のだめ、完結

2009/11/29         

クラシック音楽を題材にしたラブコメディとして、延々8年にわたって連載された作品。絵柄は実にシンプルで、泥臭さや癖が感じられず、多くの人に安心して受け入れられるだろう。そして、この種の音楽漫画では、ありがちな「ライバル同志の闘争」に流れないし、なおざりにされやすい楽器の描写や、音楽史、音楽作品の考証がていねいになされていることもいい。曲目の選択も凝っている。クラシックファンの私、ネコパパが、大喜びで...

指揮者ベストランキング2009

2009/11/22         

最近のレコ芸は、表紙が素晴らしいね。思わずジャケ買いだよ。今月号の特集は豪勢!従来は増刊号ムック『指揮者のすべて』でやられていた企画だ。それが何故通常号に?全体を斜め読みすればわかる。この雑誌のメインである、レコード批評のページが近頃激減し、特集ページで埋めるしかなくなったからだ。新譜の減少である。本誌対談で諸石幸生氏が思わず漏らしている。>ある意味で“レコード芸術”というものがなくなりつつあります...

獣の奏者考④

2009/11/22         

4 成長物語~エリンの“伝記”初めに余談。放送中のアニメ『獣の奏者エリン』、毎週楽しみに見ている。ストーリーもクライマックスに近く、緊迫の回が続いている。昨日放送の第45話は、イアルが真王の甥で、陰謀の根源であるダミアの罠にはまり、毒入りの飲料(ハラク)を飲まされる箇所だ。ここは原作にもある緊迫の場面である。このアニメ作品の良さは、原作通りの場面では、状況や台詞がほとんど変更なく、忠実に作られているこ...

ワルターの田園③迫真のフィラデルフィア盤

2009/11/21         

■ブルーノ・ワルター指揮フィラデルフィア管弦楽団■米コロムビア 現ソニークラシカル原盤■1946.1.10~12録音 フィラデルフィア、アカデミー・オブ・ミュージックにて■ユナイテッド・アーカイヴズ UAR019この録音は、あまり評価されてこなかった。今でも、たぶん。宇野功芳『ブルーノ・ワルター』でも、>本来のワルターの姿ではないと、評されている。発売状況も、その評判を反映しているようだ。CDも、本家ソニーからは、...

『獣の奏者』考③

2009/11/18         

3 ひらかれた世界観1,2巻の発売から三年後の2009年8月、続編2巻が刊行された。III 探求編  IV 完結編である。その物語を、ネタバレにならないよう気をつけて紹介する。第2巻の結末から11年後。教導師エリンは、大公の重臣ヨハルに護衛されてある闘蛇衆の村にやってくる。母ソヨンの死を招いた最強の闘蛇「牙」の大量死がまたも起き、エリンは、原因の調査を命じられたのだ。原因には、闘蛇の繁殖を制限し、過去の惨事の再...

『獣の奏者』考②

2009/11/17         

2 根拠はどこに?少年時代、私は怪獣マニアで、円谷プロ制作のテレビ番組『ウルトラQ』『ウルトラマン』、そして『ゴジラ』に始まる東宝特撮映画に夢中だった。 ところで、この『怪獣』が活躍するジャンルは何か。 まあSFの一種かな、と当時の私は思っていた。けれど、別の考え方もできる。海野弘『ファンタジー文学案内』(ポプラ社)からの孫引きだが、イギリスの児童文学者キャサリン・ブリッグスは、妖精物語(フェアリーテ...

『獣の奏者』考①

2009/11/15         

「決して人に馴れぬ孤高の獣と、それに向かって竪琴を奏でる少女」ということつのシーンから発想されたという『獣の奏者』は、「I 闘蛇編」「II 王獣編」「III 探求編」「IV 完結編」の全4巻の長編となって2009年の夏に完結した。「守り人シリーズ」に続く上橋菜穂子の大作である。舞台は「リョザ神王国」と呼ばれる異世界の王国。この国は「闘蛇」と呼ばれる巨大生物を乗りこなす「闘蛇衆」と呼ばれる軍勢によって外敵から防衛さ...

広上淳一、名指揮!

2009/11/15         

久しぶりの名フィル。指揮は広上淳一、すばらしい。感動的だったのは、メインに持ってきた『ペール・ギュント』組曲全曲。中学生のころから大好きな曲だ。小学校教員時代、五年生の学年劇をやるときに、組曲に含まれている『ソルヴェイグの歌』をテーマ曲にしたことがあるくらいである。でも、どちらかと言えば「レコード名曲」かな。劇の伴奏音楽を組曲に仕立てたもので、メロディー主体の、短い曲の集まり。曲想は第一曲『朝』の...

ワルターの田園② 不滅の第2楽章 

2009/11/12         

■指揮: ブルーノ・ワルター■ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団■録音1936.12.5 ■ウィーン、ムジークフェラインザール■CD OPUS蔵 2001/12/20発売  OPK 2021 EMI原盤京都、出町柳にある名曲喫茶の老舗、R堂に、赤地に金の麦穂をあしらったデザインのSPアルバムが鎮座している。かの有名なワルターの「田園」だ。これを上等の蓄音機で聴いたら、いったいどんな音がするのだろう?このSP録音、戦前世代の思い入れは相当なもの...

お金はこわい

2009/11/07         

ペチューニアのたからもの■ロジャー・デュボアザン■乾 侑美子 訳■1998.9初版 原著1975■童話屋出版表紙は、お金の池に浮かんですましている、ガチョウのペチューニア。お金は、きらきら輝くシャワーのようにどんどん降ってくるのです。そういえば、「鉄腕アトム」にも、金貨のお風呂に入るのが大好きな悪人の出てくる話があった。「ロボット爆弾の巻」だったかな…ある日、池の底で「宝物の入った箱」らしきものを見つけた...