• 子どもの本の現在(いま)―何をいかに選ぶか 
    国立国会図書館・国際子ども図書館の開催した、令和4年度児童文学基礎講座をZoomで受講しました。何回かに分けて、覚書と感想を述べたいと思います。子どもの本の現在(いま)―何をいかに選ぶか 講師は、YouTubeでもおなじみ、IICRO(大阪国際児童文学振興財団 )の土居安子さん。公共図書館、学校図書館で児童書を選ぶために考慮すること、実際にどんな観点で、どんな本を選ぶのかについて具体的な書名を出しながら、おなじみの早口... 続きを読む
  • ショパンのピアノ協奏曲第2番の稀少なSP盤。
    ちょっと事情があって、家にあるショパンのSP盤をチェックしたり、お値打ち盤がないかとネットを眺めたりしている。そんな中で見つけたのがこのセット。ショパンのピアノ協奏曲第2番のSP盤である。ショパンのピアノ協奏曲はLP時代の昔から両面に1曲ずつというのが多く、ここで弾いているアルトゥール・ルービンシュタインの、その組み合わせはベストセラーになっていたはずだ。しかしネコパパはあまり関心がなく、CD時代になっても... 続きを読む
  • カール・シューリヒト、紹介記事へのコメント。
    先ごろこんなCD-BOXを購入した。「カール・シューリヒト秘蔵ライヴ」と銘打たれた6枚組である。発売は知っていたが購入は躊躇していた。入手を決めたのは、楽天セールとかで47%OFFで売られていたからだ。溜まっていた楽天ポイントを加えると…ま、これならという価格に落ち着いた。それで、ぽちっと。KING INTERNATIONAL KKC-4222/7 Remastering(P) & © 2020 KING INTERNATIONALCD 1 ハイドン: 1. 交響曲 第86番 ニ長調 ... 続きを読む
  • タヌキの土井くん
    福音館書店 2022.3.18さんかく山のふもとにある山下小学校。児童は十人、いや、九人と一ぴきです。そのわけは…始業式の朝、3年生になったばかりのアカネちゃんは、学校いちばんのりになろうと、早起きして学校に走りました。ところが、教室にはもう、きちんと前を向いてすわっている誰かがいました。アカネちゃんのとなりの、土井くんの席です。でも、よくみると…それはタヌキだったのです!「オハヨウ、サン、サン、オハヨウサン... 続きを読む
  • 日本児童文学と宮沢賢治の、複雑で魅惑的な関係。
    久しぶりの対面による講演会でした。そのせいか、会場には児童文学のイベントとしては珍しく、200人の人が集まり、華やいだ雰囲気。発表も対談も、肩の凝らない語りで、しかも内容はたっぷりとある…という具合で、充実していました。口承文芸の研究者であり、わがブロ友でもある、シュレーゲル雨蛙さんともお会いできたし、良い一日でした。そこで今回は内容の報告と感想です。最初は宮川健郎さんの基調報告。①宮沢賢治の児童文学... 続きを読む
  • 蓄音機のあるジャズバーにて。
    3月21日夜、ネコパパはシュレーゲル雨蛙さんとともに、大阪・難波のジャズバー「トップランク」に出没していました。昼間、大阪中央図書館で開催された児童文学の発表会『日本児童文学が宮沢賢治から受け取ったもの』を一緒に拝聴して、久々に「では夕食を」という嬉しい話になったのです。お会いできたのは、3年ぶりくらいでしょうか。雨蛙さんもご自身のブログに『蛙も歩けば猫に当たる』という記事に書いてくださいました。ht... 続きを読む
  • かるいお姫さま
    少なくとも1862年には書かれていたイギリスのフアンタジー作家、ジョージ・マクドナルドの作品。モーリス・センダックが挿絵をえがいたこの版は1969年の出版とのことです。はじめて読みましたが、いやあ、面白い。「昔むかし…」ではじまり「…ということです」と、昔ばなしの枠組みを援用しているんですが、内容は、昔ばなしとは異質の「ぶっとんだ」現代感覚のストーリーなのです。語り始めは「いばら姫」よろしく、王女の洗礼式に... 続きを読む
  • 「春との共鳴」にあふれるサロンコンサート。
    蓄音機仲間のITさんのご紹介で拝聴することができました。市民会館の隣、名古屋フィルの練習場としても使われている『音楽プラザ』のロビーで開催されたサロンコンサートです。街の夜景を背景に室内楽を聴くというのは、なかなか素敵です。ちょっとしたセレブの気分?演奏者は、ふたりとも芸術大学在学中の1年生、とのこと。そこで期待したのはタイトルの通り「春との共鳴」の音楽でしたが、始まってみると、そんな「若葉」の音楽... 続きを読む
  • カザルスのドキュメントLP「人生の肖像」。
    Y-XYZさんのブログを訪問させていただくと、あまりに情報量が多く、興味深い楽曲分析や演奏分析に満ち満ちていて、途方に暮れてしまう。ネコパパ、クラシック愛好家なんて自称するのは、10年早いと痛感する。 そんな記事の中で、ルドルフ・ゼルキンが主催し、カザルスが支援した「マールボロ音楽祭」に関する記事が続いて掲載され、興味深く拝読した。そこに、1963年録音のカザルス指揮マールボロ音楽祭管弦楽団、メンデルスゾー... 続きを読む
  • そうだ、嬉しいんだ、生きる喜び~コパチンスカヤを聴く。
    3月14日、パトリシア・コパチンスカヤのリサイタルを聴いてきました。感想は…聴きながら思い浮かんだのは、なんと「アンパンマン・マーチ」の一節でした。そうだ、嬉しいんだ、生きる喜び。およそ現代音楽っぽい冷たさとは無縁な、ラプソディのように野性味たっぷりのシェーンベルクが、会場をただごとならぬ空気で染める。そして間を置かず、ベートーヴェンの7番のソナタが始まる。いつのまにか、最初は履いていたサンダルみたい... 続きを読む
  • 名曲カフェ・エグモント『第3回・蓄音機を楽しむ夕べ』を開催。
    1 文部省唱歌 春が来た  佐藤冶子 Ⓟ1934 『春が来た』は、1910(明治43)年に「尋常小学読本唱歌」で発表された日本の唱歌。「尋常小学唱歌」第三学年用にも掲載されました。作詞作曲は、「故郷(ふるさと)」、「春の小川」、「朧月夜(おぼろづきよ)」、「紅葉(もみじ)」などで知られる岡野貞一、高野辰之のコンビと言われています。1番では「~来た」、2番では「~咲く」、3番では「~鳴く」という短いフレーズを繰り返... 続きを読む
  • 音楽を楽しむ会・オペラの世界②ロッシーニ
    2023年 第3回 3月11日(土)午前10時~12時 (毎月第2土曜日開催) 今月のテーマ オペラの世界②ロッシーニ < イタリア・オペラ名曲集 > オペラはイタリア語で、もともとは「仕事」を意味する言葉でした。 16世紀末、フィレンツェで古代ギリシャの演劇を復興しようという運動が起こります。演劇には歌も取り入れられ、やがてギリシャ悲劇を歌うような台詞で上演するヤコポ・ペーリ(1561年 - 1633年)による『ダフネ』... 続きを読む
  • 森忠明の新作『摘便クイーンのこと』。
    児童文学者の森忠明は、ネコパパが長らく注目し、愛読し続けてきた作家の一人です。けれども長い間新作が途絶えていて、手元にある一番新しい著作『タチカワ誰故草』が2007年の作。もう15年も前です。ネコパパの書棚には、氏の著作がずらりと並んでいるのですが…その後、新しい著作は出ているのでしょうか。そんな寡作の人が、思いがけず新作を発表されました。『日本児童文学』小峰書店 2023年1・2月号掲載。『摘便クイーン』雑... 続きを読む
  • 愛知教育大学管弦楽団、ドヴォルザーク・プログラムを聴く。
    この演奏会は名曲カフェ『エグモント』のTwitterからお知らせをもらって知りました。本番までの様子が、カウントダウンで知らされてくるというのは、ネコパパにとって初めての体験。楽員の皆さんの情熱と意欲が伝わってきますし、演奏会への期待も高まります。そして迎えた当日。コロナ禍以降、演奏会が中止されたり午後に短めに開催することが増えましたが、この日は夜の開催で、演奏時間もフルでした。お客さんの入りも1階席はほ... 続きを読む
  • 英語圏児童文学会西日本支部 春の研究会に参加します。
    「ガリヴァー旅行記」…ジョナサン・スウィフトによる、痛烈な社会風刺を散りばめた「大人の作品」が、なぜ児童向け読み物に?そういえば、子どもの頃の疑問、大人ばっかり出てくる、変な話!小人国、巨人国なんて、子ども騙し?なんてのがありました。ネコパパは子どものころからひねくれ者だったのだろうか?そして本作は現在でも子どもの心を惹きつけるものをもっているのか?「異化」にはいろいろな意味がありますが、ご発表で... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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