• 戦争児童文学の構造を解明する-斎藤美奈子「戦争と少年」
    この国では、毎年夏になると「戦争」の記憶を呼び起こします。戦後生まれの世代でも、それは共通体験になっているのではないでしょうか。戦後71年に生きる子どもたちも同じです。共通体験を作ってきたひとつが、夏休みが終わるとまもなく国語の授業で扱われる「戦争教材」。それは戦後ずっと受け継がれてきた伝統芸のようなものです。一つの花                       &nbs... 続きを読む
  • イ・ムジチ、6回目の『四季』の鮮烈さに、今更驚く。
    ヴィヴァルディ 協奏曲集『四季』~「和声法とインヴェンションの試み」op8よりイ・ムジチ マリアーナ・シルブ(Vn)1995.7録音スイス・ラショードフォン、ファレル寺院PHILIPS 国内盤CDヴィヴァルディの協奏曲集『四季』といえば、60年代から70年代にかけて、クラシック音楽の看板曲だった。これが有名になったのは、ラインホルト・パルヒェットがヴァイオリン・ソロを取ったミュンヒンガー盤(Decca録音のモノラル盤)だという... 続きを読む
  • 追悼 ルディ・ヴァン・ゲルダー~ジャズの音のイメージを作った男
    ジャズ・レコードの歴史的な録音エンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダーが91歳で亡くなられたとのこと。Jazzclubさんの記事で知りました。http://blogs.yahoo.co.jp/jazzclub1914/37322105.html?vitality ヴァン・ゲルダーといえば、ブルーノート(Blue Note)レーベルの創始者アルフレッド・ライオンに見い出され世に出たことから、ブルーノート盤のイメージが強いのですが、プレスティッジ(Prestige)、サヴォイ(Savoy)... 続きを読む
  • 『君の名は。』…現代の「すれ違い物語」
    8月某日、映画『君の名は。』を見てきました。といっても…往年の名作メロドラマではなく、新海誠監督の、新作アニメーション映画のことです。この監督は、「遠く離れた恋人同士が、長い年月をへて再会できたり、できなかったりする」物語を展開することが多いので、このタイトルはいかにも彼らしい。得意の「すれ違い物語」をまたしても展開するのだろうな、という予想をしていたのでしたが、まあ、そのとおりでした。主人公は田舎... 続きを読む
  • ザンデルリング/ドレスデンのブラームス交響曲全集
    ブラームス 交響曲全集①第1番 悲劇的序曲 ②第2番 第3番③第4番 ハイドンの主題による変奏曲クルト・ザンデルリング指揮シュターツカペレ・ドレスデン1971,72年録音 DENON/タワーレコード SACDハイブリッド これは、数多いブラームス交響曲全集の中でも、日本では特に高く評価されている盤ではないだろうか。発売のタイミングもよかった。録音の翌年の1973年、同コンビが来日公演を行ったのである。こ... 続きを読む
  • 作品より人が多い…ジブリの立体建造物展
    豊田市美術館で行なわれている「ジブリの立体建造物展」にアヤママと行ってきました。 ジブリ作品の大きな見所に鳴っている「建物」に着目した展覧会で、イメージボード、スケッチ、背景画や、建物を精密に再現したミニチュアなどが展示されていました。  日曜日だったので、ちょっと心配していたのですが、行って見ると広い駐車場は満車、何とかごまかして車を止め、たどり着いた会場では、チケットは簡単に購入できたものの... 続きを読む
  • 大人たちに絵本を
    今日(2016.8.20)の朝日新聞に、こんな記事が掲載されていました。絵本編集者、末盛千枝子さんへのインタビューです。 末盛さんは1941年、彫刻家・舟越保武の長女として東京に生まれ、絵本の編集者を経て、1988年すえもりブックスを設立。以後、タシャ・チューダー、ゴフスタインの絵本、皇后美智子さまの講演録などを出版しました。2008年から開始したセミナーをもとに2010年4月『人生に大切なことはすべて絵本から教わった』... 続きを読む
  • ブックトーク「変身」
    夏休みの教員研修の一つでブックトークの実習指導をすることになりました。というわけで、ネコパパもたたき台を示すために、手持ちの本でひとつやってみました。対象は小学校高学年から中学生…という設定です。最初に紹介するのは絵本。短い絵本なので、読んでみることにします。①はんぶんたぬき 長新太 こぐま社たぬきがこれからばけますよ ばけますよあらあら はんぶんたぬきですたぬきです…というわけで、今日のブッ... 続きを読む
  • フルトヴェングラー協会盤を聴く
    8月某日、チャランさん宅でフルトヴェングラーの稀少盤を鑑賞しました。今回、チャランさんが入手した盤のリストの一部です。大変な「お宝」コレクションでした。どうにも目移りがして、「つまみ聴き」になってしまいましたが、聞いた感想をお伝えしてみたいと思います。フルトヴェングラー協会 (フランス盤) ベートーヴェン 交響曲第4番 1943/1944 ベルリン BPOベートーヴェン 交響曲第5番 1943.6.27-30 ベルリン BPO ... 続きを読む
  • 「シン・ゴジラ」は問題作
    8月某日。アヤママと映画『シン・ゴジラ』を見てきました。12年ぶりの日本制作による新作です。予告編などでは、どんな内容か全くわからず、とにかくゴジラの造形はいいな…と思うばかりだったので、この凄みのある出来栄えには、正直動揺しました。ストーリー的な目新しさは、ありません。東京湾の羽田沖でアクアトンネルが崩落し、突如出現した巨大生物(次第にゴジラに進化していく)が、東京に上陸。首相補佐官の赤坂秀樹(竹野... 続きを読む
  • フルトヴェングラーのLPを久々に購入!
    チャランさんのお宅で「フルトヴェングラー鑑賞会」をやりたいとのこと。フランス・フルトヴェングラー協会のLPを大量に入手されたようです。仏協会といえば、フルトヴェングラー最後の年1954年にパリ・オペラ座で演奏された「運命」「未完成」の演奏会のことがすぐに思い浮かびます。録音を嫌った巨匠は、マイクが眼に入ると神経質になったとのことで、彼の録音はセッション、ライヴを問わずオフマイクでぼんやりしているので... 続きを読む
  • ヴェーグ指揮のモーツァルト「ディヴェルティメント・セレナード選集」
    ときどきお邪魔しているみっちさんのブログに、独カプリッチョ盤のシャーンドル・ヴェーグ指揮「モーツァルト、ディヴェルティメント・セレナード選集」が取り上げられていました。これはネコパパが指揮者ヴェーグに克目させられた、思い出のシリーズです。CD初期に、一部だけ国内盤仕様で発売されましたが、全部は出なかったため、輸入盤店を一軒一軒回っては少しずつ買い集めたものでした。全部で何枚出たのかもわからないまま月... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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