• ヴィヴァルディ『四季』の世界初録音。
    ヴィヴァルディという作曲家が音楽史に姿を現したのは、比較的近年のことらしい。片山杜秀氏がいつかNHKFMの『クラシックの迷宮』で話されていたことだが、第一次大戦後、イタリアの国家主義台頭の時期に、イタリア文化を昂揚する目的で、これまで光が当たっていなかった文化業績が掘り起こさた。ヴィヴァルディもその一つであったという。今では誰もが知る名曲『四季』も、戦前は知られることなく、初録音はLPになってから…という... 続きを読む
  • 若きムラヴィンスキーの『くるみ割り人形』。
    エフゲニ・ムラヴィンスキーと言えば、1960年代から70年代、ロシア・ソビエトを代表する指揮者としてクラシック・ファンにはよく知られた存在だった。ネコパパがクラシックを聴き始めた中学生時代の1970年、大阪万国博の一環として来日が決まった時には、だから大きな話題になったものである。ところが、病気を理由に突如キャンセルとなり、期待していた人々を落胆させた。実は、キャンセルはこれが初めてではなく、レニングラード... 続きを読む
  • 「JBBY学びの会『あしたの本だな』をつくる」に、ZOOM参加しました。
    ★「子どもゆめ基金」助成活動 JBBY希望プロジェクト・学びの会 「生きづらさをかかえた子どもに 本との出会いを   ―ブックリスト『あしたの本だな』をつくる―」 日時 | 2023年2月22日(水)18:30-20:30 パネリスト さくまゆみこ(翻訳家/JBBY会長)  大塚敦子(作家・ジャーナリスト)  村中李衣(児童文学作家)  中島尚子(国立国会図書館)  清水由紀乃(学校図書館司書)  神保和子(家庭文庫/JBBY理事) ... 続きを読む
  • 追悼、松本零士氏。
    漫画家の松本零士氏が亡くなられたそうです。85歳。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230220/k10013985711000.html氏が原作を描いた『宇宙戦艦ヤマト』は、日本のアニメブームのよあけを告げる作品でしたし、その後に描かれた独特の世界観によるSF作品は、およそ50年前から、若きネコバハ世代の胸をときめかせたものでした。氏の作品で一番人気のあったのは、おそらく『銀河鉄道999』だったでしょう。それは十分、理解できます... 続きを読む
  • アニメ映画『BLUEGIANT』を鑑賞。
    久々に映画館で鑑賞しました。アニメ映画『BLUEGIANT』です。これ、LPレコードじゃないですよ。パンフレットです。ジャケットから引き出すと冊子の本体が出てきて、その表紙がLP盤のデザインになっている…という凝ったものです。1100円もしました。せっかく入場料が敬老割引きで1100円だというのに、同額の無駄遣いをしちゃったあ。本題、行きましょう。この映画の原作は『ビッグコミック』誌で2013年から連載されている同名の連載... 続きを読む
  • 『はだしのゲン』が、広島の平和教材から削除される。
    朝日新聞 2023.2.182013年から広島市の小中高で使用されている平和教育教材「ひろしま平和ノート」から、資料として紹介、または引用されていた中沢啓二の漫画『はだしのゲン』が削除されることが決まったという。記事によるとその理由は「被爆の実相に迫りにくい」ことで、理由としては(登場人物たちが浪曲を歌って生活費を稼ぐ場面で)「浪曲は今の児童たちになじまない」こと、(母親に栄養をつけるために金持ちの家に忍び込み)... 続きを読む
  • バルビローリの愉しい『夜の歌』。
     Barbirolli Society SJB1084マーラー:交響曲第7番『夜の歌』ニールセン:交響曲第5番 バルビローリ&ハレ管弦楽団+BBCノーザン交響楽団 1960年10月20日 マンチェスター、フリー・トレード・ホール モノラル(ライヴ)バルビローリのマーラーは好きだが、セッション録音が行われたのは1.5.6.9番とジャネット・ベイカーの歌唱で収録された歌曲集しかない。これらは、最近ワーナー・クラシックスから発売されたボック... 続きを読む
  • ムーミンパパの思い出
    講談社2019.6.25猫町読書会のムーミン全集を読むシリーズが最終回となり、寂しく思っていたら、2月に番外編で全集全体をテーマにした回が催されるとのこと。ネコパパ喜んで参加しました。まとめ役の方のお話では9回参加、今回が10回目ということです。えっ、そんなに参加していたとは意識していませんでした。定年後の隠居生活というのは、時間の感覚がないものなんですね。読書会に参加して何よりの収穫は、翻訳を徹底的に改定し... 続きを読む
  • ポーの一族、全員集合。
    小学館 2023.2.141970年代前半、ネコパパに少女漫画の愉しさを教えてくれたのは萩尾望都の作品だった。彼女の代表作『ポーの一族』は永遠の時を生きるバンパネラ(吸血鬼)の少年、エドガーとアランの二人が悠久の時を旅して多くの出来事に出会い、いわば「生きざる者」の目によって「生きうるもの」の存在理由を照射しようとする物語だ。普段は人間社会に隠れ棲み、正体が露見すれば、相手を殺すか塵と化すか、運よく生き延びたと... 続きを読む
  • 音楽を楽しむ会・オペラの世界①モーツァルト
    豊明市立図書館自主企画 2023年第2月11日(土)午前10時~12時 (毎月第2土曜日開催)今月のテーマ オペラの世界①モーツァルト < ドイツ・オペラ名曲集 >今月から月まで、3回にわたってオペラを特集します。と言っても、全曲は長いので、抜粋で聴くことになりますが、もし興味を持たれた方は、ネット環境がある方であればYOUTUBE等で全曲が聴けますし、NHKBSやWOWWOWでも盛んに放送していますので、まずは無料で聴けるも... 続きを読む
  • 懐かしのオペラ歌手-謎の復刻盤。
    名古屋大須で手に入れた2枚組LP。未使用に近い盤が100円。ジャケットの雰囲気からしていかにも大須らしい。そう思って面白半分に入手したのだが、非常に聴きごたえがあった。チープな外観からは想像できない、音質の良さ。1枚目A面のエンリコ・カルーソーは音量レベルは低めだが、SPで再生しているみたいな生々しい音がする。よく出回っているオーバーダビング盤ではなく、ちゃんとオリジナルの機械録音の音で入っている。B面のジ... 続きを読む
  • 小澤征爾、兄弟と語る
    岩波書店 3022.3.162022年12月、無観客「宇宙放送」で久々に指揮姿を見せた小澤征爾、87歳。近年は、一夜の演奏会を指揮することはなく、コンサートの一部を指揮する形での参加が大半だったが、それでも、この年齢まで現役。畏敬に値すると思う。本書は2017年、小澤征爾の過去の記憶を、兄の俊夫、弟の幹雄のふたりが聴き手として引き出していく方法で進められた「会話集」である。内容は、満州移民の家族の子として中国で生まれ... 続きを読む
  • 名古屋市民管弦楽団の「シェエラザード」。
    久しぶりの愛知芸術劇場。名古屋市民管弦楽団にはファンが多くて、コロナ前は開演前から長蛇の列で会場は満員、というのが普通だったけれど、今回は3階席から眺めたところ6割の入り、といった感じだ。名古屋人は秋っぽいのか、それとも用心深いのか。このオーケストラは個々の技量と楽器間の分離の良さではプロはだしではないかと感じる。そして指揮者との相性が良いと熱演になる。いつぞや、新田ユリがシベリウスの交響曲第1番を... 続きを読む
  • ゲーベル、二つのブランデンブルク協奏曲。
    バッハのブランデンブルク協奏曲は名曲。全6曲それぞれに特徴があり、独奏楽器も曲想もくるりと変わって、一気に続けて聴いても少しも単調にならず、飽きがこない。作曲されたのはケーテン時代、バッハが器楽曲の作曲に傾倒しているころで雇い主のケーテン公は大の器楽好き、合奏好きだった。その時期1721年3月、おそらくは御前演奏のためにブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒに献呈されたのがこの... 続きを読む
  • 2022年の読書③
    昨年2022年2月、久しぶりに東京に出かけて、明治大学裏手に興味深い建物を見つけた。「明治大学米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館」という長い名前の図書館で、開催されていたのは、ネコパパ「熱愛」の漫画家樹村みのりの原画展である。図書館の蔵書・資料は、その名を冠した米沢嘉博 (1953~2006)の所蔵品を土台にしている。米沢氏は1980年より「戦後マンガ史三部作」を刊行した評論家で、日本マンガ学会の設立にも参画、1975... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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