光のうつしえ―「記憶の伝達」の行方

2014/06/24         

光のうつしえ―廣島 ヒロシマ 広島朽木祥 講談社2013/10/111,300円(税別)  あれは、誰の灯籠だろう――。またひとつ、赤い灯籠が流された。灯籠を見送っている人に、希未は見覚えがあるような気がした。「悼む」とは、ずっと忘れないで伝えていくということ。中学1年生の希未は、昨年の灯籠流しの夜に、見知らぬ老婦人から年齢を問われる。仏壇の前で涙を流す母。同じ風景ばかりを描く美術教師。ひとりぼっちにな...

日本イギリス児童文学会中部支部例会の開催

2014/06/20         

6月22日(日)地元名古屋でこんな学会が開催されます。 ネコパパも参加しようと思います。興味深いテーマが並んでいますね。 以下、日本イギリス児童文学会のホームページより貼り付け。http://jpenjido.jimdo.com/ 日本イギリス児童文学会中部支部 2014年春の例会  昨秋お亡くなりになりました三浦玲一さん(元中部支部会員)を偲んで「児童文学とジェンダー」で特集を組みました。   三浦玲一さんを偲ぶ会―児童...

記憶せよ、抗議せよ、そして生き延びよ

2014/06/20         

少年口伝隊一九四五 井上ひさしヒラノトシユキ 絵講談社2013/06/25 - 80 ページ 原爆で家族を失った3人の少年、英彦、正夫、勝利は、新聞を発行できなくなった中国新聞社にやとわれ、「口伝隊」の一員として、ニュースを口頭で人々に伝える。そして1か月後、原爆で壊滅した広島を、巨大台風が襲う―。「戦争」「災害」「放射能」の中で、懸命に生きようとした少年たちを描いた井上ひさしの朗読劇を、印象的なイラストと...

リスト&ケンジントン

2014/06/19         

名古屋市名東区のオーディオ店SPでは、メーカーの協力で、新製品の「試聴会」が不定期に開催されている。ネコパパは、時々出かけている。高価な機材を揃えようとは夢にも思わないが、再生装置の奏でる「よい音」というものは体験してみたい。好奇心があるのだ。こういう客は、店にとっては大迷惑かもしれない。でもせっかく空席があるのだから…という言い訳で、聴かせてもらうわけです。最近、続けてスピーカーの名品が聴けたので...

懐だけが残る

2014/06/17         

フィルハーモニカー・ウィーン・名古屋 第2回演奏会 2014年6月15日(日)開場13:00 開演13:30愛知県芸術劇場コンサートホール プログラム           ヨハン・シュトラウスⅡ行進曲「フランツ・ヨーゼフ皇帝万歳!」作品126芸術家のカドリーユ 作品201皇帝円舞曲 作品437 アントン・ブルックナー交響曲第8番 ハ短調 WAB108(1939年第2稿ハース版)&...

文学の集い、同日開催

2014/06/13         

6月7日、母校愛知大学で二つの集会が開催されました。朝から出かけてきました。 平成26(2014)年度 愛知大学国文学会 日時:平成26年6月7日(土)11:00~13:00 場所:愛知大学豊橋校舎 研究館1階 第1・2会議室次第◆会長挨拶   黒柳孝夫(愛知大学短期大学部 教授)◆研究発表   新任者講演  空井伸一(愛知大学文学部 准教授)・井原西鶴『武家義理物語』第六巻の二~左の腕を断つ話「表向きは夫婦の中垣」...

児童文学の旗手、古田足日氏を悼む

2014/06/10         

児童文学者の古田足日がなくなった。日本の現代児童文学の方向性のひとつを決めた「少年文学宣言」の起草者の一人にして、近代童話伝統のあり方に疑問を投げかけた歴史的な評論「さよなら未明」の筆者である。一般に知られているのは…『おしいれのぼうけん』の作者として、だろうか。先日、古田の近著『現代児童文学を問い続けて』(くろしお出版2011.11)を、私は、やっとのことで読み終えた。熱い文章だった。若き日から変わらな...

サイモン・ラトルの田園①「伸縮自在」の背後に醒めた眼が…

2014/06/04         

ベートーヴェン交響曲第4番交響曲第6番「田園」サイモン・ラトル指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団録音2002年5月ムジークフェラインザール、ウィーンEMiクラシックス サイモン・ラトルというと、すぐ頭に浮かぶのは、1987年6月、NHKで放送された来日公演における彼の服装。燕尾服の上着の下に着用していた、真っ赤な腹巻き(カマーバンド)。当時32歳、鼠を思わせる当時の呼び名「ラットル」と、ちりちりに膨れ上...

「きりひと賛歌」には14箇所の削除があった

2014/06/02         

「美味しんぼ」論議に関連して、次のような記事が週刊誌に掲載された。1971年の話だから、もう43年前の出来事。しかし、こちらも舞台となったのは、「美味しんぼ」と同じ出版社から出ている雑誌だ。その作品は、傑作として名高い手塚治虫『きりひと賛歌』。手塚が、連載作品を単行本化する場合、相当の手を加えるのが常だったことは、ファンにはよく知られている。しかし『きりひと賛歌』の件は、私はまったく知らなかった。以下、...