マイケル・ティルソン=トーマスの「おしゃべりな田園」

2018/11/30         

ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」マイケル・ティルソン=トーマス指揮イギリス室内管弦楽団仏SONYCLASSICAL  SKB89246  CD   Rec.1978.10架蔵CDジャケットオリジナルLPジャケット第1楽章 12:01冒頭から耳慣れない響き。両翼配置を強調するためか、左右の分離がたいへん明確だ。第1、第2ヴァイオリンの音の違いがよくわかる。音は室内楽的に透明で、管楽器の音色もくっきりと浮かび上...

ジョルジュ・ジョルジェスクの「田園」~瑞々しい透明度と生命力

2018/11/29         

ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」ジェルジ・ジョルジェスク指揮(ジャケット表記 ギョルゲ・ギョルゲスク)ブカレスト・ジョルジュ・エネスコ国立フィルハーモニー管弦楽団SUC3 日ユニオン(ルーマニア・エレクト原盤) LP 録音:1961年10月(ステレオ)第1楽章 8:42速いテンポで颯爽と始まる「田園」である。響きは明るく、鮮明そのもの。スパッと短く切れるフレーズ、生き生きと弾むリズムは提示部、展開部...

フリッツ・レーマンの「田園」~重厚なロマンの香り

2018/11/28         

ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」フリッツ・レーマン指揮チェント・ソリ管弦楽団DCF22 仏クラブ・フランセ LP 初出 1956年(MONO)第1楽章 13:58遅いテンポで重々しく開始。全体に遅めのテンポを崩さず、強弱の幅を広く取った、後期ロマン派の足取りで進められていく。強いクレシェンドと、熱い意志の力を感じさせるフォルティッシモが魅力だ。音の作りも、チェロやコントラバスを深々と響かせるドイツ的なも...

フランツ・シャルクの「田園」~ウィーン・フィル初の電気録音

2018/03/12         

ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団指揮:フランツ・シャルク録音:1928年4月4日、11日(1928年4月12日との資料もあり)録音場所:ウィーン・コンツェルトハウス英HMV D1473/7Matrix:CK 2854/63今回はポンちゃんさんのブログにアップされているSP復刻音源を試聴させていただきました。とてもすばらしい再生音です。ぜひお聴きになってください。https://blogs.yahoo.co.jp/ponch...

グシュルバウアーの「田園」~ソフトフォーカスに秘めた構築美

2018/02/05         

ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」テオドール・グシュルバウアー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団Ludwig Van Beethoven: "Pastorale" Symphonie Nr. 6 F-dur Op. 68New Philharmonia Orchestra / Theodor GuschlbauerErato LP録音 1974年第1楽章 12:05ゆったりと腰の重い、低音中心の響きで、適度な歌心を交えながら丁寧に進められていく。分厚い、弦楽器がブレンドした響きのために、木管パー...

修道士の音楽~ブロムシュテット/ゲヴァントハウスの『田園』

2018/01/10         

ベートーヴェン交響曲第6番「田園」(交響曲全集より)ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団録音 2016.5 ゲヴァントハウス・コンサートホール (ライヴ)独ACCENTUS MUSIC ACC-80322CD[5CD]■渋い、渋すぎる第1楽章 11:32ブロムシュテットがゲヴァントハウスで録音した二度目のベートーヴェン全集は、とても個性的だ。速めのテンポ、俊敏なリズム、ピリオド奏法を生かしたノン・ヴィヴラートの弦...

絶妙な音のブレンド~クレツキ/チェコ・フィルの『田園』

2018/01/09         

ベートーヴェン交響曲第6番「田園」(ベートーヴェン交響曲全集)パウル・クレツキ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団録音 1965.6.5,7  ルドルフィヌム、プラハSuperaphon国内盤CD COCO83945~49 ■耳を澄ます喜び第1楽章 12:00遅めのテンポで様子見のように始まるが、すぐに強弱が少ない、ストレートな流れが確立し、テンポも上がる。この颯爽とした歩みが、曲全体のペースだ。曲調が盛り上がっても、これを基本的に...

ムラヴィンスキーの田園④1982年レニングラード

2017/12/13         

旧ソビエト連邦を代表する指揮者ムラヴィンスキーは、「田園」の録音を4種類残している。①1949年3月29日 モスクワ②1962年3月20日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール③1979年5月21日 東京文化会館④1982年10月17日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール今回は④、彼の残した最後の『田園』である。ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調 Op.68 「田園」エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮...

ムラヴィンスキーの田園③1979年 最後の日本公演

2017/12/12         

旧ソビエト連邦を代表する指揮者ムラヴィンスキーは、「田園」の録音を4種類残している。①1949年3月29日 モスクワ②1962年3月20日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール③1979年5月21日 東京文化会館④1982年10月17日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール今回は③を聴いてみよう。ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調 Op.68 「田園」エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラードフィ...

濵津清仁の「田園」を聴く

2017/11/06         

大府市楽友協会管弦楽団 第42回定期演奏会指揮  濵津 清仁プログラムヴェルディ作曲 「運命の力」序曲J.ウィリアムズ作曲 スターウォーズ組曲ベートーヴェン作曲 交響曲第6番「田園」アンコール曲グリーグ 「ホルベルク組曲」より 前奏曲2017年11月5日(日) 午後1時30分開演大府市勤労文化会館SIGE君と行ってきました。期待の指揮者、濵津 清仁の「田園」とあって、ネコパパの期待も膨らみます。…という...

田園交響曲 架蔵盤一覧④

2017/10/26         

ネコパパ架蔵の「田園交響曲」架蔵盤を探る記事の4回目。これで最終回。2000年を過ぎると、架蔵数も一気に激減。さすがに庵主も年をとったのか、疲れが出たのか、息切れしてきているようだ。先日、新星堂から出ていたフェリックス・ワインガルトナーのベートーヴェン交響曲全集のブックレットを見ていたら、興味深い文章があった。周知のとおり、彼は歴史上初めてのベートーヴェン交響曲全集を完成した指揮者である。録音に要...

田園交響曲 架蔵盤一覧③

2017/10/25         

ネコパパ架蔵の「田園交響曲」架蔵盤を探る記事の3回目。今回は1980年代、1990年代編。並べている間にも、次々に記憶の欠落に気づいていくので、過去二回のリストも、刻々と補筆が続いている。シューリヒト、ヴァント、ザンデルリングなど、気になっている指揮者のものは、新しい音源が出るたびに入手していて、ときには非正規盤にすら手を出している。録音データが不明なこともしばしば。ジャケットに書かれていなかった...

田園交響曲 架蔵盤一覧②

2017/10/24         

ネコパパ架蔵の「田園交響曲」架蔵盤を探る記事の2回目。今回は1960年代、1970年代編。表を作ってみて気づくのは、1950年代のものと比べて、持っているかどうかの記憶や、個々の演奏の記憶が、あとになるにつれて鮮明ではなくなってくるということだ。1950年代までの演奏と比べると、どれをとっても譜面に忠実、技術の安定度は向上し、演奏は破綻なく丁寧、でも「個性」はだんだんとわかりにくくなる…未入手の録...

田園交響曲 架蔵盤一覧①

2017/10/18         

架蔵している「田園交響曲」の音盤は、どれくらいあるのだろうか。ネコパパにはコレクター意識なんて全くなくて、音盤の整理整頓はさっぱり。ただあちこちに「雑然と」並べているだけだ。何がいくつあるものか、考えたこともなく、把握もしていないのだが、最近、ネット検索でかなり網羅的に「田園」を収集している方のサイトを発見。その資料を見ながら、ふと思った。これを下敷きにさせていただき、自分の架蔵盤を記憶で辿り、取...

ムラヴィンスキーの「田園」②1962年レニングラード

2017/09/13         

旧ソビエト連邦を代表する指揮者ムラヴィンスキーは、「田園」の録音を4種類残している。①1949年3月29日 モスクワ②1962年3月20日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール③1979年5月21日 東京文化会館④1982年10月17日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール今回は②を聴いてみる。これは1995年、アメリカのマイナーレーベルであるロシアン・ディスクから初めて発売されたもの。カップリン...

ムラヴィンスキーの「田園」①1949年モスクワ

2017/08/30         

旧ソビエト連邦を代表する指揮者がムラヴィンスキーだった。彼は「田園」の録音を4種類残している。①1949年3月29日 モスクワ②1962年3月20日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール③1979年5月21日 東京文化会館④1982年10月17日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール順に聴いてみよう。最初に①、これは4つの録音の中で唯一のセッション録音で、国営レコード会社メロディアによって録音...

大交響曲の造形美~シュミット=イッセルシュテットの『田園』

2017/07/25         

ベートーヴェン 交響曲第6番『田園』ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団プロデューサー:エリック・スミスエンジニア:ミヒャエル・マイルズ録音1967.4.26~28 ソフィエンザール、ウィーンベートーヴェン交響曲全集 PROC2072/6  (デッカ/タワーレコード 国内盤SACD)よりこの音盤は、私には懐かしい、思い入れのあるもの。中学生時代、カラヤン指揮、フィルハーモニア管弦楽団の盤...

サイモン・ラトルの田園②陶器のような滑らかさと自然な流動感

2017/04/16         

ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調「田園」指揮:サー・サイモン・ラトルベルリン・フィルハーモニー管弦楽団2015年10月8&14日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)KKC-9151 Berliner Philharmoniker (独盤CD)これはサイモン・ラトル二度目の録音で、ベルリン・フィルとの交響曲全集に含まれるもの。添付されたドキュメンタリーDVD『ベートーヴェンとともに生きる』のなかで、彼は次のように語っている。 田園交響曲―命の...

サンティの田園~弦楽中心のストイックな音楽づくり

2017/04/09         

ベートーヴェン交響曲第6番「田園」(オール・ベートーヴェン・プログラムより)シュレーゲル雨蛙さんからいただいたもの。生中継のエア・チェックで、前半の曲は以下の通りだ。ベートーヴェンフィデリオ序曲交響曲第4番2009年11月25日サントリーホール第1楽章ゆったりと膨らんでいくような第1テーマ。その途中にちょっとリタルダントするところなど、いかにも歌唱的なセンスを感じさせる。バランスはあくまで弦楽中心で...

マゼールの田園②独特な表現に浮かび出る不可思議さ

2017/03/19         

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」エグモント序曲※レオノーレ序曲第3番※ ロリン・マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団R1978.2メソニック・オーディトリアムSony国内盤CD(ファミリークラブ通販盤※カップリング曲はコリン・ディヴィス指揮バイエルン放送交響楽団)初出 米CBS 初回録音から19年後の2度目の録音である。演奏の特徴は、旧盤では淡々としていた第2、第5楽章が、大きく変貌していることだ。第1楽章11...