大晦日は第九

2010/12/31         

年末といえばベートーヴェン。「第九交響曲」である。 NHKでは2006年に製作されたイギリス映画『敬愛なるベートーヴェン』を放送。「第九」の作曲過程や初演シーンの含まれた作品で、まさにタイムリーというのだろう。ただし主人公は、しかつめらしい作曲家ではない。彼に雇われた、うら若き女性の「写譜師」である。この人は架空の人物ということだが、リアリティは少しも損なわれていない。  1824年のウィーン。“...

黒い心と白い心

2010/12/28         

以前このブログでも取り上げた評論家、小倉千加子は、物故した絵本作家、佐野洋子と親しかったらしい。『週刊朝日』に連載しているエッセイ『お代は見てのお帰りに』で、このところ佐野の晩年の生活を続けて取り上げている。 断続的にしか読んではいないのだが佐野洋子の交友関係や家族とのかかわり個性的な人だった彼女が、かかわった人々と諍いや摩擦を繰り返し、孤独を深めるばかりだったという生活ぶりを、丹念に記述して...

クリスマスの夜のジャズ

2010/12/27         

「自分で歌っていても、感動するの。なんてすばらしい歌なんでしょう。歌うのは難しいのだけれど…」 たてつづけ、8曲の熱唱のあと、心の火照りも冷めやらぬ表情で語るのは、ジャズシンガーのYさん。ここは豊橋、夜8時。ココニコ広場で開かれたのクリスマス・ジャズコンサート直後の会話でした。その歌は『虹の彼方に』。映画『オズの魔法使い』のテーマ曲として作られた有名なバラード曲です。通常省略されることが多いヴァー...

パーカーの壮絶

2010/12/21         

えっ、これが一枚999円?名古屋駅前の塔音盤店で目にして、衝動買いしてしまった。  もう何十年前になるのか…これは、大学時代、sige君の下宿でソニーのオープンデッキTC263Dで初めて聴かせてもらった、懐かしい音源のひとつ。名盤として名高い録音、ということはジャズに疎い私でも知っていた。別テイクも含め、一曲残らず収録した高価なLPボックスセットが発売されていて、それが良く売れているということも。 し...

ウィーンフィルのニューイヤー、メスト登場

2010/12/19         

ウィーン・フィル恒例のニュー・イヤー・コンサート2011年のプログラムが発表された。すでにCDのアルバム・デザインも決まっているようだ。 指揮:フランツ・ウェルザー・メスト演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 -1部-騎兵行進曲 作品428(ヨハン・シュトラウス)ワルツ「ドナウ川の乙女」作品427(ヨハン・シュトラウス)アマゾン・ポルカ 作品9(ヨハン・シュトラウス)デビュー・カドリーユ 作品2(...

音質一新と呼ぶにふさわしい

2010/12/16         

オーディオメーカー、エソテリックが企画しているSACDシリーズ。SACDという媒体とは無縁と思われていたEMI録音だったので、音質向上を期待して入手した。価格は一枚3300円と、ちょっと高い。オーディオショップのみの販売で、ポイント特典も使えない。しかし、一度耳にすると…「音質一新」というのは、こういうことを言うのかな。それで、ついつい手が出てしまう。装丁もお洒落だし。メーカーの術策にはまっているのだ。  &nb...

シューリヒトのベートーヴェン交響曲全集

2010/12/15         

シューリヒトのベートーヴェン:交響曲全集(5CD)  カール・シューリヒト、この指揮者の名を聞くだけで、無条件にすばらしい音楽への期待感が湧き上がる。そこにまたまたこんなセットが…。http://www.hmv.co.jp/product/detail/3952742 既出の寄せ集めだろう、と思いながらも入手してみると…。意外にも、初めて聴くものがある。3曲もある。『第2』『第3』『第5』だ。 CD1・交響曲第1番(ベルリン市立...

データが生きて語りだす

2010/12/14         

「クラシックジャーナル」(アルファベータ)編集長、中川右介の新刊。 http://www.amazon.co.jp/dp/4413042980彼の著作は「データに語らせる」ことで一貫していて、声高に持論を語る姿勢は持ち合わせていない。文章も、単なる事実の羅列ではないか、と思われるほど、そっけない。なのに、一気に読みとおしてしまう面白さがある。編集者としての鋭い嗅覚が、多くのデータの中から「売れる情報」を見出し、それを新しい視点で「...

「イソップ寓話」をめぐって

2010/12/13         

児童文学学会では<ラウンドテーブル>と題する発表が設定されていました。聞きなれない術語です。ウィキペディアで確認してみると ラウンドテーブル(Round Table)とは英語で円卓のこと。転じて以下のように使われる。①   円卓会議 - 数人による小規模な会合のこと。あるいは、出席者に明確な序列を定めない会議の事。東欧民主化の頃に東欧各国で行われた。②   特にマスコミの世界では、取...

崩壊感は人を崩壊させない~チェット・ベイカー

2010/12/12         

トランペットの芸術THE TRUMPET ARTISTRY OF CHET BAKER1アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユーI'M GLAD THERE IS YOU2ムーン・ラヴMOON LOVE3ムーンライト・ビカムズ・ユーMOONLIGHT BECOMES YOU4イマジネーションIMAGINATION5リトル・マン・ユーヴ・ハッド・ア・ビジー・デイLITTLE MAN YOU'VE HAD A BUSY DAY6グッドバイGOODBYE7オール・ザ・シングス・ユー・アーALL THE THINGS YOU ARE8ノー・タイズNO TIES9ハッピー・...