子大学教授の水間千恵さん。はじめに象徴的なお話がありました。1954年創設の児童文学賞「ローラ・インガルス・ワイルダー賞」が2018年に「児童文学遺産賞」に名称変更されたことです。ワイルダーと言えば、日本でも知名度の高い『大草原の小さな家』シリーズの作者。今回の改称は、ワイルダーの人種に対する価値観が現代とそぐわないため、賞に... 続きを読む
  • 『レコード芸術』アーカイヴズ⑤昭和36年(1961)6月号
    昭和36年(1961)6月号本号の表紙はバーンスタインだ。でも、あれ?こんなアルバム、あったっけ…覚えはなかったけれど検索してみたら出できた。CDも発売されている。ソニー・レコーズのサイトから引用しよう。バーンスタイン&ニューヨーク・フィルによるポピュラー・オーケストラ名曲集。…バーンスタインがピアノを弾き、ニューヨーク・フィルを指揮しつつ、モーツァルト、ギルバート&サリヴァン、ガーシュウィン、ストラヴィンス... 続きを読む
  • 児童読物の軌跡-戦争と子どもをつないだ表現
    平成24(2012)年8月25日 龍谷叢書ⅠⅠⅩⅤ太平洋戦争中から戦後にかけて数多く出版された「児童読物」を考察する研究で、この時期のものは日本の児童文学研究ではなかなか取り上げられず、大変貴重だ。愛知県図書館でたまたま目に留まって借り出した。読み始めたら大変面白く、第1章を読み終えたところで「これは、借り読みではまずい」と思って、発注した。こういうところがネコパパはよくない。ネコパパ庵の書棚は、もうとっくに満杯... 続きを読む
  • 『レコード芸術』アーカイヴズ④昭和36年(1961)4月号
    昭和36年(1961)4月号2月号にメンデルスゾーンとチャイコフスキーが表紙になったばかりなのに、4月号にもアイザック・スターンが登場。この頃、彼への注目度は高かったのだろうか。脂が乗って骨太なオイストラフとは対照的に、筋骨隆々としてソリッドなヴァイオリンの名手。バーンスタインの指揮とともに、バルトーク作品には相性ぴったりと思われる。収録されているのは、2曲ある協奏曲のうちの第2番だ。1958年1月ニューヨーク、30... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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