カザルスの貴重なバッハ演奏

2011/08/30         

パブロ・カザルスのバッハ、無伴奏チェロ組曲といえば、私にとって宝物の一枚。 カザルスは毎朝、儀式のように、一曲ずつこの曲を演奏することから、一日の生活を始めたという。生涯、数え切れないほどの回数、全曲演奏をしていたことになる。しかし、私たちが普通聴けるのは、ただ一種類の演奏。戦前、1936年から38年にかけてEMIに録音された、名高いSP復刻盤だけだ。 なぜなら、この頑固な共和主義のチェリ...

ブラームスリングシンフォニカ演奏会

2011/08/29         

Aさんの誘いで出かけた。ブラームスだけという、地味なプログラムのコンサートだ。特に『アルト・ラブソディ』名指揮者、名歌手による数々の録音で知られる曲だが管弦楽、アルト独唱、男声合唱という珍しい編成のため、演奏会ではめったに取り上げられないようだ。でも、この日の曲目では最高の聴きものだった。ディスクではしばしば耳にしているものの、渋くてつかみどころのない音楽と感じていた。それが、実際に演奏に接してみ...

展示会「日本の子どもの文学」③

2011/08/28         

国立国会図書館・国際子ども図書館で開催中の企画「日本の子どもの文学」について、冊子(解説パネル)に従って検証を続ける。第3章。現代児童文学の出発点、1959年以降の文学史は、「ファンタジー」「リアリズム」の二観点ではまとめきれない多様性を持っているが本展示会では1980年の『ぼくらは海で』をひとつの展開点におこうとしている。これは、宮川健郎、石井直人各氏の論考を中心に問いかけられた提案だが、本作品...

エヴァ劇場版「破」テレビ版

2011/08/28         

テレビ放送の録画で見ました。『新世紀エヴァンゲリオン』は旧テレビシリーズから見続けていますが、この映画版は完全リメイク版のようです。ヱヴァンゲリヲン新劇場版 破文字が一部変わっているとおり、内容も登場人物も新設定が見られますが、基本的な世界観は変わっていないのではないか。完結してみないとそこは分かりませんが…絵の精度は、たしかに向上している。動きが一層緻密で、アクション場面の緻密さは特に凄いただ、...

展示会「日本の子どもの文学」②

2011/08/25         

国立国会図書館・国際子ども図書館で開催中の企画「日本の子どもの文学」について、冊子(解説パネル)に従って検証を続ける。第2章。戦後すぐの時期、多くの童話雑誌が一気に創刊された(「赤とんぼ」「子どもの広場」「銀河」など)ものの、子どもの本の活性化には至らず現代児童文学の始まりは、早稲田大学のサークル、早大少年文学会による『少年文学宣言』の時代、1950年代後半に持ち越されたとされる。しかし終戦から5...

ブロムシュテットのドヴォルザーク第8

2011/08/23         

やっと見つけた。これこそ、指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットの魅力を最高に伝えるディスクだ。モーツァルト:交響曲第35番ニ長調K.385『ハフナー』 ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調Op.88ヘルベルト・ブロムシュテット指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団■録音時期:2005年11月3-5日(ライヴ)■録音場所:テルアビブ、マン・オーディトリアム■レーベル:ヘリコーン HEL029638http://www.hmv.co.jp/product/detai...

大鹿村騒動記

2011/08/21         

映画の話をもうひとつ。これは、「コクリコ坂」と違って、見るのにちょっと苦労した。いつものシネコンで見ようと思っていたら、いつのまにか終わっていて、なんとか駅前の上映館をみつけたものの、一日一回、夜の上映という悪条件での公開だったのだ。主演の原田芳夫は先月亡くなり、これが最後の映画となった。数年前の『父と暮らせば』の名演技が記憶に焼き付いていたので、アヤママともどもぜひ見ようと決めていたのだ。すごい...

展示会「日本の子どもの文学」①

2011/08/21         

「はじめに」さっそく疑問点にぶち当たる。この序言では、本格的な子どもの文学が生まれたのは『こがね丸』から、という受け止め方がされかねない。たしかにそれは以前定説とされていたことである。しかし、現在の児童文学研究は、『こがね丸』の前年の明治23年刊、三輪弘忠著『少年之玉』があったことを明らかにしている。これは子どもを読者対象とした、リアリズムの創作児童文学である。名古屋の出版社からのローカルな本であ...

コクリコ坂から

2011/08/21         

夏休みに見に行った映画の話。まずは、恒例のスタジオジブリ作品。昨年の『借り暮らしのアリエッティ』が、児童文学の傑作を題材にして好感度の高い作品作りをしていたので、期待はしていた。心配は、『ゲド戦記』で疑問点の多い映画作りをしてしまった、宮崎吾朗が監督を務めること。しかし、再度挑戦する以上は、それだけの自信と覚悟はあるのだろう。ならば、先入観抜きでじっくりと見せてもらいましょう…そんなつもりで、出か...

国際子ども図書館訪問

2011/08/20         

7月26日。東京・上野にある国立国会図書館・国際子ども図書館に出かける。http://www.kodomo.go.jp/index.htmlこの図書館は、国立国会図書館から、児童書関係を独立させたもので、研究資料の保管・閲覧を目的としたもの。資料は基本的に閉架式で、中心となる文献は2階にあり、利用者はパソコンで目的の資料を検索して書庫から出してもらうことになる。貸し出しはなし。国会図書館本館と基本は同じである。   1階は子ども...