• 広松健児さんの『絵本術』を拝聴。
    JBBYのZOOM講座を拝聴しました。偕成社で長年絵本の編集者をされている広松健児氏の講演。後半は絵本作家の堀川理万子氏も加わって、絵本『海のアトリエ』誕生の経緯が語られました。どんな本もそうなのかもしれませんが、お話を聞く限り、絵本作りにおける編集者の役割の大きさは、読者の想像以上のものがあります。お話を聞いていて、そこまでの共同作業となると、作者の作家性というものをどうとらえたらよいのか、よくわからな... 続きを読む
  • 蓄音機・朗読・バルバリア風琴。
    名古屋市千種区にある老舗書店、ちくさ正文館でKオーナー主宰のイベントが開催されました。ネコパパも少しばかりコメンテーターのお仕事をしました。珍しく、ジャズ・スタンダード・ヴォーカルのお話です。老舗書店ですが、2階に完成したばかりのイベントホールはリフォームされたばかりの「まっさら」な空間。Kオーナーの誇る大型蓄音器EMGMARK-Ⅸの音響効果も抜群だったそうです。以下、当日のプログラムです。盛りだくさんの内容... 続きを読む
  • しんでくれた
    題名だけでもう、大変なインパクトのある絵本です。谷川俊太郎の独立した詩に絵をつけて出来上がった一冊。けれど塚本やすしの絵は、決して挿絵ではなくて、絵本にとって不可欠な鋭い画面の対比と色彩の変化で、見る人の気持ちをゆさぶります。ハンバーグのおいしそうな絵の描かれた表紙をめくって扉をみると、真っ赤なページに白抜きで「しんでくれた」のタイトル。第1画面が、大きな「うし」。第2画面。左ページに血しぶき。右ペ... 続きを読む
  • ネット読書会『ムーミン谷の11月』
    ■そのとき、ムーミン一家は海に出ていた11月の終わり、ムーミン屋敷に、「人騒がせな連中」が集まってきます。スナフキン、ミムラねえさん、ヘムレンさん、ホムサ・トフト、スクラッタおじさんに、フィリフヨンカ。それぞれにムーミン一家に会いたい理由は違いますが、中にはちょっと切実な悩みを抱えている人も…でも、ムーミン一家は留守。庭にムーミンパパのガラス玉が残されている。そして、家の中には灯台島の模型が…つまりこ... 続きを読む
  • 室内オーケストラ「ヴィーナ・クラシカ」、躍動のハイドンとベートーヴェン。
    久しぶりの雨の日、アマチュアオーケストラの演奏会に出かけました。おなじみのKさんご夫妻が参加する「 ヴィーナ・クラシカ」。団の名称はウィーン古典派の意味で、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンを中心に演奏する室内オーケストラです。指揮者井上京(たかし)の指揮ぶりは、トスカニーニ・タイプで、縦割りでずんずん進めていくもの。リズムの切れが良く、フレージングもアクセントが明快で、情に流されるところのない、... 続きを読む
  • 『すずめの戸締り』~常世と現世をめぐるロード・ムービー。
    新海誠監督の新作を見ました。平日午後の映画館としては、入りはいいんじゃないでしょうか。十代の若者が映画を見に来るっていいものです。アヤママが付き合ってくれなかったので、そのなかにぽつねんと60代後半のネコパパが座っているのもなかなかシュールな光景かもしれん。ポスターの絵から一目瞭然。これは「通路のファンタジー」です。でもこれは決して「愉しい魔法の国」への扉などではなく、開けてはならない「災厄に向かう... 続きを読む
  • ネコパパ、阿佐ヶ谷の名曲喫茶『ヴィオロン』を訪れる。
    2022年11月16日から三拍で埼玉の娘テンチョウ一家宅へ滞在。コロナ禍の影響もあって、お盆にも帰省できず、ネコパパの孫ロス症状が募ってきていたところでした。一方、趣味の世界ではありますが、蓄音器イベントでのコメンテーター活動もちょっとひと段落した、その隙に、ということもあります。アヤママと二人で愛車スージー世号を運転していきました。その方が新幹線よりも経済的だし、人込みも避けられます。途中、静岡県山間の... 続きを読む
  • 蓄音機の至宝<クレデンザ>を聴くコンサート。
    2022年11月13日、名古屋市東区のギャラリー「えんね」で開催された蓄音機コンサート。これはmackieさん愛蔵の大型蓄音機・ビクトローラ・クレデンザを会場に運び込んで聴いていただくという、全国的にも珍しい、スケールの大きな企画でした。およそ90年前に製造された稀少な蓄音機で、重量は80kgを超える巨体です。それもあって、会の企画から実現までは困難とハプニングの連続でした。加えて当日は雨天!その困難を乗り切って... 続きを読む
  • 音楽を楽しむ会・文学と音楽⑦谷川俊太郎
    豊明市立図書館自主企画2022年第11月12日(土)午前10時~12時 (毎月第2土曜日開催)今月のテーマ 文学と音楽・谷川俊太郎 詩「朝のリレー」音読。 谷川 俊太郎(たにかわ しゅんたろう、1931年(昭和6年)12月15日 - )は、日本を代表する現代詩人で、ご存知の方も多いことでしょう。詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家としても活躍中で、90歳を超えた現在も精力的な執筆活動を行っています。最近では子どもの自殺をテーマにした一... 続きを読む
  • ベートーヴェンの謎~「会話帳」をめぐる東西ドイツの攻防戦。
    時々思い出したようにオンエアされるNHK-BSの番組『音楽サスペンス紀行』今回はベートーヴェンをめぐるミステリーが取り上げられた。2020年、ベートーヴェン生誕250年を記念したつくりだが、放送が2年も遅れてしまったのはコロナ禍による制作遅延のためかも。恒例の玉木宏の現地ロケも行われず、記者による取材映像が中心だ。1951年、当時の東ドイツにあったベルリン国立図書館から、ベートーヴェン研究の最重要資料である会話帳が... 続きを読む
  • 録音芸術ここにあり。
    愛知県図書館で借りてきた本について。某チャンネルで紹介されていたのが気になっていたが、既に絶版で古書もなかなかのプレミア価格だったので、どうしようと思っていた。そしたら図書館で目に入って…一読したところ、クラシック音楽の「レコーディング」についての貴重な情報や証言の満載された、ちょっと類書の見当たらない本だった。著者、井阪紘は日本のクラシック録音界きっての大物プロデューサーで、カメラータ・トウキョ... 続きを読む
  • おとなしいめんどり
    今回はネコパパの大好きなポール・ガルトンの絵本です。例によってイギリスなど、各地に伝わる昔話を題材にして、ガルトンらしいスパイスを利かせています。谷川さんのリズミカルで流れのいい訳文がまた、すばらしい。大人も子どもも愉しみながら、読み合うことができる一冊です。お話はごくごくシンプルな、「働かざる者食うべからず」。ねこといぬとねずみと、おとなしいあかいめんどりが、いごこちのいい ちいさないえに すん... 続きを読む
  • ネコパパ「クマのプーさん」展にいく。
    名古屋市美術館で開催されている「クマのプーさん展」に行ってきました。メイン展示はもちろん、アーネスト・H・シェパードの描く挿絵原画です。でも「シェパード展」ではなく「クマのプーさん展」というコンセプトで構成しようとする主宰者の意向がよくわかり、そこがなかなかユ二ークでした。「ウィニー・ザ・プー」でもなく「くまのプーさん」でもなく「クマのプーさん」なんです。これはきっと、監修の安達まみさんの意向なん... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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