• ケンペ/ミュンヘン・フィルの「田園」、筋金入りの「まっさら」。
    ⓅEMI 1974   蘭DiskyⓅ&Ⓒ2000  BX70771ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 - Munich Philharmonic Orchestra ルドルフ・ケンペ - Rudolf Kempe (指揮)録音:1972年6月23-26日、ミュンヘン、ビュルガー・ブロイケライ Bürgerbräukeller第1楽章 10:20ゆっくり、丁寧な開始。まず、このさりげなく彫琢された音色がたまらなくいい。よく響く低音、丸みを持ってふっくらと鳴るフォルテ。フレーズの始まりはあわてず、一音... 続きを読む
  • ジュリーニ/ロス・フィルの「田園」は蜜の味
    日DG POCG90351(CD)  録音:1979年11月20~21日録音会場:ロサンゼルス シュライン・オーディトリアム第1楽章 10:35ゆったりと膨らませながら奏される第1主題。フォルテは抑え気味、テンポは揺らさず遅めで通す。第2テーマはチェロの対旋律を前に出すのが新鮮だ。展開部に入ると、チェロやコントラバスの厚みが増してくるが、リズミカルな刻みはエッジを立てず、柔らかさを保つ。全体にめりはりを避け、陽光の明るさ... 続きを読む
  • 『田園』が音楽鑑賞教材だった時代。
    ふと立ち寄った近所のハードオフ。めったに買わないレコードコーナーを眺めいてたら、こんな盤が見つかった。中学校音楽鑑賞用のステレオLPレコードである。品番は、日本コロムビアELS5008(C)63.3 定価は1800円。文部省<改定>学習指導要領音楽準拠 対象は第3学年。そしてその内容は、ベートーベン 交響曲第6番ヘ長調「田園」全曲。ネコパパは、ある感慨を覚えて、これを購入した。価格は110円。演奏者は表紙にも、レコー... 続きを読む
  • 飯守泰次郎の「田園」~透明度と音の遊び
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」<新ベーレンライター版>FONTEC  FOCD9438/42(5CD)飯守泰次郎指揮東京シティ・フイルハーモニック管弦楽団録音:2000.5.18 ライヴ録音録音会場:東京文化会館第1楽章 11:34小編成による室内楽的なスタイルで演奏されている。切れの良いリズム、快速のテンポで、伝統的演奏に良く聴かれる「ターララー」と音を切らずにつなげるのとは正反対の「タッタッタッ!」と切... 続きを読む
  • クレツキ/ORTFの「田園」~幻惑のバソン
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」仏FESTIVAL FC402日CONCERT HALL MS2239パウル・クレツキ指揮フランス国立放送管弦楽団原盤 CONCERT HALL録音:1961年5月録音会場:パリ第1楽章 9:22残響が多めの録音のためか、霧の中から浮かんでくるようなテーマの開始。弦楽器がくぐもった感じの響きで歌いだし、だんだんと力を増してくる。しかし一定以上に盛り上げることは決してなく、全体に抑制を利かせた渋い演... 続きを読む
  • ワルターのステレオ盤「田園」の真の音とは?
    名曲喫茶「ニーベルング」にチャランさんが持ち込んだLPレコードが、これ。おなじみのブルーノ・ワルター1958年ステレオ「田園」、米CBS盤である。実は矢場町某中古店でネコパパも目にしていて、ちょっと気になっていたけれど、チャランさんがさきにお買い上げになってしまった。何が「ちょっと気になっていた」のかといえば、音質問題だ。昔、ネコパパはこれと全く同じジャケットデザインのCDを持っていた。1980年代前半、この録... 続きを読む
  • テンシュテットの「田園」~隠し味を秘めた味わい
    SGK-90104(国内盤CD/東芝EMI-小学館)His Master's Voice – EL 27 04761 (original LP)ベートーヴェン交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」「エグモント」序曲 作品84*「コリオラン」序曲 作品62*「レオノーレ」序曲 第3番 作品72a*クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団録音/1985/9/15.16,19,1986/03/27  1984/5/11,12* アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン  P:ジョン・フレイザー、ジョン・ウィラ... 続きを読む
  • NHK-FMで「田園」を聴きまくる番組!
    この番組は事前に不二家さんからご連絡いただいてエアチェックしたものでした。エアチェックもやたらとしているし、最近はクラシック以外の昭和初期の歌謡曲や唱歌・童謡や現代音楽にも関心が向いているので、なかなか順番が回ってこず、やっと今日耳にした次第です。これは「クラシックカフェ」の番組枠で続けているベートーヴェン特集の最終回でした。最終回なら「第九」あたりを普通考えるところ「田園」を持ってきたところが渋... 続きを読む
  • クーベリック/ロイヤル・フィルの「田園」~45歳のクーベリックが示した先見性
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」ラファエル・クーベリック指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団独EMI(エレクトローラ)C027-00652(LP)  録音:1959年★ジャケットにWiener Philharmonikerとあるのは誤記クーベリック(1950)第1楽章 音量を抑えた渋い出だし。弦に加わってテーマを奏でるオーボエがくっきりと美しく響く。続いてトゥッティでテーマが演奏されるが、抑制されたフォルテである。低弦も... 続きを読む
  • オッテルロー/ウィーン交響楽団の「田園」~尻上がりに高まる熱気
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」ウィレム・ヴァン・オッテルロー指揮ウィーン交響楽団韓ARTIS AT025(CD) 原盤 欄PHILIPS MONO 録音:1953年2月22~24日録音会場:ウィーン第1楽章 11:27テンポは普通。第1テーマしっかりと踏みしめるように奏される。提示部の流れは自然で、木管は鮮明。提示部の反復で、本腰を入れたようにノリが良くなり、特にチェロとコントラバスの強さが目立ってきて心が弾む。展... 続きを読む
  • クリュイタンスの「田園」~深い呼吸感と精緻な音作り
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」アンドレ・クリュイタンス指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団日Warner +Tower Records TDSA 4(SACD)  録音:1960年5月録音会場:ベルリン、グリューネヴァルト教会プロデューサー:ルネ・シャランエンジニア:ホルスト・リンドナー第1楽章 10:23開始は遅い。フレーズは息長く、後に行くほど大きく膨らみ、ゆっくりと弱音に。これが楽章全体を通しての基本姿勢で... 続きを読む
  • ライナーの「田園」~楷書風に秘められた雄弁さ
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団日JVC  JMCXR0020(原盤米RCA)  録音:1961年4月4.8.10日録音会場:シカゴ・オーケストラ・ホールプロデューサー:リチャード・ムーアエンジニア:ルイス・レイトン第1楽章 10:16一つ一つの音符を噛み締めるように、きっちりとした第1テーマの開始。リズムは立ち、しかし力まずすっきりと。第2テーマはスタッカート気味に... 続きを読む
  • プレヴィンの「田園」~他の演奏を忘れ去るひととき
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」エグモント序曲アンドレ・プレヴィン指揮ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団米RCA CD  7747-2RC  録音:1988年6月23~30日録音会場:ヘンリー・ウッド・ホールプロデューサー:デヴィッド・フォレストエンジニア:トニー・フォークナー第1楽章 12:39中庸の音で優しく歩み出し、フレーズ中程からぐっと音を伸ばす。落ち着いて気持ちの良い開始だ。音量は徐々に... 続きを読む
  • 田園交響曲を聴こう(談話室香津原「会報」記事)
    名古屋蓄音機クラブも、コロナ禍自粛で、なかなか例会の開催ができません。そこで、勝原オーナーの音頭取りで「会報」作りをされるとのこと。趣旨は「楽しく読めて濃い中身。内容は自由」…って、超高いハードルじゃないですかヽ(´Д`;)ノ終息後の例会再開時に、フリーペーパーとして配布しようとお考えのようです。既に7人の執筆者が名乗りをあげられ、3回分は出来ているそうです。遅ればせながらネコパパも寄稿することにしました... 続きを読む
  • ベルリン古楽アカデミーによる「元ネタ曲?」と「田園」のコラボ
    KNECHT/Le Portrait musical de la Nature ou Grande Simphonieユスティン・ハインリヒ・クネヒト(1752–1817):「自然の音楽的描写、あるいは大交響曲」BEETHOVEN/Symphonie Nr.6ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』ベルリン古楽アカデミーベルンハルト・フォルク(コンサートマスター)HARMONIA MUNDI CD HMM 902425録音時期:2019年6月録音場所:テルデックス・スタジオ・ベルリン録音方式:ステレオ(デジタル/... 続きを読む
  • ワインガルトナーの「田園」~そっけなさの中に秘められた魅力
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」フェリックス・ワインガルトナー指揮ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団日アルティスコ(キャニオン)LP  YZ3001/9日EMI(新星堂) CD SGR8527録音:1927年1月18~19日録音会場:ロンドン、スカラ劇場第1楽章 9:05冒頭、まず気になるのは音の貧弱さだ。テンポは早く、そっけなく、ただ譜面通りに音をなぞっている印象である。しかし聴いていくと、オーボエの音を前に... 続きを読む
  • クリヴィヌの「田園」~思わず体を揺すってしまう愉しさ
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」エマニュエル・クリヴィヌ指揮ラ・シャンブル・フィルハーモニック管弦楽団仏NAIVE CD  V5258録音:2010年5月18~19日録音会場:グルノーブル、シァン劇場[ライヴ録音]第1楽章 10:53第1主題は駆け出すように始まったと思ったら、すぐブレーキがかかる。速いテンポにリタルダント。叙情的なフレーズには、この表現が繰り返し使われる。一方で、リズミカルな曲想では、節... 続きを読む
  • サヴァリッシュ、コンセルトヘボウの「田園」~平常心で作り込んだ、緻密な演奏
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団Brilliant Classics:Holland BRL92766(original recording EMI)Producer: John FraserBalance engineers:Mark Vigars録音:1991年3月11,14,15日録音会場:コンセルトヘボウ、アムステルダム[デジタル録音]original CD第1楽章 12:00ごく普通のテンポで滑り出す。主題提示後すぐのクラリネットの美しさ... 続きを読む
  • ヨッフム、ロンドン響の「田園」~歩みはゆったり、気分は躍動
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」オイゲン・ヨッフム指揮ロンドン交響楽団独EMI ‎–LP, Stereo, Quadraphonic  1C063-03252QRec 1976英Disky CD HR706162第1楽章 10:59たいへん遅い、踏みしめるようなテンポで開始される。各フレーズの終わりには念を押すようなリタルダントがあり、クレシェンド、デクレシェンドも多用される。ドイツ古式の様式的な解釈とも、フルトヴェングラー的とも感じられるが、意外に重... 続きを読む
  • フルトヴェングラー 最後の「田園」
    ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団録音 1954.5.23ベルリン・ティタニア・パラストCD 仏TAHRA 1045/1057CD 独AUDITE  AU21403LP  日ALTUS  TALTLP035■「序奏」から「胎動」へ第1楽章 11:42第1主題は最弱音からクレシェンドをかけながら開始される。非常に遅いテンポ。ひとときコントラバスが唸り、ホルンが... 続きを読む

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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