• ただのマンガなんてものは、ないの
    日本児童文学学会・日本イギリス児童文学会両中部支部 9月合同例会報告③お二人の研究発表のあとは、質疑合わせて120分という長丁場の講演です。講師はマーク・トウェインについての著書もある大東文化大学の中垣恒太郎氏で、アメリカ文学・比較文学・現代文化研究と、幅広い領野に取り組まれている気鋭の研究者。そんな中垣氏の今回のテーマは「アメリカ思春期文化論」さて、どんなお話がきけるのか、期待をもって拝聴し... 続きを読む
  • 交通事故と音楽
    どんッ、と鈍い音がして、ネコパパの背中をいやな衝撃が襲う。朝の通勤時間。いつものように愛車スージーに乗り込んだネコパパは、これもいつものように混雑気味の道路を、高架の国道に登るべく信号待ちしていたところだった。事故の現場も信号のすぐ手前で、ずらり並んだ通勤中の車にはたいへんな迷惑だったはずだが、なんとか車を寄せて一時停止ランプを点滅させた。降りてみると後ろは白いワゴン車である。「申し訳ありません。... 続きを読む
  • 続・虫歯と音楽
    あれからずっと歯医者さん通いを続けているネコパパなんですが、「虫歯と音楽」ネタでもう一つ発見しました。■虫歯にステーキ わけあって近頃、大正時代から戦前ごろまでの来日演奏家を調べています。その中にひとり、1936年(昭和11年)来日の大物演奏家がいました。ロシアのバス歌手、フョードル・シャリアピンです。演奏家名が食べ物の名前になった例として、ちょっと前に「ピーチ・メルバ」をご紹介しました。https://blogs.yah... 続きを読む
  • チェロの巨匠たち
    チェロの巨匠たち / the best of the 3 great'cellists日ANGEL LP AA-8662ポッパー こびとの踊り(妖精の踊り)ドビュッシー ミンストレルドビュッシー 月の光スクリャービン エチュード0P8-1ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)アレクサンドル・テデューヒン(P) ハイドン メヌエットショパン 序奏と華麗なるポロネーズリムスキー・コルサコフ 熊ん蜂の飛行サン・サーンス 白鳥フォーレ 子守唄ピエール・フル... 続きを読む
  • 「ピーター・ラビット」を多様に、そして「迂闊に」読む
    日本児童文学学会・日本イギリス児童文学会両中部支部 9月合同例会報告②■研究発表 2ピーター・ラビットという体験山口 均(愛知学院大学)<発表概要>「昔々四匹の仔兎がいました。名前は…」と素朴に始まる小さな物語The Tale of Peter Rabbit(1902)は、ジャポニスムの文脈など周縁的な研究も進んでいるようだが、テクスト自体(絵を含めた「イコノテクスト」)の読みにもまだまだ可能性が残されているのではないだろ... 続きを読む
  • フェネルのアンダーソン名曲集
    リロイ・アンダーソン名曲集~ワルツィング・キャット、ブルータンゴイーストマン・ロチェスター・ポップス・オーケストラ (1)~(14)フェネル・オーケストラ(ロンドン・ポップス・オーケストラ)  (15)~(23)指揮 フレデリック・フェネル録音 1956 1958 1964米マーキュリーCD  Mercury Living Presence Boxed Set2より01.舞踏会の美女02.馬と馬車03.ワルツィング・キャット04.ブルー・タンゴ05.夏の空06.ベルの歌07.タ... 続きを読む
  • 「観察絵本キンダ-ブック」戦前の販売戦略
    2017.08.10 (水)大型台風の接近を気にしつつ、ネコパパが出かけたのは中京大学。目的は児童文学の研究発表会の拝聴です。暴風警報は発令されず、雨脚はやや速いものの、危険は感じない程度で、会は無事開催されたのですが、残念ながら参加者は多くありませんでした。内容は大変興味深く、充実したものでした。研究発表と講演あわせて、三人の研究者のお話をじっくりと拝聴しました。三回に分けてご報告したいと思います。日本児童... 続きを読む
  • フェネルのアンダーソン&コーツ作品集
    台風一過の晴天。昨夜は強風にあおられてギシギシとなる家で不安の一夜を過ごしたので、今朝はスカッとした音楽が聴きたくなった。そこで、この一枚。アンダーソン&コーツ作品集ロンドン・ポップス・オーケストラ、イーストマン=ロチェスター・ポップス・オーケストラ指揮: フレデリック・フェネル録音 1956 1963~1964米マーキュリーCD Mercury Living Presence Boxed Set2よりコーツ(1)ロンドン組曲(2)四方組曲(抜... 続きを読む
  • 図書館ミステリー、そしてタイトルの謎
    れんげ野原のまんなかで (創元推理文庫)著者森谷 明子 初版2005年図書館を舞台にしたミステリー短編集です。単行本は2005年初版ということもあって、ネット社会の波もほとんど感じられない、古き良き公共図書館の気分が漂ってきます。ネコパパには快適な読み心地でした。レギュラーな登場人物として、本シリーズの視点人物である新人図書館員の今居文子、鋭い批評眼をそなえた能勢や、本に関しては生き字引のような日野、事... 続きを読む
  • ムラヴィンスキーの「田園」②1962年レニングラード
    旧ソビエト連邦を代表する指揮者ムラヴィンスキーは、「田園」の録音を4種類残している。①1949年3月29日 モスクワ②1962年3月20日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール③1979年5月21日 東京文化会館④1982年10月17日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール今回は②を聴いてみる。これは1995年、アメリカのマイナーレーベルであるロシアン・ディスクから初めて発売されたもの。カップリン... 続きを読む
  • 「いま児童書がアツい」んだって?
    「朝日新聞デジタル」の無料会員に登録しているので、記事紹介のメールがどんどん入ってくる。このサイトは、どの記事も冒頭部分は無料、無料会員に登録すると一日一本だけは「記事全文」が読めるという仕組み。自宅では、同新聞を朝刊、夕刊とも宅配してもらっている。こういう購読者には、デジタル版も無料で読めるサービスが欲しいところだが、いまのところそうなってはいない。紙の新聞と、デジタル新聞は全く別のものだが、そ... 続きを読む
  • 虫歯と音楽
    歯が痛い。どうにも我慢ができなくなって、歯医者さんに行きました。しばらく前に治療した奥歯の「被せ」が取れてしまい、ちょっと気にはなっていたのです。でも、痛みも無く特に支障もなかったから、そのうち行かないと…と思いながらずるずると引き延ばしていました。そして、来るべきときが来ました。被せの取れたところに食べ物が引っかかってどうにも具合が悪いと思い始めたところに、いやな痛みが始まったのです。覚悟を決め... 続きを読む
  • ピーチ・メルバと「エルザの夢」
    「蓄音機喫茶エヂソン」のサロンコンサートで、レコード係をされているMさんは妙齢の女性で、鶴舞公園近くのコーヒーとケーキのお店「ニコル」の店主でもあります。https://ja-jp.facebook.com/CakeCafe-NICOL-102210960144561/8月も終わりのある日の夕刻、ネコパパが「ニコル」に立ち寄ると「こんな季節のメニューをつくったんですよ。いかがですか?」と勧めて下さる。ピーチ・メルバです。「白桃のコンポートにバニラアイス、... 続きを読む
  • 富安陽子の大作「天と地の方程式」を読む
    富安陽子のファンタジー三部作「天と地(あめとつち)の方程式」を読みました。これは愛読している「シノダ!」シリーズとは一味違う、中学生を読者対象とした作品です。ちかごろ、読書遅滞症気味のネコパパですが、久しぶりに三冊を一気読みして、爽快な読後感を味わいました。面白かった!版元も力を入れていて、「講談社BOOK倶楽部」に特設サイトが開設されています。book-sp.kodansha.co.jp/topics/ametuti/まずは、そこから「あ... 続きを読む
  • 「佐藤健二先生・高木史人先生還暦記念 日本民俗学講習会」報告
    去る7月29日(土)、京都大学楽友会館にて「佐藤健二先生・高木史人先生還暦記念 日本民俗学講習会」が開催されました。シュレーゲル雨蛙さんのお誘いで、出席してきました。場所は、由緒ある京都大学の「史跡」的な会館です。一歩立ち入っただけで、もう知と学問の地層を感じさせる空気が充満。民俗学への貢献著しい二人の学者の還暦をお祝いしつつ、昭和10年に開催された「柳田國男還暦記念 日本民俗学講習会」の再現を意図した... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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