• 年末の贅沢
    12月某日。娘・店長、息子・銀鼠君、帰省。そこへ、友人のsige君とemo君も来訪。にぎやかな年末だ。年よりくさい言い方だが、雑談、音楽談に、大いに笑って年を越せるという幸福。注文しておいた音響機器が、ちょうどその日に届いたのも幸運だ。ここ数カ月、アナログ再生に不調続きだったプリメインアンプ。安物買いを旨とする私にしては、ちょっとだけ贅沢をしてしまった。エージングで本当の音が出てくるのは、まだまだこれから... 続きを読む
  • 獣の奏者考⑤アニメ作品、最終回に
    テレビアニメ『獣の奏者エリン』が最終回を迎えた。第50回。近年まれな、息の長いアニメ作品。それもファンタジー児童文学の新作がほぼ原作通りに映像化され、水準を落とさずに完結したことは大きな意味のある出来事だった。これによって、原作自体の構想も拡大し、全四巻の作品となったことも重要だ。アニメ開始当時は刊行されていなかった後半二巻の内容が、この最終回には、生かされている。「現在進行中」の物語として、小説... 続きを読む
  • 冬のジャズ①バラード/ジョン・コルトレーン
    『真夏の夜のジャズ』という映画のイメージが強いせいか ジャズというと夏の風物詩になっているようだ。 しかし、私の感じるジャズのイメージはもっとずっと内向的。季節でいえば秋や冬。この冬は、 大切な友に続いて、 職場でも不幸があった。まさかというほどの、一瞬で失われた命だった。どういうことだろう。 心に、胸に、というよりは、自分の存在そのものに圧縮された時間や空気の圧迫がかかるような そんな気分の毎日が続い... 続きを読む
  • 亡き友と聴いた曲⑥フォーレのレクイエム
    もしも、この曲を知らなかったとしたら…人生、どれだけ大きな損失だっただろう。そう思わせる音楽がある。これも、そのひとつ。人生に、安息のひとときをもたらす音楽。フォーレ:レクイエムOP.48第1曲 イントロイトゥスとキリエ第2曲 オッフェルトリウム第3曲 サンクトゥス第4曲 ピエ・イェズ第5曲 アニュス・デイ第6曲 リベラ・メ第7曲 イン・パラディスム■アンドレ・.クリュイタンス指揮■サン・トゥスタッシュ聖歌隊および管弦... 続きを読む
  • 亡き友と聴いた曲⑤マイ・フェア・レディ
    亡き友の家で、初めてジャズという音楽を、意識して聴いた。あの名盤である。マイ・フェア・レディ/シェリー・マン1.教会に間に合うように行ってくれ2.きみ住む街で3.アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ハー・フェイス4.そうなったら素敵5.アスコット・ガボット 6.ショー・ミー 7.ちょっぴり幸せ8.一晩中踊れたら■アンドレ・プレヴィン(ピアノ)ルロイ・ヴィネガー(ベース)シェリー・マン(ドラムス)■Contemporary■Rec... 続きを読む
  • 亡き友と聴いた曲④くるみ割り人形
    12月になると思い出す音楽のひとつが、チャイコフスキーの『くるみ割り人形』。クリスマスを題材にしたバレエ音楽である。これも、亡き友の自宅ではじめて「全曲」を耳にしたもの。季節は、やはり冬の頃だっただろうか。自慢げに見せてくれたダブル・ジャケットの二枚組LPアルバムには、ピンクも鮮やかなイラストが描かれていて、聴く前から音楽の楽しさ、多彩さが伝わってくる。描いたのは、EMI盤のジャケットをいくつも手が... 続きを読む
  • カールじいさんの空飛ぶ家~UP
    『カールじいさんの空飛ぶ家』(原題:UP)■2009年公開■監督ピート・ドクター ボブ・ピーターソン■製作総指揮アンドリュー・スタントン ジョン・ラセター■製作ジョナス・リベラ■脚本ボブ・ピーターソン ロニー・デル・カルメン■音楽マイケル・ジアッチーノ■配給ウォルト・ディズニー・スタジオディズニー映画を映画館に見に行った。いったい何年ぶりだろうか。「異色の傑作」とのこと。娘・店長の薦めもあり、時間も空いていた... 続きを読む
  • 亡き友と聴いた曲③春の祭典
    友人宅を訪ねて、最初に聞かせてもらった曲ではないだろうか。「この曲、知らないの?そりゃまずいよ」などといいながら、君はなんとも不思議なジャケットからレコードを取り出した。九つに分割されたイラストに、雲上から植物のような、不可思議なものが生成していくイメージが描かれている。最初に聞こえてきたのはファゴットの高音のロングトーン。続く低音の地響きのような鼓動。たちまち部屋はすさまじいリズムの連続に、飲み... 続きを読む
  • 亡き友と聴いた曲②ボレロ
    中学生のとき、この曲は音楽の鑑賞曲に入っていた。どんな曲だろうと思い、授業時間の前に聴いてやろうと、17センチ盤を手に入れた。シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団の演奏だった。RCA録音。定価700円。小さいながら、しっかりした見開きジャケットに入っていたはずだ。しかし…たるかった。同じメロディが、同じリズムに乗って延々と続く。二面に渡って収録されていたのだが、レコードを裏返して針を落とすと、またもや... 続きを読む
  • 亡き友と聴いた曲①ブーレーズの「海」
    この曲の面白さを教えてくれた懐かしいレコード。亡き友人宅の、一体型「ステレオ」できかせてもらったのがこれだった。当時私の持っていたのはアンセルメ盤一枚。まだまだ、愛聴曲にはなっていなかった。アンセルメ盤を聴いて友人は「ずいぶん下手糞だなあ。一曲目の終わりにのトランペットなんて、これは変だよ」と言っていたように思う。のちに彼もアンセルメ盤を購入するのだが、それを聴いて私は仰天することになる。いや、こ... 続きを読む
  • 友、逝く
    高校時代からの大切な友が亡くなったとの知らせを受け取った。実感がなかった。それから三日。頭から離れない。彼はずっと東京の住人で年賀状以外連絡をとらない年月がずいぶん続いてしまった娘も東京に就職したこともあり、そろそろ旧交を温めようかと思っていたところだったいつでも会えるさと思ったきりまさかこんなことになるとは…お互いの家に入り浸り、話しこみ、趣味を共有できた稀な友であった。自分は自分でできているの... 続きを読む
  • 音質はなかなか、でも…
    ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98 録音:1952年 スイス・ロマンド放送バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067  録音:1955年 スイス・ロマンド放送■アンドレ・ペパン(フルート)■スイス・ロマンド管弦楽団■カール・シューリヒト(指揮)■VEL3133■スイスCascavelle■2009年11月音質のよさばかりが宣伝されていたので、内容はいまいちなのか?ちょっと気がかり。でもシューリヒトの未発表録音となれば、買わずばなるまい。音はす... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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