• 本棚には人生があるー本の達人、ふたりの対話。
    10月11日の土曜日は、ひさびさに四日市の子どもの本専門店、メリーゴーランドに行ってきました。アヤママ同伴です。年に数回は出かけていたのが、コロナ禍でイベントもレクチャーも中止となっていたためでした。今回は当店オーナーの増田喜昭さんと、名古屋の古書店、シマウマ書店店主、鈴木創さんとの対談企画。あわせて店内に併設されたカフェ内での古書市です。対談は2時開始なので、少し早めに出かけて古書を物色しました... 続きを読む
  • 雪の人くい谷ー続・五箇山ぐらし
    偕成社 1982.5■故郷への長い旅天保13年春。松吉たちが五箇山に流刑になって2年が過ぎていた。年貢米をめぐる不満が原因で罪人となった加賀西念の村役とその家族たちは、今では五箇山利根谷の村人にすっかり溶け込み、忙しい毎日を送っている。14歳になった松吉も、つらい床下の塩硝作りを自分にまかされた特別な仕事と心得て励む日々だ。そんな彼らに命が下された。金沢本願寺の回収に必要なケヤキの五本の切り出しである。雪に閉... 続きを読む
  • YouTube版 本の海大冒険で『オーケストラをつくろう』が紹介されました。
    「本の海大冒険」はいつも楽しみに視聴しているやすこぽんの番組です。ここにオーケストラの絵本が紹介されています。指揮者はサイモン。サイモンといえば…この本です。サイモン君、なかなかかわいいじゃないですか。サイモンは、音楽が大好き。ひとりじゃなく、みんなといっしょに音楽を楽しみたい。それが指揮者をしている理由。さあ、指揮者サイモンといっしょに、オーケストラの世界をのぞいてみましょう。弦楽器、木管楽器、... 続きを読む
  • 五箇山ぐらしー続・天保の人びと
    1972.5 牧書店1982.4 偕成社■流刑の地には加賀藩の秘密があった天保10年3月、加賀の西念新保村の村役とその家族一行は、五箇山利賀谷に流罪となった。不作に苦しむ村を救うために役人に年貢の減免を願い出たのが罪とされたのである。松吉の一家も、その中にいた。長い道中を経て、ようやくたどり着いた五箇山利賀谷は、綱に渡した籠に一人ずつが乗って下り、要山たどり着ける陸の孤島のような場所にあったが、村そのものは茅... 続きを読む
  • 天保の人びと
    牧書店1968.12偕成社1982.4偕成社文庫2000.10■土蔵に忍び込む子どもたち天保9年8月。12歳の松吉は、見張りの目をかいくぐって奉行所の土蔵に忍び込んだ。中にはいわれなく引っ立てられ、責め立てられたおとうたち村役が閉じ込められている。土蔵はそもそも侵入できないよう頑丈に作られているが、知恵者の孫市じいまは、子どもなら忍び込める、壁のすき間があることを知っていたのだ。松吉は、仲間三人の手助けでうまくやった... 続きを読む
  • 星の時間の「モモ」
    NHKの番組「100分de名著」2020年8月に取り上げられた一冊はミヒャエル・エンデの児童文学作品「モモ」。講師は河合俊雄氏。視聴者には好評で、再放送も決まり、また岩波書店から出ている訳書も売れ行き好調とのこと。喜ばしいことである。ネコパパも当番組は興味深く拝見。テキストも入手した。今回はこれについて書きたい。■「聴き」に徹するモモ「モモ」は、河合氏の父である河合隼雄が、1979年に心理学の視点で論じたことがひと... 続きを読む
  • 安政五年七月十一日
    1970 牧書店1982.8 偕成社(かつおきんや作品集16)ときは幕末、金沢の町で…政吉は十一歳。町で評判の髪結い、能美屋佐吉の息子だ。父親に似て一本気で正義感が強く、曲がったことが許せない。たとえ相手が侍の子でも、機敏な動きと知恵で煙に巻く。今日も、三人に取り囲まれていた町娘を助け出したところだ。町人たちがひしめき合い、元気な声が飛び交う界隈だが、話題は黒船よりも、米の不作と激しい値上がりのことばかりだ。... 続きを読む
  • 「動物と話せる少女リリアーネ」を読む④転換する世界観
    第7巻。第6巻でとうとう「秘密の越境」…動物と話せる力のマスコミ公表をしてしまったリリアーネは、毎日取材に押しかける記者たちや「パパラッチ」たちに悩まされることになります。そんな中、リリのもう一つの力、植物を成長させる力に目をつけ、それで一儲けしようとする男達によって、リリはイザヤと二匹のペットとともに誘拐されてしまいました。連れてこられたのは、場所もわからない山奥。友達を人質にされたリリは、やむ... 続きを読む
  • 「動物と話せる少女リリアーネ」を読む③決裂、回復、秘密の「越境」
    第5巻。リリアーネの学校にやってきた転入生ヴォルケは牧場の娘でした。リリとイザヤは誘われて牧場に出かけますが、そこで見たのは経営の厳しい現状でした。望みは牧場の大黒柱である馬術競技用の馬ストームが競技大会で優勝すること。ヴォルケの「ふたりの母」は、ベテラン調教師のエゴベルトにストームの訓練を任せています。ところがエゴベルトの違法薬物を使った暴力的な調教で、ストームはすっかり人間を憎むようになってい... 続きを読む
  • 「動物と話せる少女リリアーネ」を読む②ケストナーの血脈
    第3巻。リリアーネのママは、政治番組のキャスターの座をねらうアナウンサーです。彼女は、リリの「秘密」が世に知られることで自分の仕事が脅かされることを恐れ、事あるごとに秘密を漏らさないように、リリに念押しをします。専業主夫のパパや、メカに強く大工仕事の得意な母方のおばあちゃんは、リリをいつも温かく見守っていますが、リリとママの関係はずっと緊張をはらんだままです。さて、夏休みを過ごすために、北海沿いの... 続きを読む
  • 「動物と話せる少女リリアーネ」を読む①自分だけの才能
    シリーズ第1巻。リリアーネは小学4年生。どんな動物とでも話せる力と、笑顔によって植物をたちまちのうちに成長させる力を持った少女です。でも、その秘密を知られないようにするために、もう3回も転校を繰り返しています。今回の引越しで、リリはとなりの家に住む5年生の少年イザヤと知り合いますが、彼もまた、学校のアイドルでありながら、人に知られたくない秘密を抱えていました。笑顔を隠した、煮え切らない態度のせいも... 続きを読む
  • いま、子どもの本が売れる理由~マーケティングから読む、斬新な「通史」。
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480017109/1997年より続く出版不況の中、逆に売上を伸ばしている児童書市場。なぜ「子どもの本」は売れるのか。気鋭のライターが豊富な資料と綿密な取材で解き明かす!■通史がなければ書いてやろう筆者は子どもの本の専門家ではなく、編集者出身でウェブ出版やコンテンツビジネスについての著書が多いライターです。自身にお子様が生まれるまでは、書店の児童書コーナーに足を運んだこと... 続きを読む
  • 勝尾金弥師・惜別の辞が「朝日」に掲載。
    我が師、勝尾金弥の追悼記事か朝日新聞夕刊に掲載された。4月4日の逝去、その時点で金沢の地方紙と中日新聞には訃報が掲載されたが、朝日には載らなかった。大変残念に思っていたところ、夕刊の「惜別」の欄に取り上げられたのである。あわせて紹介された二人は6月、7月のご逝去。どうしてこのような扱いになったのか、ネコパパにはよくわからないが、恩師の逝去がようやく全国紙にて周知されたことに、胸をなでおろしている。... 続きを読む
  • 「宝石の国」ここにきて、ディストピアな様相が見えてきた。
    「宝石の国」は、2012年に連載開始された、市川春子の最初の長編漫画。 ネコパパは、単行本1巻からずっと愛読していて、このほど第11巻が刊行された。3年に二冊くらいのゆったりとした刊行ペース。書店で平積みにされているのを「おっ、出たか」と手に取り、ワクワクしながらレジに持っていく。それが嬉しい。近頃はそんな本って、なかなか出合えないのだ。 表紙がきらりと光っているから、すぐわかる。これほど「ビジュアル... 続きを読む
  • YouTube版 本の海大冒険(大阪国際児童文学振興財団 公式チャンネル)をご紹介します
    YouTubeを眺めていたら、見覚えのあるお顔を拝見しました。日本児童文学学会研究大会で、毎回卓抜な研究発表をされている…やすこぼん、こと土居安子さんです。公式チャンネル「YouTube版 本の海大冒険」子ども向きの絵本と読物を4月17日から始まって、毎週配信しています。「コロ難儀」を受けての企画ですね。やすこぼんのゆったりとして明晰な語り、親切な字幕、本文・挿絵の紹介、キーワードで次回への興味をつなぐ工夫など、... 続きを読む
  • 図書館からの冒険~「諦めの悪い」登場人物たちの活躍。
    岡田淳のファンタジー最新作をご紹介します。小学校最後のゴールデンウィークを叔父さんの家で過ごすことになった主人公の渉(わたる)は、書店を営む敬二郎叔父さんの店に隣接する古い図書館(柴野崎小学校の別館)に忍び込み、そこで一夜を過ごすという「冒険」に乗り出す。小学校は廃校となり、由緒ある建物だった図書館の建物、双葉館も、取り壊しが決まっている。最後のチャンスだ。渉は、叔父さんが小学生の時にここで見たという... 続きを読む
  • 追悼・田畑精一氏~逞しく、泥臭く、躍動する子どもたちを描いた絵本作家
    絵本作家の田畑精一氏が亡くなられたそうです。古田足日氏との共作「おしいれのぼうけん」は、日本の絵本の歴史の古典というべき作品で、子どもの頃に読み聞かせてもらったり、自分で読んだりして「わくわく」した経験のある方も、きっと多いことでしょう。本作を始め、数多く描かれた絵本、挿絵には、60年代から70年代にかけての心ある大人たちが希望を託した、生き生きとして土臭く、たくましい子どもたちが躍動しています。... 続きを読む
  • 「歌う国民」~歌は「国民」創生のツールだった?
    ■ツールとしての「唱歌」時は明治初頭。「東京音楽学校」(現在の東京藝術大学)初代校長を務めた、伊澤修二(1851-1917)。彼はもともと軍事の人で、アメリカで軍楽を学び、幕末、高遠藩で編成された西洋式軍隊の「鼓手」を勤めた人物であった。軍隊に必要なものは、全員一律の動作。そのためには、リズムが訓練が必要だ。「大砲の発射」というひとつの動作を取っても、兵士のリズム感覚の共有ができなければ始まらない。軍楽は「国民... 続きを読む
  • 「汲みつくせぬほどの水」-我が師に、惜別の言葉を
    大学時代の恩師、勝尾金弥先生がなくなりました。ネコパパにとって最大の「児童文学の師」でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。勝尾金弥さん死去 92歳児童文学、中日文化賞 2020/4/6 朝刊https://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=732540&comment_sub_id=0&category_id=113&from=news&category_list=113かつおきんやの筆名で数多くの児童文学作品を残した愛知県立大名誉教授の勝尾金弥... 続きを読む
  • 宮澤賢治がジャズ誌の表紙に!
    宮澤賢治が「Japan Jazz」(116号、2020.5)誌の表紙に登場。「スイングジャーナル」直系の伝統あるジャズ誌である。これは珍事だ!記事の筆者は中川智広という方。「ニッポンジャズ100年」と題された連載の「外伝」として掲載されたもの。筆者は、宮澤賢治は日本初の「ジャズ文学者」であり『セロひきのゴーシュ』は日本初の「ジャズ文学」だという、大胆な仮説を明らかにしたいという。まずはじめに「日本初のジャズ文学者」と... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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