• ネット読書会『ムーミン谷の仲間たち』より「しずかなのが好きなヘムレンさん」
    ■年金生活を夢見たものの…ムーミン谷の住人たちは自然災害にいつも脅かされます。この短編でも、長雨が八週間も続き、砂地の上に作られた遊園地が崩れ落ちていく、悲しい場面が描かれます。「7月が雨で流され、いろんな色も音楽も流れていってしまうのを、(子どもたちは)ながめるばかりでした」そういえば、先日見たアニメ映画『雨を告げる漂流団地』でも、海原を漂流しながら崩壊していく遊園地やデパートのおもちゃ売り場が精緻... 続きを読む
  • フランソワのラヴェル、二つのピアノ協奏曲。
    ラヴェルの作曲最後期のピアノ協奏曲2曲は、対照的な作品。両手用のト長調は、軽いリズムでチャランとはじまる遊び心いっぱいの曲で、フィナーレは「ゴジラ」のテーマとの類似が指摘されるドシラ、ドシラのリズムが多用されるリズミカルでノリのいい曲。そして間に挟まれたアダージョ楽章は、ラヴェル得意のガラス細工のような精緻さと感傷が入り混じる、本作の白眉だ。一方、左手用のニ長調はどろどろと暗い低音のうごめきから始... 続きを読む
  • ゲルハルト・リヒター展。
    豊田市美術館で開催されている展覧会「ゲルハルト・リヒター」に行ってきました。指揮者?ピアニスト?作曲家?いや画家です。ドイツを代表する大家でまだご存命。知りませんでした。1932年、ドレスデン生まれ。作風は多彩で、フォト・ペインティングカラーチャートグレイ・ペインティング静物画風景画アブストラクト・ペインティングオイル・オン・フォトストリップなど、多くの技法を駆使して、作品は膨大です。でもこの、モータ... 続きを読む
  • ネコパパのモーツァルト事始め、フルートとハープのための協奏曲。
    この話、前にも書いたかな。書いた気もするけれど「老いの繰り言」って楽しいものだ。今の視点でもう一度書いてみるのも悪くない。ネコパパは一応、モーツァルト好きってことになっている。今の様子だと、この嗜好、生きてる間は変わりそうにない。では、それはどこから始まったか。はじめてモーツァルトに「ぐっ」と来たのは、中学校の音楽の授業だった。ピアノ・ソナタ第11番、K331の全曲を聴く鑑賞の授業。最初の2楽章はつまら... 続きを読む
  • まるごと馬場のぼる展。
    「絵本の殿堂」刈谷市美術館で開催されている、馬場のぼる展にアヤママと行ってきました。ⒸNoboru Baba馬場さんは、ご存知『11ぴきのねこ』シリーズでおなじみの絵本作家です。このシリーズは、ネコパパの娘も息子も、孫4人も、みんな大好きで、何度も何度も、繰り返し読みました。今も読んでいます。さんざん読んであげて、しばらくすると、こんどは、文字が読めないうちから、一人で読み出すのです。大人にとっても、子どもにと... 続きを読む
  • ミケランジェリの『謝肉祭』and more.
    ミケランジェリは録音をなかなか出さない人で有名だった。演奏会もキャンセルが多く、ずいぶんとファンや関係者をやきもきさせたという。レコード集めを始めてからのネコパパの記憶では、グラモフォンからドビュッシーとベートーヴェンのアルバムが同時に出たときに、随分と注目され、そのうちドビュッシーの「映像」「子どもの領分」が収録された盤のライナーノーツを吉田秀和が書いていたことを覚えている。1971年のことだ。FM放... 続きを読む
  • レコードとともに時空を旅するマンガ。
    KADOKAWA 2022.5.20レコードをめぐる短編連作で、登場人物もそれぞれに異なっている。面白いのは「スタッグス」というロックバンドのレコードという共通のモチーフを使いながら、一つ一つの物語の時代や場所や社会状況が大きく異なっていることだ。第1話の「追想レコード」の設定は現在。祖父を亡くした女性が遺品レコードの処分を中古レコード店に依頼する。訪れた若い女性店員との会話の中から、祖父の語られなかった過去の体験... 続きを読む
  • ピアノ調律師
    これは絵本というのかな。絵のいっぱい入った、お洒落な短編小説という趣です。先日、これを編集翻訳された末盛千枝子さんのお話をZoomで拝聴して、興味を持ったのです。ストーリーはシンプルです。両親が死去して、ピアノ調律師ワインストックに引き取られた孫のデビーは、おじいちゃんの調律を見るのが大好き。自分もいつか調律師になりたいと思っています。一方、ワインストックは孫を調律師ではなく、プロのピアニストにさせた... 続きを読む
  • 名曲カフェ・エグモント『蓄音機を楽しむ夕べ』を開催。
    名古屋市千種区の名曲カフェ・エグモントで『蓄音機を楽しむ夕べ』を開催しました。テーマは「誰でも知ってるクラシック」。エグモントの「音楽室」は音響効果抜群で、Victrola VV-1-90、Columbia212、2台の蓄音機の音色も、馥郁たるものでした。たくさんのお客様のご来場と拍手、そしてご支援、ありがとうございました。■解説原稿 1 ビゼー 組曲「アルルの女」前奏曲より レオポルド・ストコフスキー指揮 フィラデルフィア... 続きを読む
  • 映画・雨を告げる漂流団地
    https://www.hyoryu-danchi.com/夏休みのある日、幼馴染の小学6年生航祐と夏芽は、かつて一緒に住んでいて、現在は取り壊し中の「おばけ団地」に忍び込む。築60年、たくさんの住民の思い出を秘めた団地に、長く住んでいた航祐の祖父「安じい」は、夏芽にとっても忘れられない人だった。両親が不和となって、一時的に航祐宅に引き取られた夏芽にとっては、安じいの家族こそ、本当の家族だったからだ。しかし、安じいは亡くなり、団... 続きを読む
  • とりどりのモーツァルト交響曲を、CDで聴く②
    モーツァルトの交響曲をときどき、まとめて聴きたくなる。ネコパパの基準は、ワルター、ベーム、シューリヒトの三人の指揮者だが、彼らの音盤はもうずいぶん繰り返し聴いたので、最近はよほどでないと聴き返さなくなった。ほかにもいい演奏はたくさんある。人生の残り時間、いいものは少しでも多く聴いておきたいからだ。そこで、今回はこの4枚。1992年1月、ザルツブルク音楽祭に招かれたシャーンドル・ヴェーグは、ウィーン・フィ... 続きを読む
  • 1972年、栄光の1000円盤時代。
    ブロ友のgeezenstacさんが1972年9月号の雑誌『レコード芸術』を連続紹介しておられる。https://ameblo.jp/geezenstac/日フィル分裂の詳報があったり、フルトヴェングラーの『指輪』全曲盤がはじめて発売されたり、現在もオーディオファンの垂涎の一枚であるスーピン・メータ指揮ロスアンジェルス・フィルの英デッカ(日ロンドン)盤、組曲『惑星』か発売されたり…と、話題満載の号である。思えば、高校生だったネコパパも、クラシッ... 続きを読む
  • 音楽を楽しむ会・楽器の世界⑰パイプオルガン
    豊明市立図書館自主企画 2022年第10回10月8日(土)午前10時~12時 (毎月第2土曜日開催) 今月のテーマ 楽器の世界⑰パイプオルガン 2021年、ネコパパとアヤママは豊田市コンサートホールで開かれたオルガン講座全3回を拝聴しました。パイプオルガンの歴史、内部構造や歴史など、興味深い内容でした。そして後半は、講師の先生やゲスト演奏者によるオルガン演奏になります。これが、時間の関係か、間を置かずに数曲続けての演奏に... 続きを読む
  • いつも、まっさらに~追悼・山脇百合子さん
    今朝、2022年の12月7日の朝刊で知りました。絵本「ぐりとぐら」 画家で絵本作家の山脇百合子さん死去 80歳 2022年10月6日 16時57分 NHK NEWS WEBhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20221006/k10013850681000.html引用。多くの子どもたちに親しまれている絵本『ぐりとぐら』シリーズなどで知られる、画家で絵本作家の山脇百合子さんが先月29日、亡くなりました。80歳でした。山脇さんは東京都出身で、高校3年生の時に同人誌に掲... 続きを読む
  • ネコパパとCDの37年。
    10月1日はCDが発売されて40周年だそうだ。1982年10月1日…よくお邪魔している加藤さんのホームページClassical CD Information & Reviewsによると、http://classicalcd.la.coocan.jp/etcetera/202210.htmこの日、国内プレスのCDを発売したのはCBSソニーと日本コロムビア。その次は10月20日のポリグラム(ドイツ・グラモフォンと英デッカ・ロンドン)。これは西ドイツのハノーファー・プレスで、翌21日にキャニオンレコード、11... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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