• きっぱりとリズミカルな、端麗辛口の「田園」
    ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調Op67「運命」第6番ヘ長調Op68「田園」「プロメテウスの創造物」序曲Op43アンタル・ドラティ指揮 ロンドン交響楽団 1962年7月15日~25日録音Mercury Living Presence Box ハンガリー出身の指揮者アンタル・ドラティは、名オーケストラ・ビルダーとして知られた人。切れ味が良く、リズムの明確な演奏スタイルで知られた。彼の芸風は「田園」よりも「第5」の方により生かされる... 続きを読む
  • 安房直子 長新太 桃太郎~研究大会報告③
    10 月 19 日(日)《研究発表》① 「色彩」で描く安房直子のファンタジー大沼郁子(宮城学院女子大学・非) これまで安房作品の「味覚」表現について研究を進めてきたが、今回は味覚から『視覚』特に色彩に観点を移しての研究。「空想と現実との境の、あの微妙に移り変わる虹のような色がたまらなく好き」と述べているように、安房の色彩への関心は強い。特に別世界へ移行する象徴的な「青」の多用については先行研究も... 続きを読む
  • 愛知祝祭管弦楽団のブルックナー
    Sige君と出かけてきました。いろいろな意味で度肝を抜かれた演奏会でした。 愛知祝祭管弦楽団 福島章恭ブルックナープロジェクト2014/10/26(日) 13:30 会場 愛知県芸術劇場コンサートホール プログラム ワーグナー 楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲バッハ 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043*ブルックナー 交響曲第8番(ハース版)指揮:福島章恭*ヴァイオリン 古... 続きを読む
  • 子ども読み物と教科書~研究大会報告②
    10月18日(土) 前回の続きです。大会一日目のクライマックスは「児童文学は専門外」とおっしゃる府川源一郎氏の講演でした。しかし、その言とは裏腹に、明治初頭からの海外の名作の初訳や、教育分野における昔話の位置づけの確立といった、児童文学史上特筆すべき事実を解き明かす画期的な研究でした。私の本業や専門分野とも関連が深く、夢中になって聞きました。 《公開講演会》 14:45~16:30演題:子ども読み物と国語教... 続きを読む
  • 賢治 冒険小説 三国志物語~研究大会報告①
    先週末は、日本児童文学学会第53回全国大会に2日間参加。ネコパパ、頭がくらくらするくらいしっかりと勉強させていただきました。会場は京都女子大学。京都駅からさほど離れていない、東山三条の、山の中腹にあります。博物館三十三間堂の間近です。山の斜面に沿って広大な、歴史を感じさせるキャンパスが広がっています。ここが京都における児童文学研究の中心地なのです。大会の会場となったU校舎は、発達教育学部児童学科を中心... 続きを読む
  • 石井桃子の二冊
    石井桃子『プーと私』(河出書房新社 2014.1.30)石井桃子が初めて日本に紹介したA.A.ミルン「クマのプーさん」やビアトリクス・ポター「ピーター・ラビットのおはなし」をめぐるエピソードをはじめ、海外の子ども図書館事情など、単行本未収録の随筆38篇を収録。流れるように心に入り込み、のびのびとした日本語訳が生まれた「プーさん」に対して、作者の人生に迫り、寄り添うことで、長い時間をかけて訳を完成した「ピ... 続きを読む
  • 京都に勉強に行きます
    今年の児童文学学会研究大会が京都女子大学で行われます。一般参加もOKとのことなので、申し込みをしました。一般会費は2500円、当日払いとのことです。発表内容は、大変魅力的ですし、日本の児童文学研究の最前線の方々のお話を聞けるだけでも貴重です。もしも興味のある方は足をお運びください。当日いきなりでも(多分)大丈夫と思います。詳細はこちら。http://www.jscl.internet.ne.jp/53program1.pdf日本児童文学学会第 53 回... 続きを読む
  • 杜の会レポート②
    休憩、夕食の時間となり、宴席はレコード話中心に盛り上がる。そこに到着したワガママおやじさんに、部屋の空気は明るくなる。杜には欠かせない古株の一人なのだ。夕食後はリビングにセットされたマッキントッシュ・スピーカー中心の、ますます磨きのかかったシステムを駆使して、会が続けられた。まずはワガママおやじさんの一押し。『ポール・サイモン・ソング・ブック』英COL。これは伝説のデュオS&Gの全盛期にサイモンがソロ... 続きを読む
  • 杜の会レポート①
    「洗濯船」オーナー、Mさんの話は「イコライザー・カーブ」から始まった。 生の音楽は、人間の耳に聞こえない部分も含む、広大な音域で響き渡っている。それを、容量に限界のある「レコードの音溝」にきっちり収録するために、技術者たちは工夫を凝らした。原音そのままを収録するには、低域の音圧がありすぎる。そこでそれを抑制し、代わりに高域を持ち上げ、再生時に本来の音のバランスに戻す…そのほか、多くの要因を補正し... 続きを読む
  • ドビュッシー・ソング・ブック
    ネコパパは大のドビュッシー贔屓だが、彼が最も得意な分野である「歌曲」にはなかなかなじみがなかった。もちろん、エリー・アメリング、ジェラール・スゼーが中心となって作られたEMI盤「ドビュッシー歌曲全集」は持っているし、バーバラ・ヘンドリックスがミシェル・ベロフの伴奏で入れた魅力的な一枚や、ドーン・アップショウがジェイムズ・レヴァインと共演した、なかなかに華麗な一枚も、大切に聞いてきた。でも、どこかい... 続きを読む
  • 高野文子、12年ぶりの新作
    9月17日ネコパパは、体調不調回復のリハビリを兼ねて名駅近辺をゆっくりと回遊していた。国際センターで行われている「地球の上に生きる」報道者進展をまず覗き、ほとんどが深刻な様相に覆われた世界の現実を切り取った写真を一枚一枚、見ていった。広河隆一氏が主宰する雑誌『DAYS JAPAN』が毎年開催しているものだ。ネコパパは毎年欠かさず通っている。 映し出された世界は深刻でも、見ている自分の気持ちは不思議と落ち込... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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