• レーデルのモーツァルト「ト短調」は熱い水
    モーツァルトの交響曲第40番ト短調を聴きたくなりました。モーツァルトのシンフォニーを聴くなら、第38番「プラハ」か、この第40番を選ぶことが多いのです。それ以外だと、単一楽章の第32番、往年の指揮者の愛好曲だった第33番、ベームがとりわけお気に入りだった第34番。ネコパパ、この三曲を後期直前の三大交響曲と密かに考えています。それはさておき、第40番ト短調、魅力的な曲です。短調ということもあって、モ... 続きを読む
  • 好事家垂涎のコンプリート・ワークス
    ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートで演奏された全曲目を、同コンサートのライヴ録音から収録するCDBOXが、ソニークラシカルから発売されることになりました。ネコパパ架蔵の音盤とはかなり重複すると思いますが、資料的価値は大きいと思います。何より注目すべきは、放送音源の掘り起こしが23曲あり、その内クレメンス・クラウスのライヴ音源が6曲あるということ。シュトラウスの音楽に関心のある人には、この23曲のため... 続きを読む
  • グールドとバーンスタインの熱血共演
    ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 バッハ:ピアノ協奏曲第1番 グレン・グールド(p) レナード・バーンスタイン指揮 コロムビア交響楽団 1957年4月録音 Sony 国内盤CD  収録はジャケット表示とは違い、バッハが先になっている。 まずはバッハ。彼の協奏曲の中でもひときわ聞き応えのある作品で、ネコパパの愛聴曲だ。本来はチェンバロ協奏曲(そのまた元はヴァイオリン協奏曲)だが、 ピアノで演奏されると音楽の深みが... 続きを読む
  • カズオ・イシグロ 文学白熱教室
    NHKで8月16日に放送(再放送)されたカズオ・イシグロ「文学白熱教室」を見ました。フィクション、文学、ファンタジーの存在意義に迫る興味深い講義でした。かいつまんで内容を紹介したいと思います。 <番組概要>英タイムズ紙で「1945年以降の最も重要な英文学者50人」に選ばれたベストセラー作家カズオ・イシグロ。実際にあったかのようなリアリズムに徹しながら日常の小さな隙間から不条理な世界を描き人間の本質に迫... 続きを読む
  • カザルスの指揮も聴きましょう
    「ベートーヴェンの交響曲を聴きましょう。『第8』がいいですね。僕が最初に好きになったベートーヴェンの交響曲です」とemo君が言うので、「じゃあ…」と、ネコパパはとっときの盤を持ち出した。ブルーノ・ワルター指揮コロムビア交響楽団。1958年1月録音。ワルターの記念すべきステレオ録音シリーズで、マーラーの『復活』に続く第2弾となったものである。なぜ「とっとき」かというと、先日、米コロムビア初期盤を入手したから。... 続きを読む
  • ビル・エヴァンスを聴きましょう
    8月16日にネコパパ庵に来訪してくれたemo君は、近年はクラシック音楽に開眼したけれど、もともとは大のジャズ・ファン。なかでも、ビル・エヴァンスとキース・ジャレット、二人のジャズ・ピアニストをこよなく愛好されている。この日もちょっとジャズを聴きたくなって「では、ビル・エヴァンスを…」選んだのは、ネコパパ架蔵の一枚、『パリ・コンサート ed 1』から、「ビューティフル・ラヴ」1979年11月26日、パリでのライヴ録音... 続きを読む
  • フリッチャイを聴きましょう
    「今日はフリッチャイを聴きましょう」ネコパパ庵を訪れたemo君がいう。8月16日。猛暑続きだった今夏の、暑さもちょっと一段落の昼下がりのこと。健康に心配をかかえるemo君だが、今日はsige君の同行で、名鉄電車を利用しての来訪で、その回復ぶりが、いちばんに嬉しい。 「では…」とまず手が出た盤は、スメタナの交響詩『モルダウ』。1960年1月録音のDG盤。演奏はフェレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリン・フィルハーモ... 続きを読む
  • 余郷先生の語る「絵本のひみつ」
    8月4日、岡崎で『絵本のひみつ-絵本の知と読み聞かせの心』と題する講演会を聞きました。講師は鳴門教育大学大学院教授の余郷裕次氏です。場所は岡崎の甲山会館。これは教員研修会の一環で、ネコパパは仕事として勤務校から車で出かけたわけです。珍しいことにこれは国語の研修ではなく、総合的な学習の研修会でした。猛暑の上に、行事が重なって駐車場が満車で、近くにある養護学校の運動場に車を置いて出かけたのですが、これ... 続きを読む
  • NHKスペシャルの戦後特集を見て
    戦後70年ということで、NHKが連続放送している、戦争をテーマとした番組が充実している。新たに発見された記録や、残された資料を精査することで見えてきた発見など、新鮮な情報を提供しようとする番組スタッフの意気込みが感じられる。これから何度かは再放送があったり、オンデマンド配信もなされるはずだが、それだけで終わるのは惜しい。様々な場で視聴できるよう、著作権を緩和するなどの配慮をしていただきたいと思う。密... 続きを読む
  • 小澤征爾氏が、骨折
    小澤征爾氏が、骨折、演奏休止との報が入る。「サイトウ・キネンフェスティバル」を今夏より改称した「セイジ・オザワ松本フェスティバル」を間近に控え、いよいよ一夜のプログラムを一人で振り切ると期待された矢先の出来事だった。 以下、報道記事より抜粋。 <小澤征爾さん>入院先で骨折、オペラ公演を降板毎日新聞 8月7日(金)13時8分配信 ◇8月下旬の音楽祭「セイジ・オザワ松本フェスティバル」http://h... 続きを読む
  • カザルス、最後の協奏曲正規録音
    今回は、掘り出し物レコードの話。戦後「スペイン独裁政権を認める国では演奏しない」と宣言して、スペインからの亡命者が多く居住するフランスの山村、プラードに隠遁していたチェリスト、パブロ・カザルス。演奏ボイコットの頑固な決意を翻したのは、親友のヴァイオリニスト、アレクサンダー・シュナイダーの粘り強い説得だった。彼の説得で、同地での音楽祭開催と、ここでだけに限定して公開演奏を再開することに同意した彼は、... 続きを読む
  • 音の絵の展覧会
    6月27日、ネコパパ庵で聞き会、開催名古屋のsige君、emo君、岡崎のkonken君がネコパパ庵を訪れた。この三人に豊橋のbassclef君が加われば、昔日のA大麻雀友の会だったのだが…場所は二階の、もと娘の居室。八畳間なので、4人並んでもまずまずの聴き心地だ。この日は、sige君とkonkenが同じ曲の音盤を持ってきてくれた。 ムソルグスキー『展覧会の絵』ただし二人とも、原曲のピアノ曲ではない。sige君はラヴェル編曲のオーケス... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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