• マゼール、情感に満ちたブルックナー
    DECCA《ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団エディション》をきく⑬【CD34】ブルックナー:交響曲第5番ロリン・マゼール(指揮) [録音:1974年] 交響曲第5番は、ブルックナーの交響曲の中で、最も厳しい音楽だ。全4楽章、歩行のリズムで淡々と始まり、そこに厳粛を漂わせる楽想が次々に折り重なっていき、やがて巨大な音のカテドラルを築き上げていく。この曲は聴く者の襟を正させる。それだけに、ほっと息の付ける箇... 続きを読む
  • マリーの頭の中は花でいっぱい
    庭師の娘原題:Marie Mit Dem Kopf Voller Blumen 作者:ジークリート・ラウベイラスト:中村悦子訳者:若松宣子出版社:岩波書店 2013・7・30小学6年・中学から定価(本体 1,900円 + 税)  メスメル博士のお屋敷に,庭師の父親と住むマリーは,修道院で勉強中です。だけど,マリーが考えているのは植物のことばかり。本当の望みは、庭師になること―。女の子が夢をかなえるのは難しかった時代、マリーは迷いながらも、... 続きを読む
  • どちらがモントゥー? どちらもモントゥー…
    「音盤のある部屋」で、モントゥーの「田園」を取り上げた。これは「第1番」との組み合わせでボックスセット「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団エディション」に含まれていた一枚。まずは、その内容を再掲載してみたい。ベートーヴェン:交響曲第1&6番~ピエール・モントゥー(指揮) [録音:1960&1958年]/ モントゥーのベートーヴェンは、中高音を中心に、音をたっぷりと鳴らしたスタイルだ。特にこのウィ... 続きを読む
  • 唯一無二の響きの創造に賭けた「田園」
    ヨス・ファン・インマゼール指揮アニ マ・エテルナ録音2006年11月13-16日仏Zig-zag Territoires(CD)古楽器による演奏である。 ピッチのことはよくわからないが、解説によると現代とほぼ同じとのこと。その点での抵抗感は確かにない。これは良いと思う。演奏はヴィヴラートを抑制し、メンバーを少なめにした、ピリオド・スタイルの典型という感じ。ネコパパのあまり好まない演奏スタイルだが、音色には独特の良さがある。 ... 続きを読む
  • シノダ!⑧ 都ギツネの宝
    シノダ!⑧ 都ギツネの宝富安陽子絵:大庭賢哉偕成社 2014年 10月定価: \1,404 「シノダ」シリーズ8作目。今回はおなじみの三人が、時の重なる都、京都を舞台に「都ギツネの宝」をめぐって大冒険をします。事件の引き金をひいたのは、自称トレジャー・ハンターの夜叉丸おじさん。彼の正体はキツネ。冒険家気取りでインディー・ジョーンズを思わせるファッションに身を包み、事件や騒動の裏にはいつも彼の失敗が…... 続きを読む
  • 落語調の時代劇ファンタジー
    鈴狐騒動変化城(すずぎつねそうどうへんげのしろ)田中 哲弥 (著)伊野 孝行 (イラスト)福音館創作童話シリーズ2014/10/9¥ 1,404 ライトノベル出身の作家による時代劇ファンタジーです。 遠い昔。海辺の美しい城下町。茶碗屋の娘お鈴は、器量も気立てもよく、町中の人気者。その評判を聞きつけた悪逆非道のお城の殿様が、呉服屋に嫁ぐことの決まったお鈴を、城へよこせとの無理難題。町中が暗く重く沈むなか、... 続きを読む
  • カール・ベーム、圧巻のブルックナー
    DECCA《ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団エディション》をきく⑫【CD32】ブルックナー:交響曲第3番(ノヴァークⅢ版)~カール・ベーム(指揮) [録音:1970年]/「第3番」は作曲者が敬愛するワーグナーに捧げた曲で、初期の稿でワーグナー楽曲の引用があることでも知られている。でも、それ以上に大切なことは、彼の作風を特徴付ける「荘厳さ」を基調とした、最初の交響曲であることだろう。この作風は「第5」「第... 続きを読む
  • 感想は「困惑!」の一言
    クラシックCDの名盤 大作曲家篇 宇野 功芳 (著), 福島 章恭 (著), 中野 雄 (著)文春新書2014/12/19シリーズ3冊目。改訂版も含めると5冊目になりますか。一冊目が出たのは1999年ですから、もう15年にもなるのですね。このブログには取り上げなかったけれど、出た時から熱心に読んでいます。基本的に、3人による立体批評による名盤ガイドなのですが、類書と大きく違うのは、著者同士ががお互いの意見の違いを強く意識... 続きを読む
  • 音楽と演奏の幸福な一体感
    DECCA《ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団エディション》をきく⑪ 【CD38】ブルックナー:交響曲第9番, リスト:前奏曲ズービン・メータ(指揮) [録音:1965&1966年] これは、メータの録音した初めてのブルックナーの交響曲である。冒頭は慌てず騒がすの堂々とした開始が巨匠的で、期待させるが、10分も過ぎると、淡々として平坦な音楽の連続に、次第に物足りなくなってくる。車にたとえると、オートマ車... 続きを読む
  • メータ、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート
    生放送は一部、全曲は昨日録画で拝聴しました。今年の指揮者はズービン・メータ。メータといえば、思い出すことがあります。東日本大震災の時は、海外からの演奏家が来日を中止したり、公演を中断して帰国したり、という出来事が多かったのですが、メータの参加していたフィレンツェ歌劇場日本公演も、イタリア政府の帰国命令のため、中途で切り上げとなりました。しかし彼は単身で残留し、N響チャリティー公演の「第9」の指揮台... 続きを読む
  • 今年もバッハで聴き初め
    今年のお正月は、娘夫婦と孫のテンコが来ていて、まあにぎやかなこと。孫は二歳になりました。数ヶ月ごとに会っているのですが、体重は重くなるし語彙は増えるし自分で出来ることもどんどん増えていきます。人間ってすごい。この年頃の人にとって、2年という時間はなんと長いのでしょう。それにくらべると、私の2年は?成長どころか老化の一途…さて、ネコパパの聴きぞめは恒例のバッハでした。まずはスザンネ・ラウテンバッハーの... 続きを読む
  • 謹賀新年
    あけましておめでとうございます。昨年も私事、公事、様々なことがあり、多くの方の支えでなんとか過ごすことができました。本年も、自分の人生の足跡を残すとともに、読んでいただいている皆さんに幾分なりとも楽しんでいただけるよう心がけ、マイペースで投稿を続けていきたいと思っています。15年間を親しい隣人として過ごした黒猫ジジが、昨年9月に昇天し孫も二歳を迎えていささかジジイに近づいた私ですが相変わらず「ネコパ... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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