• イッセルシュテット、穏やかさに秘めた深淵
    DECCA《ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団エディション》をきく⑩ 【CD8】ベートーヴェン:交響曲第1&6番~ピエール・モントゥー(指揮) [録音:1960&1958年]/ モントゥーのベートーヴェンは、中高音を中心に、音をたっぷりと鳴らしたスタイルだ。特にこのウィーン・フィルとのセッションでは、各パートのバランスを工夫したり、管楽器のソロを際立たせたりする工夫はあまり目立たない。陽光の下... 続きを読む
  • シュタイン、「余りの2曲」に示した共感
    DECCA《ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団エディション》をきく⑨ 1970年代前半、Deccaレコードは「ウィーン・フィルによるブルックナー交響曲全集」を豪華装丁で発売した。日本でも1975年のウィーン・フィル来日に合わせて発売された記憶がある。指揮者は複数という変則的なものだが、ブルックナーの交響曲全集がほとんどなかった時代で、かなり話題になったはず。「2番、6番という余りの2曲を担当させられた気の毒な... 続きを読む
  • 音大生たちの群像劇
    天にひびき 10巻やまむらはじめ2014.12少年画報社月間ペースで5年間連載された「クラシック音楽もの」漫画が、切りよく10巻で完結。最近の漫画は長く続く連載が多くて、ネコパパにはへこたれます。これくらいの長さがちょうど適当ですね。さて本作は、『のだめカンタービレ』のヒットを受けて描かれた作品。やまむらはじめは、伝奇SFものを得意にする人らしいですが、他の作品は知りません。彼は相当なクラシックファン、オーディ... 続きを読む
  • メディアミックスに忍び寄る、創造力の蟻地獄
    『メディアミックス化する日本』 大塚英志著2014.12イーストプレスイースト新書 907円 「ストーリーメーカー」や「物語消費論」で、現代社会における「物語」の意味について鋭い論考を続けている大塚英志の新刊。今回は、物語論ではなく「メディアミックス」という現象の膨張が社会に引き起こす危機の可能性を問いかける一冊だ。 2014年5月、出版事業などを手がけるKADOKAWAと「ニコニコ動画」などインターネットサ... 続きを読む
  • えっ、年末も散財するの?
    またもや、散財の予感ありのニュースです。毎年夏に行われている丸栄セールが、今年は年末も開催とのことです。これまで年に一度だった催しが二度も開催されるというのは、相当な売り上げが期待できるということでしょうか。当地でもアナログ・ブームが静かに進行しているという感じがします。ネット音源の時代に逆行するこうした現象、もしかしたら失われゆく「形ある文化」への郷愁、あるいは希求の念のあらわれかもしれません。... 続きを読む
  • 名ワルツの来歴を語るドキュメンタリー
    こんな番組がありました。シュトラウス・ファミリーの音楽を、歴史的背景も交えて正面から取り上げたドキュメンタリーというのは、意外と珍しいと思います。製作がフランスのTV局というのも面白い。 先頃ウィーン国立歌劇場音楽監督を辞任したフランツ・ウェルザー・メストのコメントも聞けます。映像はいろいろな素材から取り上げられていて、ヨハン・シュトラウス自身のサイレント動画や、アルフレッド・ヒッチコック監督の... 続きを読む
  • 曲の持つ「至上の美」を引き出したボスコフスキー
    DECCA《ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団エディション》をきく⑧  ウィーン・フィルといえば、欠かせないレパートリーがウィンナ・ワルツ。この64枚BOXでも、5枚の音盤が選ばれている。うち三枚が22年間にわたって収録が続けられたウィリー・ボスコフスキーの指揮による「シュトラウス一家とその周辺の音楽」シリーズに含まれるものだ。これらのレコードは、元旦に開催されるニューイヤー・コンサートに合わせ、... 続きを読む
  • 寒風の中の4人の男
    12月13日、土曜日。この寒さはこの冬一番くらい。にもかかわらず、大須界隈に待ち合わせて音盤あさりを楽しむ中年男たち…大須にはオーディオに強い電気店がいくつもあります。そのひとつ、N無線で恒例のオーディオ企画があり、「お宝」レコード店を経営するDukeさんも出店されるとのこと。これを機会と、bassclef君、チャランさん、sige君、それにネコパパが時刻を合わせて馳せ参じたのでした。チャランさんとsige君は今日が初... 続きを読む
  • 「美味しんぼ」 福島編、刊行
    「美味しんぼ」 単行本で発言の一部変更NHK‎ NEWS  WEB  12月10日 20時13分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141210/t10013879531000.html東京電力福島第一原子力発電所を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す描写などで議論を呼んだ漫画「美味しんぼ」について、小学館は作者と協議したうえで、週刊誌で連載していたときの登場人物の発言の一部を変更した単行本を10日、発売しました。「美味しんぼ」... 続きを読む
  • 広がる“読書ゼロ” ~日本人に何が~
    昨日こんな番組を見ました。「NHKクローズアップ現代」2014年12月10日(水)放送http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3592.html広がる“読書ゼロ” ~日本人に何が~9月、文化庁が衝撃的な調査結果を発表した。調査した2000人のうちおよそ半数(47.5%)が、「1か月に1冊も本を読まない」と回答したのだ。勉学に勤しんでいるはずの大学生でも、40%が1日の読書時間が“ゼロ”という別の調査結果もある。“読書ゼ... 続きを読む
  • あまりに艶やかで、ときにはあまりに迫真の音楽を奏でる男
    DECCA《ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団エディション》をきく⑦ 【CD22】メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」, 劇付随音楽「アタリー」序曲と司祭の戦争行進曲,カンタータ「ワルプルギスの最初の夜」~クリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮)[録音:1976~1979年]/ ウィーン・フィルのメンデルスゾーンは珍しい。「スコットランド交響曲」は、ネコパパの好きな曲なのだが、過去の名指揮者... 続きを読む
  • 前人未到、一世一代の爛熟の響き
    DECCA《ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団エディション》をきく⑥ 【CD30】ドヴォルザーク:交響曲第9番~イシュトヴァーン・ケルテス(指揮)[録音:1961年],ドヴォルザーク:交響曲第9番~キリル・コンドラシン(指揮) [録音:1979年]/ ウィーン・フィルによる二種類の「新世界交響曲」を組み合わせた一枚。ケルテス盤は多くの批評家から賞賛された名高い録音。対するコンドラシン盤は、ソビエトで最も名の知... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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