生きるための学問

2008/06/23         

6月某日出身大学で開催された国文学会に出席する。私にとって年に一度の楽しみな場。名鉄電車に乗りいそいそと豊橋まで出かけていく。卒業以来、できるかぎり都合をつけて参加しており、唯一の母校とのつながりなのだが、この学生気分が楽しみなのだ。在学時お世話になった教授陣の多くが、元気で研究活動を続けておられるのも心強さのかぎりである。学会の内容は教員、院生、卒業生取り混ぜての個人研究の発表が主体。一時期 テ...

魂のクレシェンド

2008/06/17         

シューマン:チェロ協奏曲 op.129ドヴォルザーク:森の静けさ op.68-5ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 op.104   Victor / VICC-60654 マルチェロ・ロタ指揮 チェコ・ナショナル交響楽団2007年6月14、15 & 17日 プラハ CNSOスタジオにて録音 チェリスト、長谷川陽子さんの久々の新譜がリリースされた。期待通りの個性的な演奏に感銘を受け、大胆にも長谷川さんのブログにコメントを送ってしまった。以下はその引用。長年クラシ...

生きのびたなら、命を謳歌する歌を

2008/06/12         

5月18日に中国四川大地震について一文を書いた。それからもう一月がたとうとしている。時のたつことの速さ。新聞には東京 秋葉原での通り魔惨事の記事で埋まり、(これはこれで娘が東京で生活している父親として他人事ではないが)現状回復の見込みなく困難な生活を続けている四川の人々の記事は数えるほどだ。記事を書いた後、がま口弘美さんからはとてもあたたかいメールをいただき、人と人がつながり支えあうことの途方もない価...

ハラハラとドキドキはどう違うか~高畑監督の話(3)

2008/06/11         

高畑勲監督の講演メモを続ける。日本では外交官が育っていないのではないか。先日のクラスター爆弾廃止決定のイニシアティブをとったのは、ノルウェーだった。反対国を説得し、意志を逆転させる。すごい外交手腕である。日本の外交官は顔見世外交だ。日和見しかできない。心の教育では育たないのだ。1992年にフランスに行った。子どもたちに映画を見てもらい、感想を聞いた。感想といっても文書によるもの。感想文というものを...

ハラハラとドキドキはどう違うか~高畑監督の話(2)

2008/06/10         

高畑監督の講演メモを続ける。「笑い」はちょっと引いていなければ生まれない。古典的な例だが、路上のバナナの皮。人が転ぶのを見て笑いが起こる。しかし見物人だから笑えるのだ。当事者はどうだろう。学芸会で自分の子どもが出演する。ハラハラのし通し。転んだら笑えない。でもほかの子どもは笑うかもしれない。対象から離れているから笑えるのである。「思いやり」という言葉がある。思いやりの「心」という。あたたかそうに見...

ハラハラとドキドキはどう違うか~高畑監督の話(1)

2008/06/08         

先週は三日間の宿泊行事の仕事あり。生徒たちの面倒見も大変だったが、職員間で迷い、悩む場面が多くあった。夜はさながら合宿研修の様相となり生徒たちの成長を支えるためには、教員も成長が必要ということを感じさせられた。「みんながすばらしい生徒になれば、私たちも今よりずっとよい教師になれます。これからも共に成長していこう」解散式で話した言葉である。明けて土曜日。名古屋大学で行われた映画「王と鳥」上映会・高畑...