• 真夜中の大時計の音
    ■Thelonious Monk (Solo On Vogue)■Thelonious Monk ,piano■1954.6.7■Vogue1.ラウンド・アバウト・ミッドナイト 2.エヴィデンス 3.煙が目にしみる 4.ウェル・ユー・ニードント 5.リフレクションズ 6.ウィ・シー 7.エロネル 8.オフ・マイナー 9.ハッケンサック 学生時代、bassclef君の自宅で聴かせてもらい、強く深く、印象に残った一枚。社会人五年目の冬に購入したのが上掲のLP。ジャケットはまったく見覚えのないもので、これ... 続きを読む
  • 二十面相の愛唱詩
    テレビアニメ『二十面相の娘』で、またも本の話題が。ポール・エリュアールの詩が物語のなぞを解く鍵として使われているのだ。原作にはない設定とのことであるが、スタッフの洗練された文学趣味に驚かされる。ポール・エリュアール(Paul Éluard、本名Eugène Grindel、1895年12月14日 - 1952年11月18日)は、フランスのシュルレアリスム派の詩人。一連のシュールレアリスム運動で産出された内最高の詩人とも言える。 ... 続きを読む
  • リュートさざめく水面にも似て…
    ■家守綺譚(いえもりきたん)■梨木香歩■四六判変型 ■158ページ ■ISBN  978-4-10-429903■発売日 2004/01/30■新潮社 梨木香歩の文体について、こんな風に評する人がいる。「リュートを奏でるようなその文体は読むものを清冽な覚醒へと誘う」児童文学評論家・翻訳家の清水眞砂子である。(『春になったら苺を摘みに』新潮文庫版解説)リュートはルネサンス期、ヨーロッパのほとんどの国で愛用さた撥弦楽器。その名は「木」を意味するアラ... 続きを読む
  • 漆黒の夜に響くアンサンブル
    ■California Concerts Volume1 Gerry Mulligan■Gerry Mulligan,balitone sax.piano  Jon Eardley,trumpet  Red Mitchell,bass  Chico Hamilton,drums■1954.11.12■PACIFIC JAZZ1 BLUES GOING UP2 LITTLE GIRL BLUE3 PIANO BLUES4 YARDBIRD SUITE5 BLUES FOR TINY6 SOFT SHOU7 MAIKIN`WHOOPEE8 DARN THAT DREAM9 ONTET10 A BARK FOR BARKSDALEパシフィック・レコードの10インチ盤第一号は『ジェリー・マリガン・カルテット』、1... 続きを読む
  • 結晶化されたセクステット
    ■『1958 Miles』Miles Davis■ Mar 4, 1958 - May 26, 1958 ※October 26, 1955 ■Miles Davis(tp) John Coltraine(ts), Julian Cannonball Adderley(as), Bill Evans(p), Paul Chambers(b), Jimmy Cobb(dms) ※Red Garland(p), Philly Joe Jones(dms) ■米COLUMBIA(CBS-SONY)1.On Green Dolphin Street2.Fran-Dance3.Stella by Starlight4.Love For Sale5.Little Melonae※エヴァンスの流れるようなピアノの序奏に続いて、マイルスの... 続きを読む
  • ワニがリズムを取るひととき
    ■Everybody Likes Hampton Hawes Vol.3:The Trio / Hampton Hawes■Hampton Hawes (p)Red Mitchell (b)Chuck Thompson (ds)■1956.1.25録音■contemporary ①Somebody Loves Me ②The Sermon ③Embraceable You ④I Remember You ⑤Night In Tunisia ⑥Lover,Come Back To Me! ⑦Polka Dots And Moonbeams ⑧Billy Boy ⑨Body And Soul ⑩Coolin' The Blues 私がレッド・ミッチェルという名を知った初めての一枚。一曲目Somebody Loves Me ... 続きを読む
  • 熟成のジャズを聴く
    大学時代の同期生bassclef君宅へ、友人shige君とともに訪問。三十年ぶりにゆっくりと歓談。bassclef君は「夢見るレコード」という素敵なブログを運営している、ジャズをこよなく愛し、奏でる夢見るべーシストである。私は大学時代、shige君やbassclef君のおかげでジャズという音楽の魅力を知ることができた。それは私の人生にとってとてもおおきな事件であった。bassclef君の自室には五千枚になろうとするアナログ盤が並び、彼は... 続きを読む
  • コンサートホール二題~ミューザ川崎シンフォニーホール
    ■高橋敦指揮 ジャパンフレンドシップフィルハーモニック音楽會■日時:2008年08月10日(日) 12:50開場13:30開演 《全席指定》■場所:ミューザ川崎シンフォニーホールここは日本有数の音響効果の良いホールとのこと。各種サイトでそのうわさを聞き、一度は訪れてみたいと思っていた。ホールは川崎駅に隣接しており、アクセスは便利な場所である。このオーケストラは神奈川大学、早稲田大学等の大学オーケストラのメンバーを中心に、... 続きを読む
  • コンサートホール二題~京都コンサートホール
    コンサートホールの話題、一つ目。7月26日、京都コンサートホールで演奏会を聞く。よい響きの音楽専用ホールがなかった京都に、ついに1995年に完成した質の高いホールということで、ぜひ聴いてみたいと思っていた。京都市音楽高校オーケストラの演奏会。かつては堀川高校と呼ばれ、日本唯一の市立の音楽高校という。日本のプロオーケストラに多くの卒業生が在籍、当夜のコンサートにもNHK交響楽団や新日本フィルハーモニーの団... 続きを読む
  • 京都古ビル 時を超える散歩
    7月某日。別掲の池澤夏樹講演会に出向いた際に、京都の古ビルを散策。京都は神社仏閣 日本古式の町並みも美しいが、昭和初期の洋風建築もよく保存され 活用されている。空襲を免れたのは古刹ばかりではなかった。烏丸御池。京都国際マンガミュージアムは旧御池小学校の校舎を転用したもの。もう何度も出かけている。展示室や資料室は博物館として現代感覚で構築されているが、紙芝居を毎日実演する教室や、校長室、各階への階段... 続きを読む
  • 結界透き通る日
    8月半ばとなり、今日は集合の日。家族親族が行き交う日々である。まずは数日前、京都から息子が到着。今日は娘が東京から。おとといはフランス、パリから帰国してしばらく実家に滞在していた従兄弟から、まもなく出国との電話があり、あすはスウェーデン、エーテボリに夫君の仕事のため在住の妹が実家滞在を終えて出国。お互いに何気なく談笑している時間は、つかの間ではあるが、今ここにこうして、居るのが当たり前のように感じ... 続きを読む
  • アトミック・インディふたたび
    8月号の「キネマ旬報」で、以前記事にした『インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国』における核実験の扱いについて興味深い批評が掲載されていた。「大高宏雄のファイトシネクラブ」という連載コラムで、該当号のタイトルは「インディー・ジョーンズと核爆発」である。以下、部分引用。…本作を語る上で避けて通れない問題がある。前半部分で、米ネバダ州の軍事施設内で核爆発が起こる。明らかに被爆したジョーンズだったが... 続きを読む
  • やっぱり夢も希望もほしいのです 別府章子さんの話③
    ★『守り人』シリーズ刊行時期におけるハリー・ポッターの影響について『精霊の守り人』はハリーよりも1年速い刊行。初版は五千で、偕成者としても決して多い冊数ではない。読者も、熱心な読者はいたが、動きは今ひとつ。でも三冊までは出そうという計画はありました。ハリーポッターのブームの頃には企画はできていました。なので基本的に影響は受けていないわけです。しかし、その後刊行が遅れたのは、挿絵の二木真希子さんの本業... 続きを読む
  • 守り人シリーズの周辺 別府章子さんの話②
    ★ネット時代の出版スタイルを作った『守り人』『精霊の守り人』の出版は1996年。上橋さんとしては二作目『月の森にカミよ眠れ』に続く第三作になる。守り人シリーズはネット時代の作家の先駆となる特殊なケースになった。上橋さんは原稿用紙ではなく最初から46字×16行のページ割どおりに入稿。次のページに期待を持たせる「めくる効果」も計算されていた。まず一気に書き、かなり大幅に手が入る。話もまったく変わることがある。そ... 続きを読む
  • 児童書を作る 別府章子さんの話①
    8月2日名古屋の読書運動推進の団体「名古屋図書館の学校」が企画した第一回のフォーラムに参加。場所は、名古屋女性会館視聴覚室。参加者は50人ほどであった。メインは偕成社編集部長 別府章子さんの講演である。以下、講演メモ。★編集者として編集者の仕事について30年になる。早稲田仏文卒。「にんじん」「まむしを手に」に触発され子どもと本の領域に踏み込む。両作品は「子どもと親の戦い」を描いたもの。これをテーマに卒業... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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