• 二番目の悪者
    昔、立派な金のたてがみをもつライオンがいました。彼は自分が「天にえらばれしもの」と思っていて、他の動物は茶色や灰色ばかり、何と地味なことか、と思っていました。王さまの死が近づき、次の王をきめるようお触れが出ると、ライオンは「自分こそが」と思いました。ところが…町はずれにはもう一人、銀の鬣のライオンが住んでいて、そのライオンはみんなにとても優しく、尊敬されていたのです。金のライオンは、銀のライオンに... 続きを読む
  • 安野光雅の『シンデレラ』
    世界文化社 2011.7(初出1974)『音楽を楽しむ会』での童話園探索のなかで見つけた一冊です。「ふしぎなえ」「旅の絵本」など、幾多の傑作絵本を残した画家・安野光雅が絵とテクストを担当した『シンデレラ』です。お話の展開はペロー童話に従っていますが、舞踏会の開催は一夜だけ、端正な絵と相まって、一見地味な絵本に見えるのですが。ページをめくると、これがいかにも安野作品らしい、細部にこめられた遊び心と、絵本ならでは... 続きを読む
  • 『シンデレラ』と『灰かぶり』
    次回の『音楽を楽しむ会』のテーマは「童話と音楽」ということで、古今のクラシック音楽に取り上げられた「童話」をいろいろと調べました。それでわかったのは、取り上げられている童話はシャルル・ペローと、グリム兄弟の童話集に収められたものが多いことです。ここで童話というのは、民間伝承、あるいはそれを元にした作品。ドイツ語でメルヘン、英語でフェアリーテイルと呼ばれるものです。日本語なら昔話、おとぎ話、童話とい... 続きを読む
  • よあけ
    この絵本も、うちにあるのはすっかりボロボロです。2冊あるんですが、どっちもです。子どもたちには、そんなに何度も読み合った記憶がないのに。図書文化部の顧問だったときも、お話会に持っていったことは、あんまり。そのかわり、小学校でも、中学校でも、クラスの子どもたち、生徒たちには、読みました。ネコパパが授業に行ったクラスには、必ず、ね。卒業式前、最後の授業のときに読んだことも何度かありました。パブロ・カザ... 続きを読む
  • タンゲくん
    表紙をみてびっくりするかもしれませんが、タンゲくんは、ごくふつうの、しまねこです。あるひ、わたしたちがごはんをたべていると、のっそりはいってきて、あたりまえのようにわたしのひざのうえに。おとうさんもおかあさんも、なにもいいません。そのまま、ねこはわたしのうちに…タンゲくんと名づけたのは、おとうさん。タンゲくんとのたのしい、まいにち。へんなむしをとってきたり、まんげつのよるはくるったように、はしりま... 続きを読む
  • なーちゃんとおおかみ
    この絵本は、画像修正しています。あまりに破損がひどいからです。今ではいい大人の娘、テンチョウと、息子・銀鼠に何度も読み聞かせて、そのあとは子どもたちが自分でさんざん見て、読んで、こんな状態になったのです。落書きまであって。これだけ「絵本」って愛読される。こうなったらもう、世界で一冊の本です。ネコパパは、とても捨てられません。さて、開いてみましょうか。どろんこになってかえってきたなーちゃんは、ひとり... 続きを読む
  • からすのパンやさん
    1973.9 偕成社長く親しまれ、子どもたちの大好きな絵本です。「おいしそうなパンがたくさん出てくる絵本」という印象が強いのですが、あらためて読んで見ると、かこさとしの思いは、別のところにもあったのではないかと思えてきます。からすのまち、いずみがもり。ここには大きな木が二百本、ちゅうくらいの木が四百本、小さな木が八百本あったというから広大なものです。その一角にからすのパン屋さんのお店があってあるひ、四羽... 続きを読む
  • しんでくれた
    題名だけでもう、大変なインパクトのある絵本です。谷川俊太郎の独立した詩に絵をつけて出来上がった一冊。けれど塚本やすしの絵は、決して挿絵ではなくて、絵本にとって不可欠な鋭い画面の対比と色彩の変化で、見る人の気持ちをゆさぶります。ハンバーグのおいしそうな絵の描かれた表紙をめくって扉をみると、真っ赤なページに白抜きで「しんでくれた」のタイトル。第1画面が、大きな「うし」。第2画面。左ページに血しぶき。右ペ... 続きを読む
  • おとなしいめんどり
    今回はネコパパの大好きなポール・ガルトンの絵本です。例によってイギリスなど、各地に伝わる昔話を題材にして、ガルトンらしいスパイスを利かせています。谷川さんのリズミカルで流れのいい訳文がまた、すばらしい。大人も子どもも愉しみながら、読み合うことができる一冊です。お話はごくごくシンプルな、「働かざる者食うべからず」。ねこといぬとねずみと、おとなしいあかいめんどりが、いごこちのいい ちいさないえに すん... 続きを読む
  • ピアノ調律師
    これは絵本というのかな。絵のいっぱい入った、お洒落な短編小説という趣です。先日、これを編集翻訳された末盛千枝子さんのお話をZoomで拝聴して、興味を持ったのです。ストーリーはシンプルです。両親が死去して、ピアノ調律師ワインストックに引き取られた孫のデビーは、おじいちゃんの調律を見るのが大好き。自分もいつか調律師になりたいと思っています。一方、ワインストックは孫を調律師ではなく、プロのピアニストにさせた... 続きを読む
  • いつも、まっさらに~追悼・山脇百合子さん
    今朝、2022年の12月7日の朝刊で知りました。絵本「ぐりとぐら」 画家で絵本作家の山脇百合子さん死去 80歳 2022年10月6日 16時57分 NHK NEWS WEBhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20221006/k10013850681000.html引用。多くの子どもたちに親しまれている絵本『ぐりとぐら』シリーズなどで知られる、画家で絵本作家の山脇百合子さんが先月29日、亡くなりました。80歳でした。山脇さんは東京都出身で、高校3年生の時に同人誌に掲... 続きを読む
  • やっぱり「読み聞かせ」は苦痛?
    また、これか!「読み聞かせノルマ」に悩む大人たちを話題にした新聞記事です。子どもたちが宿題をいやがるのと同じですね。中には、ノルマがあるから張り切るという大人もいるでしょう。でも、多くの凡人には、ノルマはいつも重荷に感じるものじゃないでしょうか。世の中これだけの絵本があって「情操教育に欠かせない」といわれる。これは、あきらかにオーバースペックであって、「めったに読めない」「手に入らない」ときのほう... 続きを読む
  • おとうさんは、いま
    ささめやゆきさんのクレヨンと墨のいりまじったような、絵のタッチがいいですね。子どもの絵に近づけたような、それでいて、大人の絵のような。もちろん、大人の絵なんですが、子どものタッチに迫ろうとしている。そこに、大人らしさと子どもらしさの緊張関係が生まれています。まゆちゃんのお父さんから電話がありました。「お仕事で遅くなるから、絵本を読んであげられない。ごめんね」代わりにお母さんが読んであげるんだけれど... 続きを読む
  • 最初の質問
    本作は、長田弘の詩にいせひでこが絵をつけたものです。「詩の絵本」ということになります。子どもに読み聞かせるのは、とても難しい。でも、大人の絵本というのでもない。これは、読み手が自分に向かって読み聞かせる絵本なのかもしれません。もしも幸運にも、子どもたちとともに読み味わうチャンスがやってきたら、決して逃してはいけないと思っています。きょう、あなたは空を見上げましたかという第1行目に続いて、詩人からあ... 続きを読む
  • ラチとらいおん
    これはネコパパが小学校4年生の時、学校の図書館で読みました。ネコパパの行ってた小学校は文部省の図書館教育の指定校ただったことがあり、当時としては充実していたんですね。なんと、専任司書教諭もいたんです。これは後になって気づいたことですけれど。それで当時、福音館から出ていた「世界傑作絵本シリーズ」は全部揃えていて、カウンターの背に表紙を向けて飾られていたんです。そこに確かにあったと思うのは『シナの5人... 続きを読む
  • さかさことばでうんどうかい
    コロナ禍で中止になることも多かった小中学校の運動会ですが、今年度はほとんど無事開催されたようです。ネコパパの4人の孫たちも、それぞれ参加しました。テンチョウの娘テンコも、ギンネズの息子ソラタも気がつくともう小学生です。マイペースで集団生活にはやや心配なきらいのあったソラタ、1年生。先月は、初参加の運動会の様子に注目していたんですが、愉し気にクラスの友達と溶け込んでいました。さて運動会といえばこの絵本... 続きを読む
  • 「ふろく」が欲しくて買った雑誌。正解でした。
    https://www.moe-web.jp/now/202207白泉社発行の月刊誌「MOE」は1979年に創刊された絵本とキャラクターを扱う月刊誌。絵本専門誌と言えば、ネコパパの世代には、らくだ書房発行『絵本の世界』、すばる書房発行の『月刊絵本』が思い浮かびます。これら2誌は1973年創刊で、とくに1979年まで刊行されていた『月刊絵本』はネコパパにとって、絵本というジャンルへの入門書であり、教科書でもありました。同社の企画した二泊三日、参加... 続きを読む
  • ぷてらのタクシー
    「恐竜」という存在を知った時には、胸がときめきました。小学校の図書館で、同級生に教えられてみた図鑑の絵ではじめて出会った時のことは忘れられません。いまはもう、いないけれど、かつては本当に存在した、神秘的な生き物たち。生命の神秘を触感で感じた原体験だったかもしれません。巨大で重い、というのが第一の印象でしたが、そうではないものもあった。そういう図巻のイラストで決まって描かれていたのが、鬱蒼としたジャ... 続きを読む
  • なにをかこうかな
    この絵本には、ネコパパの個人的な思い出があります。アヤママと結婚することになり、これまで一人で住んでいた木造2階の古いアパートから、近くの新築賃貸マンションに引っ越したばかりのころの話。当時ネコパパ夫婦には車がなく、出かけるときは電車が徒歩で、よく二人で近所を散歩したりしていました。人も知る「車の町」でそれはとても不便なことで、取り残されたような気分でもあったのですが、それはそれで楽しかった。そん... 続きを読む
  • いちご
    いちごのおいしい季節ですね。アヤママと一緒にスーパーに買い物に出かけたりすると、すぐ「いちごだ!買って!」とねだって顰蹙を買います。ま、そこそこの値段ならちゃんと買ってくれますけれどね。子どものころは、めったに口にすることもなかった。誕生日やクリスマスケーキの定番になるのも、かなり後のこと。ちなみにこれ、日本生まれのお菓子です。不二家が1922年に開発したそうなんですが普及は家庭に冷蔵庫が広まりだした... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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