• 弦の弱音が多彩な情感を表出する、朝比奈隆、85年の「田園」
    交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 「田園」朝比奈 隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団録音 1985.4.28ザ・シンフォニーホールでのライヴ録音Victor VIC4170~4178 (国内盤LP) 朝比奈 隆は、「田園」の録音を、9種類遺した。いずれも大編成、モダンスタイルによる、堂々たる演奏である。 1:NDRso.; 61/5/15; ハンブルク,ムジークハレ Live  独オード-ODCL BOX12:大阪po.; 73/7/18; 大阪厚生年金会館 中ホール 学研... 続きを読む
  • 若者の貧困と経済的徴兵制
    中京大学教授・大内裕和氏と参議院議員・福島みずほ氏の二人講演会に行きました。初めに1時間、大内氏の講演があり、次に35分の短い講演を福島氏。休憩を挟んで後半が、両氏の対談でした。ネコパパは所用で残念ながら途中で退席しましたが、200人くらいは入る教室がほぼ満員という盛況で、この問題に対する世の関心が高まっていることが感じられました。講演会の詳しい内容はこちらにまとめられています。関心を持たれた方はぜひご... 続きを読む
  • 「メリーゴーランド」レクチャー2016
    四日市の子供の本専門店「メリーゴーランド」から、2016年のレクチャー(連続講演会)の案内が届きました。お店のホームページにはまだ掲載されていません。今年は開店40周年ということで、豪華なメンバーが顔を連ねています。店主・増田嘉昭さんの人脈の強力さにはいつもながら感服です。とりわけ7月の特別講演会の一日目は増田さんと、名古屋の子どもの本専門店「メルヘンハウス」創業者で、日本におけるこの業界の開拓者である三... 続きを読む
  • 著作権保護期間延長で公有音源が激減?
    聴き会などで気になった音盤については、ぜひ聴きなおしたい。それが自分にとって必要と感じたならば、手元においておきたい。音楽好きなら誰しもそう思うのではないでしょうか。例えば、先日Recooyajiさんの所で聞かせていただいたディヌ・リパッティのショパン。ネット社会とはありがたいもので、つい20年前にはかなわなかった「音源チェック」が容易にできるようになりました。動画投稿サイトやパブリックドメイン(公有)音源を... 続きを読む
  • 怖いクラシックー『田園』も怖い曲?
    『怖いクラシック』中川右介NHK出版新書 2016.2 クラシック音楽の王道は「怖い音楽」である。本書は「恐怖」をテーマに巡る2000余年の音楽史だ。今回も筆者独特の、主観を排し、事実、データに語らせる書きっぷりが快い。この名調子に慣れると、対象への思い入れが過度に表面化した文章を読むのがうっとおしくなる。近頃は読書スピードがめっきり低下したネコパパでも、中川氏の文章ならスピード感を維持して読めるのも嬉し... 続きを読む
  • 追跡者の視点で描くと…「どこいったん」
    「どこいったん」作・絵:ジョン・クラッセン訳:長谷川 義史出版社:クレヨンハウス2011年 価格:1,500円(税別)  ぼくのぼうし、どこいったん? さがしにいこ。 お気に入りのぼうしを、なくしてしまったくま。くまは、森で出会った動物たちに尋ねて回ります。しかし誰に聞いても、「しらんなあ」そんななか、くまは赤いぼうしを被ったうさぎに出会います… ぼくのぼうし どこいったん? これは以前記事... 続きを読む
  • お宝秘蔵SPを蓄音機コンサートに
    なごや蓄音機クラブ主催の「蓄音機コンサート」が3月21日(月)に開かれるというので楽しみにしていたネコパパ。ふと、あることを思い出して、その二日前19日、よせばいいのに名古屋のチャランさんまで誘って、岡崎のKonken君宅に出かけてきました。Konken君宅には、知人から譲り受けたという大量のSPレコードがあったのです。50年も仕舞い込まれ埃をかぶっていたもの。Konken君、譲り受けたのはよかったが、蓄音機は壊れて再生でき... 続きを読む
  • 少年の名はジルベール~竹宮惠子と大泉サロンの形成
    少年の名はジルベール著/竹宮惠子 発売日2016/1/27小学館 定価本体1,400円+税 少女マンガの黎明期を第一線の漫画家として駆け抜けた竹宮惠子の半生記。石ノ森章太郎先生に憧れた郷里・徳島での少女時代。高校時代にマンガ家デビューし、上京した時に待っていた、出版社からの「缶詰」という極限状況。後に大泉サロンと呼ばれる東京都練馬区大泉のアパートで「少女マンガで革命を起こす!」と仲間と語り合った日々。当時、... 続きを読む
  • 室内オーケストラで春の調べを
    Sige君の旧友K君は、名古屋近辺の複数のアマチュア・オーケストラで精力的に演奏活動を行っているヴァイオリニストです。Sige君を通じて、ネコパパもよく演奏会にご招待いただいています。今回はSige君所用のため一人での鑑賞となりました。会場の瑞穂文化小劇場は2015年7月10日に開館したばかりの新しい施設で、運動施設のある広い敷地内に、図書館と隣接して建てられていました。ホールは349人収容の柔らかさと清潔感に溢れる空... 続きを読む
  • 羽毛が耳をなでるような、アーノンクールの「田園」
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調「田園」ニコラウス・アーノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団  録音:1990年7月5日、シュテファニエンザール、グラーツ(ライヴ録音)TELDEC国内盤CD  WPCS-21003 2016年3月5日に没したアーノンクール最後の録音は、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを指揮したベートーヴェンの第4、第5交響曲だった。新たな交響曲全集を目指していたそうだが、残念ながらこの一枚に終わり... 続きを読む
  • シューリヒトのベートーヴェン交響曲全集がSACDに
    定年退職も近いというのに、またも散在の予感が… ドイツの指揮者、カール・シューリヒトがパリ音楽院管弦楽団と1950年代末に録音した、ベートーヴェンの交響曲全集。これが、タワーレコードの肝煎りで、SACDで発売されるという(発売元はワーナー)。ネコパパは、1970年代に東芝EMIの発売した国内盤廉価LP「セラフィム・コレクターズ・ソサエティ」を皮切りに、LP再発、国内盤CD、輸入盤CD…と追いかけてきた。演奏面では、いまも聴く... 続きを読む
  • 老いても枯れぬ冒険心ー追悼 アーノンクールさん
    アーノンクールさん死去 世界的指揮者 86歳朝日新聞デジタル2016年3月6日22時40分http://www.asahi.com/articles/ASJ3675X9J36UHBI01R.html  世界的指揮者で、モーツァルトやバッハの作品への斬新な解釈で知られるニコラウス・アーノンクールさんが5日、死去した。86歳だった。AFP通信などが報じた。  現代のクラシック音楽演奏に大きな影響を与えた、古楽演奏のパイオニアとして知られる。ウィーン・フィル... 続きを読む
  • ヒッチコックのドキドキ感の絵本―「ちがうねん」
    ちがうねん 作: ジョン・クラッセン訳: 長谷川 義史出版社: クレヨンハウス  ちいさなさかなが、ぼうしをかぶって海の中を泳いでいます。 「このぼうし、ぼくのとちがうねん。とってきてん。」 おっきなさかなから、とってきてん。ねてるまに。まあ、おきたとしても…頭の中でさかなはいろいろ思いを巡らせます。ちいさな魚の目ざす先は、はたして…。 真っ黒な水中をバックに、淡... 続きを読む
  • 朝比奈隆「聖フローリアンのブルックナー」が再登場。だが…
    朝比奈隆指揮,大阪フィルの聖フローリアン教会のブルックナー7番ブルックナー交響曲第7番朝比奈隆指揮,大阪フィル <1975.10.12>ALTUS ALT 337 これは朝比奈ファンには思い出深い録音だ。大阪フィルの1975年ヨーロッパ公演のひとつとして演奏された「聖フローリアン教会のブルックナー7番」のライヴ録音である。ネコパパはFM愛知の番組『TDKオリジナルコンサート』で前半と後半、二週にわたって放送されたのを聴い... 続きを読む
  • 小林秀雄が斬ったものは?
    今朝新聞を読んでいたら、真っ先にこんな記事が目に飛び込んできた。 朝日新聞朝刊2016.3.2(水)天声人語 批評家の小林秀雄は、書家でもあった良寛の詩軸を得意になって掛けていた。ところが、友人の良寛研究家に偽物と判定され、刀で斬ってバラバラにしてしまった。「真贋(しんがん)」という文章の冒頭の挿話だ▼偽物はともかく、良寛の筆は独特だ。脱力系と言おうか。書家の石川九楊さんによれば、「けだるく、懶(も... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

ご訪問ありがとうございます

月別アーカイブ

検索フォーム

QRコード

QR