• あな
    福音館 1976011.1(「こどものとも」)1983.3.5(「こどものとも傑作集」)にちようびの あさ、なにも することがなかったので、ひろしは あなを ほりはじめた。それから、掘って、掘って、ひたすら掘り続けます。たったそれだけの絵本です。ページの流れも、右から左、左から右ではなく、上から下へ。谷川俊太郎のテキストも、和田誠の絵も、なにひとつ付け足したり、削ったりすることができないところまで洗練され、きりっとし... 続きを読む
  • けいこちゃん
    福音館 1983.5.1「こどものとも」326号あたしは けいこです。「けいこちゃん」って、よばれたら、「はあい」と、おおきなこえで へんじをします。扉に描かれた西巻茅子の絵は、シンプルです。けいこちゃんの顔は、まん丸で、ピンクのほっぺに目と口が、顔の輪郭にくっつくように描かれていて、あんまり特徴がありません。ここが肝心です。第1画面は組替えをしたばかりの保育園。年中さんになったのかな。ここでけいこちゃんは、... 続きを読む
  • ボートにのって
    アリス館 1997.10.20うららちゃんがおとうさんといっしょにボートにのっています。ぼうしと、メガネのちょっと小太りなお父さん。なんだか、絵本に出てくるおとうさんは、こういう感じの人が多いなあ。えっ、ネコパパもそうだって?描線は、一筆書きのようにシンプル。言葉もシンプル。通常の散文に、うまいぐあいにリズムのある韻文がまじっていて、そのながれがとてもいい。これなら、読み聞かせをするときも、読み手の「ストレ... 続きを読む
  • かさ
    文研出版 1975.2.20これは文字のない絵本です。タイトルは「かさ」。それだけです。では「かさ」の絵本なのかというと、そうではありません。雨の日、かさをさすのは人間だけ。かさの下には人がいて、人はそこで息をして、いろんな気持ちをかかえながら生きて歩いています。そこに降り注ぐ、雨。モノクロのシャープなタッチ、鮮やかに駆使される遠近法で描かれた画面のなかに、たったひとつ、色のあるかさがまじっています。それ... 続きを読む
  • めっきらもっきらどおんどん
    福音館 1985.8.5(「こどものとも」353号)1990.3.1(「こどものとも傑作集」)扉は、入道雲を臨む遠景と、そちらに向かって枝を振り振り歩いていく、かんたの後姿です。夏休みのある日「あそぶともだち」が見つからないかんたは、ひとりでどんどん道をあるいて、その先にある鎮守の森に入っていきました。神社にもだれもいない。かんたは、しゃくだから、しめ縄の飾られた大きな木のそばで、「めちゃくちゃのうた」を大声で歌います... 続きを読む
  • かいぶつになっちゃった
    ポプラ社 1974年12月 新版2013年4月表紙は、四角に集まった動物たち。ヘビにペリカンにトナカイ、馬に犬にウサギに毛虫、トンボ、鳥…脈絡のない集団です。輪郭はくっきりと描かれ、表情豊かなのに、どこか現実離れしているような「どこにもいそうで、どこにもいない」動物たちです。そんな彼らが、不信の目で左側に視線をやっている…表紙をめくるとタイトル。その下に、歯をむき出したぶきみな「かいぶつ」。第1画面は森の中の屋... 続きを読む
  • ひゃくえんだま
    鈴木出版 1994.2.3最近はお買い物に現金払いが少なくなって、子どもたちの「お小遣い」はどうなっていくのかなあ、と心配になります。ネコパパが小学校に入りたてのころまで、うちでは一日10円のお小遣いでした。ですから、いまでもネコパパには「10円」の重みが体感でわかるのです。駄菓子屋では10円の選択肢、かなりありましたからね。さて、本作は100円玉の絵本です。お金の話だと、小さい子どもだってひきつけられますよ。表... 続きを読む
  • トリゴラス
    文研出版 1978.8ネコパパが大好きな絵本なので、読み聞かせするときも気合いが入り、感情移入が凄いです。となると、誰にでもお薦めというわけにはいかないかもしれません。「なんだこれ?」と思ってしまうと、読み方にもその気持ちが出て、聴き手にも伝わってしまいます。そういう人は、やめたほうがいいと思います。まあ、どんな絵本にもおんなじことが言えますが、この一冊はその度合いが大きいかも。表紙からしてそそられます... 続きを読む
  • かみのけ ちょっきん
    福音館 1988.7.1「こどものとも」388号子どもは絵を描くことが大好き。それから、紙をハサミで切り抜くことも大好きです。ネコパパの子どもたちも、孫たちも、そうですよ。「ちょっきん」のタイトルにぴったりの、切り絵でえがかれた絵本です。表紙から、すごい迫力です。みきちゃんも、てるてるぼうずも、かみの毛のとんがり具合が猛々しい。みきちゃんのぐっと握られた手、かたくなな手足のくびれ方、バックもトキトキで、さわ... 続きを読む
  • ごろごろ にゃーん
    福音館 1976.1.1初出「こどものとも」238号この絵本がネコパパの原点なのかもしれない。飛行機の窓からずらっと、こちらのほうをみています。どれも同じ顔のようで、ちがう。この絵本では、体が描かれるのは最初と最後の2画面だけなんですけれど、顔はねこでも、体は人です。人型のねこ。それでいて、擬人化された、という言い方にもなじまない。長さんワールドに生きる「ねこ」たちというのは、これでなくちゃ!なんです。タイト... 続きを読む
  • エンソくんきしゃにのる
    福音館 1986.7.1(子どものとも364号⇒こどものとも傑作集)ネコパパ庵の蔵書は「こどものとも」初版なのですが、状態はボロボロです。全体を半分に折り曲げたようなしわが入り、ホチキス止めの真ん中から3枚6ページ分がすっかり外れて、一枚一枚をセロテープで補修してあります。そのテープも茶色く、剥がれ落ちて、バラバラ。読み直すにあたって、メンディングテープで再補修しました。みなさん、セロテープで本を修理するのはやめ... 続きを読む
  • ちいさなとりよ
    岩波書店 1978.11.22 原著 THE DEAD BIRD Text(C)1938&1965 Illustlrations(C)1958澄み切った青空の下、緑のくさはらで、4人の子どもたちが凧揚げをしています。表紙をめくると子どもたちのいる場所から視線は右に流れ、タイトルと、だれもいない、くさはら。次は絵のない見開きで、タイトルがもう一度。絵本のリズムの提示です。この絵本は、絵のない文字だけの画面と、絵だけの画面が交互に現れます。第2画面。視線は... 続きを読む
  • みんな うんち
    福音館 1977.7.1表紙枚の絵で構成されています。子ども、馬(下半身)、鳥、りんご。りんごがかじられているのが伏線です。扉は9枚の絵で、真ん中にたぬき、その回りの絵は全部「うんち」。さっそく、「たぬきのうんちはどーれだ?」とクイズができますよ。第1画面は、ぞうとねずみ。大きいのと、小さいの。つぎは、同じ大きさ、同じ種類でも、ちょっと違う、ひとこぶらくだと、ふたこぶらくだ。つぎはさかな、とり、むし。魚類、鳥... 続きを読む
  • はいチーズ
    絵本館2013.5なにやらポーズをつけて、棒みたいなものを持って立っている子ども。よしふみ君5歳。ふろしきをマントのようになびかせ、緑がかった灰色の空をバックにしています。足元にいるのは、ネコらしい。ぼってりと太い線で描かれたタッチ、昭和30年代の雰囲気。あのころの空は、いつもなんかこういう灰色だったような気がしてきます。一枚めくって扉をみると、焦げ茶色の一筆書きみたいな荒い線で描かれた、商店街があらわれ... 続きを読む
  • もこ もこ もこ
    文研出版 1977年04月表紙から緑色の謎の物体が。背景は黄色。このあざやかさが、まず見る人の気持ちをひきつけます。なんだかしらないけれど、がばっと開いた口でのみこまれそう。開いたら、いきなり第一画面「しーん」。話はずれるけれど、これ、ネコパパが授業で「擬態語と擬音語」の違いを説明するときによく使いました。「しーん」は音が出ないでしょ、だから擬態語、ってね。最近見たチコちゃんの番組では「本当にそういう音... 続きを読む
  • わにわにのおでかけ
    福音館2004.9.1表紙には、大きな黒いがま口を持った、わに。鋭い目に、とがった歯。ちょっとこわいな。よるです。へやのでんきもきえました。わにわには ねむれません。わにわには、木造の平屋建ての家にすんでいる。畳の上でねていて、枕元にはうず巻きの蚊取り線香。天井には傘のついた白熱電球。人の気配を感じて窓を開けると、みんな、どこかに行くようです。「ついていこう」ずり ずり づづづずり ずり づづづ身体を引き... 続きを読む
  • これは なみだ?
    福音館 1984.6.1黄色い花びらからおちる、一滴の水。扉には、そこは滑らかな緑の葉。第1画面は、そこに落ちた一滴の雫。「これは」の文字。そこにやってくる一匹のアリ。ことばは「なみだ?」しょっぱい、にがい、すっぱい、からい、つめたい、なみだ?…と、画面が進むごとに、アリの数は増えていきます。やがて、雫のまわりを、円になってぎっしりと取り囲むアリたち。その数がピークになったかと思ったところにいいえ、これはと... 続きを読む
  • こわーい はなし
    すずき出版1994.10.10こわーい、って表紙で震えているのは、あれあれ、おばけです。扉は、おそるおそる歩いている、うさぎ。雪の降る日に迷子になった、ちいさなおばけ、うさぎに出会って「もしもし、ちょっとおたずねします」と笑顔でたのんだら、びっくりしたうさぎは「きゃあ~たすけて~」と、家に駆けこみます。家にはうさぎの家族が四匹。おばけに出会ったうさぎが「おおきなめだまで ぎろりとにらんだー」とおばけのことを... 続きを読む
  • ぼくは くまのままで いたかったのに…
    ほるぷ出版1978.10.15表紙は洗面台の前でひげ(?)をそっている、くま。これはどうしたことでしょう。とびらをめくると、タイトル付きの第1画面。くまと、ひげをそりおとして人間の作業服を着たくまが左右から向かい合っています。第2画面は山の中。これから冬眠に入ろうとするくまが、みなみにわたっていく、がんの群れをみつめています。くまが冬眠している間に、人間は山の木を伐り、工場を建設していく。春になってめざめたく... 続きを読む
  • おやすみなさい コッコさん
    福音館 1982.9.1「おやすみなさいの本」というべき一群の絵本があります。古典はその名も「おやすみなさいのほん」(マーガレット・ワイズ・ブラウン)、同じ作者の「おやすみなさい おつきさま」、「おやすみなさい フランシス」(ラッセル・ホーバン)…日本のものですぐ思い浮かぶのは「ねないこだれだ」(せなけいこ)でしょうか。「たっぷりと眠る」ことは、忙しい大人にはない、子どもだけの特権でしょう。「覚醒」と「眠り」の... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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