• 中身は同じ、外見は大違い。
    ネコパパの愛聴盤の一つに、モーリス・ジャンドロンのソロ、パブロ・カザルス指揮ラムルー管弦楽団によるハイドン&ボッケリーニのチェロ協奏曲がある。1960年録音のオランダ・フィリップス盤だ。1970年代には結構よく知られ、国内廉価盤でも発売されていたが、今はどれくらいの方が知っておられるだろうか。この盤には二つのポイントがある。まずボッケリーニのチェロ協奏曲が、原典版による演奏であること。当時、ボッケリーニの... 続きを読む
  • 刈谷市民管弦楽団の『ザ・グレート』。
    K君のご招待で行ってきました。いつもありがとうございます。今回は、普段なかなかライヴでは聴けない、意欲を感じるプログラムでした。「小組曲」も、「ザ・グレート」もネコパパの大好きな曲なのが嬉しく、期待して出かけたわけですが、お客様の入りは6割くらい。一般にはちょっと辛口だったのかも。1曲目、「ロザムンデ」序曲。冒頭の堂々たるフォルテから、バランスがきっちりとしていて破綻がなく、最初から好調と感じました... 続きを読む
  • ワルターの1948年盤『大地の歌』新情報。
    さきの記事でエピタグラフ盤「ワルター/ニューヨーク・フィル マーラー録音集」について一筆書いたところ、この中の1948年録音『大地の歌』について、みっちさんから重要なご指摘をいただいた。https://mitchhaga.exblog.jp/32764699/この記事によると、当該録音はオリジナル原盤が処分され、1,4,6楽章がVOA(アメリカ国営宣伝放送局)にラッカー盤(コピー?)として残され、残りの楽章は個人のエアチェック音源で補ったものとの... 続きを読む
  • ワルター/ニューヨーク・フィルのマーラー・ライヴ録音集。
    このところキングインターナショナルからワルターのCDがいろいろ出ている。平林直哉氏主宰の「グランドスラム」レーベルとして出たNBC響との放送録音も、従来盤と比べて音質面で魅力的だったが、この吉岡豊紀氏プロデュースによる「エピタグラフ」レーベルのものも、なかなかの出来だ。これまで出たものは、モーツァルト第1弾(交響曲第25、29、35、38、39番)、第2弾(交響曲第40、35、39番)、ブラームス:交響曲全集で、すべて... 続きを読む
  • ポンちゃんさん復活。
    『スターリングの部屋』というブログが以前、ありました。筆者はポンちゃんさん。熱烈な音楽愛好家で、貴重なSP音源を多数復刻・アップされていて、ネコパパもしばしば訪問し、拝聴させていただきました。それが、いつのころからか閉鎖され、寂しく思っていたのですが、昨日matsmoさんのブログで、最近復活されたことを知り、大喜びで訪問しました。ちなみにmatsmoさんの記事には、他にもネット界で最も充実していると思われるパブ... 続きを読む
  • ケンペ/ミュンヘン・フィルの「田園」、筋金入りの「まっさら」。
    ⓅEMI 1974   蘭DiskyⓅ&Ⓒ2000  BX70771ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 - Munich Philharmonic Orchestra ルドルフ・ケンペ - Rudolf Kempe (指揮)録音:1972年6月23-26日、ミュンヘン、ビュルガー・ブロイケライ Bürgerbräukeller第1楽章 10:20ゆっくり、丁寧な開始。まず、このさりげなく彫琢された音色がたまらなくいい。よく響く低音、丸みを持ってふっくらと鳴るフォルテ。フレーズの始まりはあわてず、一音... 続きを読む
  • 新忠篤氏の復刻仕事―DXMの真実ー
    あちこちネットを見ていて、不意に目に留まった記事があった。先回の「音楽を楽しむ会」で使用させていただいた『あらえびす・SP名曲決定盤』(音楽之友社 OCD2010/2100)という10枚セットの復刻CD。この制作を担当された新 忠篤(あたらし ただあつ)氏についての詳報である。これは、復刻盤CDRレーベル「グッディーズ」を紹介するHMVの広告記事だ。「グッディーズ」は、高音質のSP復刻・またはLP板起こし盤として評価か高いもので... 続きを読む
  • 棒つきジャケ盤は、マニアックな楽しみ。
    アナログLPの所謂初期盤に、「棒付きジャケット」とか「棒つきボード」とか言われるものがある。フランス盤が主で、アメリカ盤にも少しある。その昔、廉価盤でクラシックを買い集めて聴いていたころには、そんなものがあるなんて全然知らなかった。これを知ったのはマニアックなアナログLP愛好家たちとの親交ができてからのことだ。厚いボール紙のボードで作られた、薄い箱のようなジャケットに、黒い棒の取っ手のついた厚紙の内袋... 続きを読む
  • ルドルフ・ケンペのワーグナー&オーケストラ・ピース。
    今回ご紹介するのは、ルドルフ・ケンペのICON-BOX。EMIから発売された輸入盤のCDボックスで11枚組。Ⓟ2010となっている。このシリーズは2013年ごろまでかなりの数が出て、廃盤もあるが、このセットは現在もWarnerにレーベル名が変わって入手可能らしい。https://www.hmv.co.jp/artist_-%E3%82%AA%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%90%E3%82%B9%EF%BC%88%E7%AE%A1%E5%BC%A6%E6%A5%BD%EF%BC%89_000000000065307/item_%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83... 続きを読む
  • ネット読書会『ムーミンパパ海へ行く』
    ■ムーミン一家の家庭崩壊1965年作品。ムーミン・シリーズには10代から親しんできたネコパパですが、この長編は…どうも読み切った記憶がないんです。頓挫したらしい。で、あらためて読んで見ると、確かになんか、むしゃくしゃしてくるんです。ムーミンパパの言動にいらつくんですね。なるほど頓挫の理由は、これでしたか。ムーミン谷は秋。平穏な毎日が続いているのに、なぜか居心地の悪いムーミンパパ。一家の長として、家族から尊... 続きを読む
  • ジャズ・カフェ『ガーシュウィン』再訪。
    岐阜県多治見にあるジャズ・カフェ『ガーシュウィン』にいってきました。7月31日に続く、mackieさんの2度目のレコードコンサートのお手伝いです。前回はナビ不調で遅刻してしまったわけですが、今回はスムーズに到着できて一安心でした。アヤママは所用で同行せず。気の小さいネコパパは夜間の高速が心配でしたが、全く問題なしでした。やはり一度往復していると安心感が違いますね。さて今回は、前半はすべて蓄音機を使用したプロ... 続きを読む
  • 音楽を楽しむ会・文学と音楽⑥野村胡堂=あらえびす
    豊明市立図書館自主企画2022年第9回9月10日(土)午前10時~12時 (毎月第2土曜日開催) 今月のテーマ 文学と音楽⑥野村胡堂=あらえびす 今回は「銭形平次」の作者であるとともに、日本の音楽評論、レコード普及の先駆者であった野村胡堂=あらえびすをテーマに、彼の愛した名曲名演奏の数々を、岩手県にある野村胡堂記念館の所蔵レコードから復刻したCD音源を中心に聴いていきたいと思います。野村胡堂の経歴や仕事について... 続きを読む
  • 蓄音機の歴史。音が聴こえてくるような。
    名古屋栄の中古レコード店を漁っていたら、古書コーナーにこんな本を発見しました。1976年9月 パルコ出版蓄音機の歴史が概観できる一冊で、いまでは「失われた技術」といえるエジソン式シリンダー型蓄音機と、これを応用したエジソン式平円盤レコード「ダイヤモンドディスク」について記述された前半が圧巻です。オーディオ機器というより、古美術品の範疇かもしれない。大判の写真がふんだんに掲載されています。最後の方に、ネ... 続きを読む
  • ラルス・フォークト氏、逝去…51歳。
    ピアニストのラルス・フォークトさん死去 がん闘病中も演奏活動 2022年9月6日 15時30分 朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASQ964RC0Q96UCVL02D.html以下引用 ドイツのピアニストで指揮者のラルス・フォークトさんが5日死去した。51歳だった。昨年から肝臓がんを患いながら、演奏活動を続けていた。  90年、リーズ国際コンクールで2位入賞。明晰(めいせき)な解釈と叙情性あふれるタッチで、ベートーベンなど... 続きを読む
  • かんたんエアチェック。
    昔懐かしいラジオ番組のエアチェックを話題にしたところ、みっちさんがいろいろと調べてくださり、日本版ウィキペディアに面白い文言があることを教えられました。https://mitchhaga.exblog.jp/エアチェックは和製英語ではないが、日本版ウイキペディアだけにある記述も…>『実態は著作物の複製であるため、法的にグレーな行為であるが、原義を引き「いや、放送のチェックをしているだけだ」と言い張るための方便としての婉曲表... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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