• 追悼・ニコラ・アンゲリッシュ、そして、三つの「皇帝」。
    ニコラ・アンゲリッシュというピアニストが亡くなったそうだ。アメリカのピアニストで、4月18日、奇しくもラドゥ・ルプーの死の翌日で、新聞の訃報記事は二人が並んで掲載されていた。 パリの病院で死去、51歳。慢性的な肺疾患を患っていたという。 1970年米国生まれ。13歳でパリ国立高等音楽院に入り、ミシェル・ベロフらに師事。 パリを拠点に演奏活動を行い、バッハやベートーベンからメシアンら現代音楽まで幅広... 続きを読む
  • 硬派のピアニスト、アニー・フィッシャーを聴く10枚。
    ネットのつながりは面白い。みっちさんの記事でジュリーニ指揮のレコードを聴きなおし、シュレーゲル雨蛙さんのシューマンのピアノ協奏曲の記事がきっかけで、アニー・フィッシャーの弾くその曲も聴き直してみたくなった。そうしたらふと、彼女がジュリーニの競演したこの曲の録音のがあったことを思い出した。確か、このボックスセットの中に…Legendary Piano Recordings アニー・フィッシャー名演集(10CD)独Documents (Membran... 続きを読む
  • ロス・アンヘレス「歌の世界」。
    日Angel AA7600  1965年録音東芝の「赤盤」LPは60年代前半まで多く販売されていた。ネコパパがレコードを買いだした1969年にはすでに生産がやめられていたが、レコード店には在庫が残っていて、見るのが面白かった。「エバークリーン」と表示され、内袋がビニールではなく紙袋なのも特徴だった。界面活性剤配合と紙袋の相乗作用で、60年経過した現在でもほとんど埃がついていなくて、良好な状態で聴けるものが多い。通常盤に... 続きを読む
  • 戦争をやめさせるための絵本。
    2022年4月21日の新聞記事。内容は、だいたいこうだ。「平和の思いが込められた絵本」を手に取る人が増えている。ウクライナ民話『てぷくろ』は注目を集める絵本の一つだ。子どもの本専門店「クレヨンハウス」では、『おおきなかぶ』と並べている。探しに来る人は、いま世界で起きていることを子どもに説明したい、という思いで来店される人が多いという。「絵本を読めば、今起きている戦争を止められるわけではない。けれど、平和... 続きを読む
  • 教頭先生も本気に。ゴジラのリアリティ
    今朝の「ののちゃん」はこれでした。さらっと読んだのですが、よーく考えてみると「なかなか…」と思いなおしました。Ⓒいしいひさいちゴジラ映画は、昔はSFだと思っていたんですが、どちらかと言えばファンタジーなんですよね。日常生活の中に非日常が入り込んでくるロー・ファンタジー。ファンタジーのことを英語でフェアリー・テイルとも呼びますが、ここでの「フェアリー(妖精)」は「狭義ではイングランド、スコットランド、ウェ... 続きを読む
  • ハルキが好きなジャズ・ソング。
    名古屋覚王山で開催された、レコードコンサートのお手伝いをしました。解説はおなじみ、村上春樹の愛読者でもあるmackieさんです。再生機器は、すぺ~すRの誇るベルウッド・システム。プレーヤーはmackeiさん持ち込みのTHORENS TD124です。■プログラム1.2 中国行きのスローボート サミー・デイヴィスJrと、ジョニ・ジェイムズの聴き比べ。3 ニューヨークの秋 シンガーズ・アンリミテッド4 幸福なジョー ナンシー・ウィルソン... 続きを読む
  • ネット読書会『ムーミン谷の冬』
    Zoom会議にいろいろと参加しているうちに、Peatixという管理会社からさまざまなネットイベントのお知らせが来るように。そのなかに、こんな読書会の案内があったので参加してみました。「猫町倶楽部」という大きな読書会組織の会の一つらしい。参加の条件は「課題本を読んでおくこと」。参加費の支払いはカード決済で簡単でした。この作品は、高校生の時に読み、英語の受験勉強代わりに英語版も手に入れて「勉強」したこともありま... 続きを読む
  • 追悼・ラドゥ・ルプー、澄んだ水が流れるようなモーツァルト。追記あり。
    昨日、県図書館に来るまで出向く途中、エアチェックしておいたベルナルト・ハイティンクの追悼番組を聴いていたら、懐かしい名前に遭遇した。ラドゥ・ルプー。放送された演奏会のプログラムは以下のような内容だ。ネットで確認すると、3月2日の放送だが、11月21日に放送されたものの再放送のようである。 ベストオブクラシック ▽ハイティンクが残した名演(3) 録音提供:ドイチュラントラジオ・クルトゥーア ピアノ... 続きを読む
  • あしたのことば
    小峰書店2020.11.24「言葉」をテーマにした、森絵都の短編集です。あえて違ったタイプの作品を集め、それぞれの作品にべつべつの画家の挿絵を配するという、ビジュアルの面でも凝った作りになっています。「どっちが好き?」という友達との何気ない会話に「どっちかなあ、どっちもいい」と、つい迷ってしまう律と、そのことにじりじりして、つい「つっこみ」を入れてしまう周也。二人の気持ちが、帰り道の雨をきっかけにして少しだ... 続きを読む
  • 優秀録音、92点と93点の間。
    「レコード芸術」2022年4月号を、名曲喫茶ニーペルングで読んでいた。すると、あるページが目に留まった。音質評価担当のライターが今月のベスト録音を選定する「優秀録音」という、昔からあるページである。時々そこに「該当なし」として、1枚も選ばないライターがおられ、そういう場合は、なぜ選べないのかの理由が書かれるるが常である。ネコパパはこのページで選ばれた「優秀録音盤」にはほとんど興味がないのだが、「該当なし... 続きを読む
  • ワルター・クリーンのモーツァルト『戴冠式』。
    ワルター・クリーン - Walter Klien (ピアノ) ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団 - Vienna Volksoper Orchestra ペーター・マーク - Peter Maag (指揮) 録音1967年 LP 日コロムビアOC7033VXⓅ1975.11 1991年に亡くなったウイーンのピアニスト、ワルター・クリーンに注目する人は、今では少ないらしい。 ウィキペディアの記載もほんのわずかで、何度も来日しているのに、細かい記録も検索できない。ネコパパは最後の... 続きを読む
  • 1952年、カザルス音楽祭のシューベルト:弦楽五重奏曲。
    LP  米Columbia ML4714Schubert, Quintet In C Major Op. 163 Pablo Casals, Paul Tortelier, Isaac Stern, Alexander Schneider, Milton KatimsCasals Festival At Prades01-02 July 19521952年フランス・プラド・サン・ミシェル・ド・クサ修道院で開催された第3回プラド・カザルス音楽祭でのモノラル録音。先週、上前津のMF店で発見した。もしや、オリジナル盤かと期待したが、グルーブガードのセカンドだった。それでもこ... 続きを読む
  • おおかみと7ひきのこやぎ
    とても有名なグリム童話の絵本。ネコパパは昔からこのお話が大好きです。好きな場面は二つ。ひとつは、おおかみがいろんな小細工を使って、子やぎの家に入ろうとするところ。もうひとつは、末っ子のやぎが一匹だけ、時計の中に隠れて食べられずにすむところです。とくに「時計の中に隠れる」のがいい。かくれんぼのあの緊張がよみがえります。この絵本は何よりも、彦一彦(げん かずひこ)の絵がすばらしい。表紙から意表をついて、... 続きを読む
  • 東芝GR盤「カザルス名演集・第2巻」、侮り難い音。
    1962年発売の国内盤ボックスセット。数年前に東京お茶の水のDU店で購入したもの。価格は1000円しなかった。ネット情報によれば、2XEA101…等の原盤番号は、英HMV盤と同一で、これは輸入メタル原盤を使用して日本で製造した盤らしい。2階の家電オーディオにセットしたモノラルカートリッジAT-MONO3/LPで再生すると、ノイズも少なく、かなり明瞭で聴きやすい音で再生できた。国内盤とはいえ、侮り難い音だ。ドヴォルザークを除いて192... 続きを読む
  • 替え歌、戦争、そして沖縄。
    日本児童文学学会・関西例会にズーム参加しました。内容は、昨年度の学会賞を受賞された二人の研究者による記念講演でした。いずれも独創的な視点で新たな領域を切り開く内容で、とても刺激的な内容でした。<プログラム>    ・第45回日本児童文学学会特別賞受賞記念講演 鵜野祐介(立命館大学)  「『子どもの替え唄と戦争 笠木透のラスト・メッセージ』をめぐって」(仮題) ・第45回日本児童文学学会学会賞受賞記念講... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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